「あの兎共絶対許さねぇぞ畜生ぉ!!」
「どうしたらいい!?どうしたらいいんだサンジ!!」
時を前後してルフィ達は直ぐ後ろから迫る雪崩から逃げるべく全速力で走っていた。
「知るかよ!とにかく1にナミさん2にナミさん!3にナミさん4にナミさん5にナミさんだわかったか!!死んでも守れ!!」
「わかった!!だけどどうやって!!」
ラパーン達が起こした振動は山肌を震えさせあっという間にその振動は連鎖、大規模な雪崩を起こしたのだ。それは多少の段差などものともせずルフィ達は高台に逃げるもあっさりと飲み込まれ、そしてその牙は麓の村にまで及びドルトンや村人達、そして対峙していた兵士達にお抱え医者のイッシー20、そしてさっさと逃げ出そうとしていたワポル達をもあっさり飲み込むと辺りをシンっ…と静寂が包むのだった。
暫くして突如として雪原に開く穴、それと共に
「ぺっ!お前らか、マズいシロップかと思ったぜ」
「うぁおおっ!?」
「ゲホッゴホッ!」
ワポルが口からチェスとクロマーリモ、自身の乗カバであるロブソンを吐き出し
「アイツらに決まってる!!」
と何かを考えたのか強い口調で断定するワポルに参謀であるチェスが
「は?…と申されますと?」
とイマイチ意図が掴めなかったのだろう、そう聞くと
「あの麦わらの一味は今城への山を登ってると言っていたな!!ならばこうだっ!
"奴らはおれ達との一件を酷く根に持っており、おれ達に仕返しする為にあの雪山で待ち構えていたのだっ!"」
ワポルの自信満々に言うその言葉にチェスとクロマーリモは
「なるほど!そういう事か!!」
「するてぇっとこの雪崩も奴の仕業か!!」
と納得したかよように何度も頷く。
「チェス!城へのロープウェイが一本も無くなったというのは本当か!!」
「は!村の者が申しておりましたっ!!」
「ちっ、ならば雪山を追うぞ!!雪上での戦闘ってもんを見せてくれる!!」
それと共に三人はロブソンに騎乗、深い雪上を高速で雪崩をおこしたと思しき麦わら一味を犯人と定め追いかけるのであった。
一方ルフィ達も満身創痍であった、ナミは病気でほぼ動けず護衛としてついてきていたサンジはナミとルフィを庇って大きな怪我を…ナミを背負い直しサンジを小脇に抱えるとルフィは再び山の頂上を目指して歩き始めたのだった。
そしてそれを見つめる一対の瞳…先の雪崩の成果で雪深くから起こされた彼女は目を閉じて"雪"を感じとれば
「全く乱暴な兎さんたち…暫くしつけてないうちにこうも大事をおこすなんて…
東側の村はほぼ呑まれたみたいだし…やっぱ多くの人が雪の中にいるみたいね…はぁ無理やり起こして働かせるなんて雪崩の件も併せてしつけ直さなきゃ…はぁ、眠い…」
白いブーツとニーソックスにこれまた白いショートパンツ、白いタンクトップ、とうてい雪山での服装と思えない格好で、所々から覗く肌は真っ白で豊かな緑色の髪を持った美しい"彼女"は大きく欠伸をすると気怠そうに雪に両手を当てる。
「"弾き雪(はじきゆき)"」
そんな彼女の言葉と共にあちこちの村や山中で雪崩に飲み込まれていた人間や動物達がまるで拒絶でもされたかのように雪の中からぽんっと雪上に弾き出された。
そして続け様に
「"流し雪(ながしゆき)"」
とな言葉と共に飲み込まれた村々の雪達が一人でにまるで生き物かの如く轟々と蠢くとあっという間に飲み込まれた家々が姿を現したのだった。
そしてそんな人智を超えたそんな景色を目にした村人達の誰かがポツリと言った。
「ゆ…雪女だ…」
その言葉と共にざわめき出す人々であったが
「救国の乙女!Dr.モネが助けてくれたんだ!!」
「兎に角今は皆の治療をっ!!雪の女王が助けてくれたとて暫く雪の中にいたんだ!!怪我したものを…そうだっ!ドルトンさんを早く助けないとっ!!」
そんな暇は無いとばかりに村人達が動き出し、そしてそれを阻止しようとした兵士達だったがこの常に雪が吹き荒ぶ国ではあり得ない突如として感じる熱気にそちらを見れば全身からもうもうと白い煙を上げる男…Mr.アイアンと名乗りドルトンを庇った仮面の青年に言いしれようの無い迫力を感じて後退りする。
「さて…あれだけ見栄をきって出てきたのにあっさり雪崩に飲み込まれてどうなるかと思ったが…これは例の彼女の仕業かな?
しかしダメだなぁ兵士諸君、人命救助の邪魔はいけない、虎の威を借りて…この場合はカバかな?それで好き勝手やってると終いには誰も助けてくれないよ?」
Mr.アイアン…パールのその言葉に一人の男が
「うるせぇ!おれ達は国王ワポルの家来だぞ!!おれ達に逆らうという事はワポル様に逆らうという事だ!何の虚仮威しか知らんが全員撃てっ!!先ずはこいつから血祭りに上げてやれっ!!」
と怒鳴りつけそれと共に兵士達は銃をパールにそのまま発砲、複数の銃声が響き突如として起こる惨劇に村人達は目を背けるも
「やれやれ、事前警告も無しとは…軍隊としてのレベルが知れるねぇ」
それと共にボタリ、と落ちる"赤熱した鉛玉"…よくよく見てみればパールの周囲に漂う白い煙は周りの雪や吹き荒ぶ吹雪が溶けた水蒸気であり鉛玉をも当たる側から溶かしていたのだった。
「なっ!き、貴様ワポル様と同じ能力者…」
「さて、いきなりの発砲とは驚いたが勿論やり返されても文句は言えないよな?"熱拳砲っ(ヒートカノン)!!」
それと共にパールの拳が男に突き刺さり男は声もなく崩れ落ちたのだった。
弾き雪(はじきゆき)
自身の領域である雪の中から能力者が感じ取った異物を弾き出す。
流し雪(ながしゆき)
知覚した雪をまるで己の手足かのように操る
救国の乙女
何したんだろうねこの人
そして全く関係ないけど
ニパ子達者でな…惑星コウグに帰っても我々は忘れないよ…
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)