起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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医者の追放はドラム編から六年前…ワポルが21歳の頃ですかねー、王位を継いでまもなくの辺りでしょうから王位についたのはその辺りにしておきましょう。


かつての支配者

ヒトヒトの実を食べて二足歩行して喋るトナカイ…既にその段階で大いにルフィの琴線に触れた動物…ドクトリーヌの弟子であるチョッパーは全力で逃げ回っていた。

 

最初はタダの動物と勘違いしたのか腹が減っていたのかこちらをただの動物だと判断したのだろう、肉呼ばわりしながら追いかけてくる二人、何とか撒いたと思えばどこから出てくるのか再び追いかけてくる二人。

 

そして暫くすれば今度はその二人が化け物呼ばわりしながら仲間になれと、そしてそれに対して再び逃げる、そんなチョッパーの鼻が"とある匂い"を捕らえた。

 

「あれ…?このにおい…まさかワポル!?」

 

一方感づかれたとは知る由もなくワポル、クロマーリモ、チェスの三人はロブソンに乗ってほぼ垂直とも言えるドラムロックを登頂していた。

 

「くそ、麦わらもモネも…どいつもこいつも王であるおれに逆らいおって!!」

 

「厄介ですなあの女…かつて19歳という若さで王国従医長なっただけの傑物ですが何よりもあの能力…」

 

「たかだか雪をおれが噛み砕けないだと?…王であるおれに地面を掘らせるとはモネめぇ…」

 

「そもそも雪のロギアなどという化け物を飼おうというのが間違い、いくら医者として腕が優れていようとやはり表立って叛意を見せたあの時に処刑すべきだったのだ!!」

 

「まぁいい、先ずは王であるおれを無視した麦わらの小僧から血祭りにあげてやる、どうせこの上にいるのだろうからな」

 

ルフィでさえ登るのに苦労し、挙げ句の果てには全身凍傷になるような切り立った山をロブソンは流石雪山に適応特化しただけの事はあるのかまるで足の裏に吸盤でも付いているかの如くスイスイと登っていく。

 

…まぁ適応しすぎて普段歩く事も手を抜いてるというなめっぷりだがそこは置いておこう。

 

そして三人と一匹は何の苦も無く頂上へ、数ヶ月ぶりに見る王城の雄大なる姿に

 

「まーはっはっはっ!!見ろ!何もかもが元のままだ!!ドラム王国の復活だぁっ!!」

 

両手を広げて歓喜するワポルとそれに跪くクロマーリモとチェス、しかしチェスが城の天辺の違和感に気づく。

 

「む、お待ち下さいワポル様…城の天辺に妙な旗が…」

 

その言葉にワポルがそちらを見ればそこには桜の花弁をあしらった髑髏の海賊旗。

 

「何だあの髑髏の旗は…ドラム王国の国旗はどうしたぁっ!!」

 

「ひーっひっひっひっ、燃やしちまったよそんなモンは…」

 

自身の城になんてものを、と激昂するワポルに対してその答えは直ぐに返された。

 

「ぬっ!出ぇたなDr.くれは!医者狩りの生き残り!この死に損ないめがぁっ!!」

 

ワポルの襲来を察知して真っ先に報告したのだろう、そこにいたのはドクトリーヌとチョッパー。

 

「はっ!この城はねヒルルクの墓にしたんだ、お前たちみたいな腐ったガキの来るような所じゃ無いよ!

 

出ていきなこの国から!!…ドラムはもう滅んだんだよ!!」

 

「墓!?あのバカ医者の墓だと!?まっはっはっ!!笑わせるな!!」

 

ドクトリーヌの言葉に馬鹿にしたように大笑いするワポルだったがチョッパーを追いかけて表まで出て来たのだろう、ワポルに気付いたルフィは

 

「うぉぉぉぉお!お前らさっきはよくもやってくれたなぁ!!」

 

「ん?」

 

「ワ、ワポル様!麦わらですっ!!」

 

そのまま拳を握りしめ自身の能力で大きく腕を引くと

 

「ゴムゴムのぉっ!ブレットぉぉぉっ!!」

 

そのまま渾身の力で咄嗟に防御しようとしたのか中途半端に腕を持ち上げたワポルの顔面に拳を叩き込んだのだった。

 

「なっ!?」

 

「あの小僧、能力者だったのかい…」

 

「お、あいつらは…何でここに?」

 

チョッパーとドクトリーヌはルフィが能力者だったのに驚いたのだろう、そしてサンジは海賊としてメリー号を襲って来た見覚えのある顔に疑問を覚える。

 

「あ、危ねぇ…」

 

「ワポル様!お気を確かに!」

 

初手から顔面を思いっきり殴り飛ばされたワポルは大きく吹き飛ばされ、白目を剥きながら高度5000メートルという高さから真っ逆さまに落ちる寸前をチェスとクロマーリモにより何とか助けられ

 

「お前ら…さっきはよくもやってくれたなぁ?しっしっし、も〜う我慢しなくていいんだ!」

 

殴った張本人はよっぽどあの時の事にストレスが溜まっていたのだろう、嬉しそうに満面の笑みを浮かべて拳を構える。

 

「ぬぅっ!貴様っいきなりドラム王国の国王であらせられるワポル様に向かって何たる狼藉をっ!!」

 

「そうだぞっ!国王様だぞっ!!この島中の国民達を支配されておいで遊ばされていらっしゃる一国の王に向かって貴様は…!!」

 

いきなりの、しかも国王という国の最高権力者への暴力にチェスとクロマーリモが怒鳴るも

 

「王?知るか、お前ムカつくんだ」

 

と舌を出して見せるルフィ。

 

「若僧っ、お前あいつらを知ってんのかい?」

 

「知ってるさ"邪魔口"だ海賊"邪魔口"。邪魔ばっかしするんだよ、船食うしな!もう許さねぇぞおれは!!」

 

ドクトリーヌの質問にそう答えると共に拳を打ち付けるルフィ…しかしその姿は膝丈のズボンにノースリーブの上着…率直に言って雪山をなめているとしか思えない格好にサンジのツッコミが入ればようやく寒さを感じたのだろう今の気温はマイナス50度だというドクトリーヌの言葉に慌てて城の中に戻っていくルフィ

 

…まぁその気温でヘソだしTシャツに皮のジャケットというドクトリーヌも大概だが彼女は雪国生まれの雪国育ち、寒さへの耐性が強いのだろう。

 

そうして旧き支配者と無法の海賊が激闘したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




因みにモネがドラムにやってきたのは18歳の時、ドラム編から10年前ですねー、瞬く間にスポンジの如く多くの医者の元で医療術を吸収し先代国王からも声がかかってお抱えとなる程の腕利きの医者でした。

その過程で年も近く見目も良いので横暴な息子に教育係として接点を作った上で外付け制御装置として二人をくっつけようと先代国王は画策していました、最もその前に雪山に狩りに出掛けた際命を落としましたが。


(先代国王の死因は不明です、狩りで命を落としたのは捏造ですのでご注意をば)

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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