起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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ビリオンズについては総勢二百人で見開きのシーンで14隻、それと別に港から出港して5隻に50人とあったので総勢20隻と考えています。


策謀への牙

 

「なんだと?それは本当か?」

 

ミス・オールサンデーからの報告にMr.0ことサー・クロコダイルは眉を吊り上げる。

 

「えぇ、港にいたビリオンズからの報告よ。

 

ビリオンズ総勢20隻200名のうち10隻程が船を襲ったところ返り討ちに遭い半数が全滅…大事な計画の前だっていうのに何やってるのかしらね」

 

その報告はエージェントの部下たち、グランドライン前半で賞金稼ぎをやっているミリオンズの上位組織であるビリオンズが半数程壊滅したとの報告だった。

 

「使えねぇ雑魚共だな…相手はどこのどいつだ?この辺にそれを出来るような海賊はいねぇ筈だが…」

 

舌打ちをしつつ苛立たしげに葉巻の火を消すクロコダイル。

 

「大物よ、テゾーロ財団"グラン・テゾーロ"のオーナーギルド・テゾーロ」

 

ミス・オールサンデーからの報告にクロコダイルは眉を潜める。

 

「黄金帝だと?ちっ、なんで新世界の大物がこんなとこにいやがる…やり辛ぇな…」

 

「黄金帝と言えば新世界に中立地帯を持つ大物よ?…ってまぁ知ってるわよね」

 

「当然だろ…まぁ不思議じゃあねえか。奴はこの前半にも客船を回している」

 

「それから更に貴方と同じ王下七武海の一角である"火拳のエース"の姿も確認されているわ」

 

続いて出てきたビッグネームに更にクロコダイルは眉間のシワを深くする。

 

「…なんだそりゃ、長年かけたおれの計画が漏れてるのか?

 

いや、テゾーロといやぁ火拳のエースの推薦人にしてスポンサーだったか…」

 

ミス・オールサンデーの言葉に少し考え込むと火拳の七武海就任時の事を思い出し納得するクロコダイル。

 

「目的は補給と王家にいるビリオンズから情報があがっているわ。ドラムに向かうと聞いているわよ?

 

多分火拳は黄金の護衛という所でしょうね、あの二人はがっちり手を組んでるみたいだし」

 

「はっ、こんなとこに火拳を護衛として連れて来るたぁな、過剰戦力だろうに御苦労なこった」

 

それと共に呆れたように息を吐き出すクロコダイル。

 

まぁ彼が言うのも無理は無い。黄金帝であるテゾーロは自身もかなりの戦力だという噂は知られているし、それに火拳は希少なロギア系にしてメラメラの実の能力者…しかも船で来ているとなればその戦力はこのグランドライン前半を蠢く海賊相手には過剰もいいところである。

 

「あとついでに海軍本部のスモーカー大佐もナノハナで目撃情報が来ているわ。今のところ目的は不明だけれどね?」

 

それと共に瞑目し考えこむクロコダイル。

 

「白猟だと?…確か奴ぁ麦わらの専任だった筈。リトルガーデンで始末されてるが見失ってこっちまで来たか?

 

ちっ、情報が少ねぇし不確定要素が多い…折角の作戦前だって言うのにどうしたもんか」

 

それを見てミス・オールサンデーは

 

「どうする?実行を遅らせるかしら?」

 

と提案するも

 

「…エージェント達の集合状況は?」

 

「既に大半が集まっているわ。Mr.1は指令を実行中でMr.3のペアはまだ来ていないわ」

 

「うん?Mr.3のペアはまだなのか?Mr.6のペアは着いたと報告があったのだろう?」

 

「えぇ、王女の護衛についた海賊を捕縛した後Mr.3に先に行けと言われたとか何とかで先行して来たらしいわよ?」

 

「…まぁいい、エージェント達は集結して来ているし、反乱軍共をこれ以上抑えとくのもな。下手に暴発したら目も当てられねぇからな…作戦は予定通り決行する」

 

結論として当初の予定通りに実行を決断したクロコダイル。

 

「あら、だったらいいのだけど…」

 

「アンラッキーズはもう帰って来ているのか?」

 

伝達として重要な役割を持つ二人…二匹の帰還を確認すれば

 

「残念ながらまだね。伝達には今まで通り代わりとして"エリマキランナーズ"を使っているわ。アンラッキーズの帰りを待っていては手遅れになるものね」

 

それに深く頷くクロコダイル。

 

「そりゃそうだな…ビリオンズから数名づつ選んで黄金帝と火拳、それから白猟につけとけ。

 

…ミリオンズより上の組織とは言え一般人に毛が生えた程度の奴等だ。くれぐれも気取られるような真似はしねぇように徹底させておけよ?」

 

「あら、貴方が作った組織なのに随分と信頼してないのね?」

 

「はっ、所詮空手形の役職に惹かれて集まった雑魚共さ。

 

どうせそこら辺で燻ってたゴロツキ共だ。信頼なんてあるわけねぇだろ?」

 

馬鹿にしているかのようにミス・オールサンデーも少し考えて納得する。

 

「…それもそうね。でも国が欲しいのなら王女様を貰ったら良かったんじゃない?一時期話は来てたと聞いているわよ?」

 

「おいおい、このおれにあんな小便くせぇ小娘を抱けと?」

 

「あら、あの子きっと美人になるわよ?」

 

「はっ、冗談じゃねぇな。いくら将来美人になろうが抱くのなら今美人の女だな。品性が良く、騒がしくなく頭が良けりゃ尚いい」

 

「随分と注文が多いわね。作戦の事は了解したわ。決行日は?」

 

「少し考える。白猟の情報が集まってねぇし黄金帝がどう動くかもわからねぇからな。

 

Mr.3とアンラッキーズが帰還したら直ぐに報告しろ。それから黄金帝、火拳、白猟の動向も早急に上げるように言っておけ。作戦決行はそれから決める」

 

そう言ってクロコダイルは再び葉巻に火をつけ、部屋を出て行くミス・オールサンデーの背中を見ながら煙を燻らすのだった。

 

 

 

 

 

 

 





用意周到で頭の良いクロコダイル…が集結している不確定要素がなぁ…

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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