起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

323 / 524
実は雪に埋まっていた動物を含めてを"彼女"が弾き出したので雪に埋もれたラパーンはいない模様


雪原に響く声

 

「見てください!いましたよワポル様っ!!」

 

「ブチ殺してくれるっ!!」

 

遠方からの微かな声にルフィが振り向くと雪煙を上げてこちらにかけてくる一団、そして雪上であれど凄まじい踏破性能を持つホワイトウォーキーに乗った一団はそのままルフィの前方へ、進路を塞ぐように立ちはだかった。

 

「待ぁてぇい…小僧よくもこのおれに数々の無礼を働いてくれたなぁ…?」

 

「どけよ!!邪魔だ!!」

 

急に現れた男達に不審な目を向けそう言うも

 

「まははははっ!カバじゃなーい?どくわけ無かろうが!!…その背負ってんのと手に持ってんのは死にかけのようだな!!」

 

その言葉にルフィは少し考えるも時間の無駄だと判断しそのままむしして前進、そこに更に呼び止める声が響き挙句の果てには

 

「おぉそうだ新しい法律を思いついたぞ?チェス、書き留めろ」

 

「はっ!」

 

「"王を無視した人惨殺"…一番無視してるその病人と怪我人から殺してやれ!お前たちっ!!」

 

「何だとっ!?」

 

ワポルの言葉と共にチェスとクロマーリモがルフィ達に踊りかかる、いきなりの攻撃に苛々しつつも鋭いトゲの付いた拳を何とか仰反る事で回避、咄嗟に反撃をしようとした所でサンジの言葉を思い出しぐっと堪えると

 

「くそぉ!!覚えてろよぉっ!!」

 

「フンっ!無駄だ腰抜けめっ!!」

 

その場から離脱すべく走り出す、追撃として放たれる矢も何とかジャンプをして躱す。

 

いつもであれば全く問題無く相手を倒せたのだろう、この程度なら近づいてぶん殴ってしまえば終わりだ。

 

が何しろ今はタイミングが悪い、病人であるナミを背負い怪我人であるサンジを片手に抱え二人を庇いながら、しかも攻撃をしても防御をしてもその衝撃が背中の病人に伝わるというオマケつき、だからこそルフィは回避に専念、何とかしてその場を離れようとしていたのだ。

 

「あれ…誰もいねぇ?」

 

そして何とか逃げ切ろうと後ろを振り返ったルフィはあれだけしつこく追って来ていた三人の姿がいつの間にか消えている事に気づき足を止めないまま

 

「何だ…?もう諦めたかな?」

 

そう呟くと同時、進行方向にまるでルフィを飲み込もうもするかのような大口が開きそして寸前で察知、大きく飛び退く。

 

「まははははっ!見たか、これぞ雪国名物"雪化粧"!!」

 

「雪国の戦闘における白い隠れ蓑!雪上での戦闘を思い知れっ!!」

 

「そんだけ弱ってりゃ即死だなっ!!さてチェックメイトだ!!」

 

「なっ!?やめろぉっ!!!」

 

続け様に突如としてルフィの両側に現れるチェスとクロマーリモ、それぞれの拳と弓がそれぞれナミとサンジに向かおうとした所で

 

「はぁ…"雪柱(ゆばしら)"」

 

気怠そうに響く女の声と共にルフィの周りに白い雪の柱が生えると攻撃を止めたのだった。

 

「な、何だぁっ!?」

 

急な出来事に驚くルフィと

 

「この声…まさかモネ、貴様か!何処にいやがるっ!」

 

その声に思い当たりがあったのだろう、周囲を見渡すワポル。

 

「なっ…ここで我々の邪魔をするか雪女っ!!」

 

「いくらワポル様の教育係とて邪魔立てすれば容赦せぬぞ!!」

 

「…まだ王様気分なのね、あなた達がワポルを甘やかすからまだまだ子供なのよ、気に入らなければ直ぐに暴力だなんて…野蛮ね」

 

「なっ!それを貴様が言うかっ!!事あるごとにおれに暴力を振るったのは誰だぁっ!!」

 

なおも怒鳴るワポルの声は虚しく吹雪の中に響き

 

「あら、ただのしつけじゃない。先代国王様からちゃんと許可はもらっていたわ?」

 

声の主人の姿は何処にも見えない、そしてキョロキョロと探すルフィの耳元で

 

「行きなさい麦わらの少年、怪我人の応急処置と病人に鎮静剤は打っておいたわ」

 

思わずバッと耳元に手を当て周囲を見るもそこには誰もおらず、そして言葉の意味に気づきそちらを見れば腕に抱えていたサンジにはいつのまにか当て木と包帯が、背負っていたナミも先程までより息が安定していたのだった。

 

「誰だか知んねーけどありがとうっ!!」

 

それと共に再び山の方に向かって駆け出すルフィの姿に

 

「なっ!待てぃ小僧っ!!」

 

ワポルは言い争いを中断して直ぐ様追撃しようとするも

 

「少し反省してなさい、"端檻雪(はおりゆき)"」

 

それと共に再び雪中から飛び出す雪の柱、瞬く間にワポル、チェス、クロマーリモの三人とついでにロブソンを取り囲むとそれぞれが結びつき雪の檻と化したのだった。

 

直ぐ様そのから飛び出そうと大口を開けて檻に噛みつくワポルだったが

 

「ぬっ!前より頑丈になってるだと!?」

 

たかだか雪の柱だというのにその硬さに驚く。

 

「ふふふ、あなたってわたしの雪すら食べちゃうからね…特別製よ?」

 

「えぇい小癪なっ!だが所詮は雪!チェス、やれっ!!」

 

「ファイア・アロウっ!!」

 

それと共にチェスの矢から火矢が放たれると檻に突き刺さり徐々に溶かし出したが

 

「…えぇいっ!!まだ溶けんのかっ!!」

 

「申し訳ありませんワポル様っ!!どうやらこの雪普通のものでは無いようです!ファイア・アロウっ!!ファイア・アロウっ!!」

 

連続して火矢を撃つも檻として構成された雪は遅々として溶けず火矢を持ち出された時にはちょっと不安になった"彼女"はそれを冷めたような目で見つつ

 

「…兎に角そこで暫く反省してなさい"襲檻雪・千倉囲(かさねおりゆき・ちぐらがこい"」

 

それと共に檻の周囲の雪が隆起すると檻ごと覆い尽くしあっという間に巨大な雪山が出来上がったのだった。

 

「圧縮した雪の檻に幾重にも重なったカマクラ…まぁ出れる頃には少しは頭も冷えてるでしょう…ふぁぁぁ…眠い…

 

そう言えば麦わらの子、あんな格好で凍傷にならなければいいんだけど…」

 

と彼女は大きく欠伸をしつつ山を登って行った少年の行った方向を見るのだった。

 

 

 

 

 




実はワポルこの時27歳…ロビンやモネより一つ下である、調べてからびっくりした。

クロマーリモが28歳でチェスが不明ですが先代の頃から仕えているという情報も見かけたのでクロマーリモの一つ上の29歳くらいにしておきます。

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。