一方その頃、上陸して直ぐ様飯屋へ向かったルフィが食事屋にて美味い食事をバクバクと食べていると
「よう麦わら…ローグタウン以来だな?」
そこに声をかける一人の海兵。
「やはりこの国に来やがったか…ログが溜まるのに一年以上かかるリトルガーデン以降どうしてたか知らねぇが…ここで捕らえさせてもらうぞ!!」
ルフィは見覚えのあるような無いような相手に首を捻りながらも食事をする手は休まず動き
「食うのを止めろ!!」
そしてようやく思い出したのか
「げっ!あん時のケムリのおっさん!?何でこんなとこに!?」
口から食べかすを撒き散らしながら驚いたように叫び食事を口の中に詰め込むとそのまま逃走する。
「野郎…軍曹!海兵を緊急招集しろ!一味がどっかに潜んでる筈だ!!おれは麦わらを追いかける!!」
顔面に撒き散らされた食べかすを拭いながら手近の部下に指示を出しそのまま店を出て行ったルフィを追いかけようとするスモーカー
「あ!お客さん!食事代!!知り合いならさっきの麦わらの人のを頼むよ!!」
そこに店主の声がかかり無視するわけにもいかないので
「知り合いじゃねぇ!ちっ、いくらだ!!」
「えーとドリンクとフードで…しめて8632ベリーだよ」
「くそっ食い過ぎだ麦わらめ!釣りはいらねぇ!!」
財布から一万ベリー札を取り出しカウンターに叩きつけ今度こそ麦わらを追いかける。
そして逃走するルフィは
「まいったなー、あいつおれのゴムゴムの技どれも効かないからなー、取り敢えず逃げるしかねぇや!」
まるでハムスターの頬袋のように食事を詰め込んだルフィはとにかく相手がこっちを見失ってくれないかと有り余る体力にものを言わせナノハナを駆け回る。
平時であれば戦う選択をしていただろうが相手は過去にローグタウンにて戦った相手だ。
あの時は自身の技全てが全く効果を出さず驚いたものだが何とか逃れて、色々と詳しそうな自身の航海士に聞いたところ悪魔の実の能力の一種でロギア系と呼ばれ分類される"自身を自然エネルギーへと変化させる能力"があるらしかった。
相手は自然エネルギーだから物理は無効、海楼石というものを使えばダメージは与えられるらしいがそんな物は手元に無いのでここはひたすら逃げの一手である。
「おっ、でっけー船!とりあえずこれに隠れさせてもらうか!」
口の中のものをゴクンと飲み込みむと腕を伸ばして一気に巨大な船の甲板に乗り込むと周囲に誰もいないのを確認しようやく一息つく。
そしてスモーカーは
「すみません奴を見失いました!桟橋の辺りに逃げたのは確認できたのですがそれ以降が…」
「ちっ、桟橋の先は海だろうが!どっかの船に紛れ込んでる可能性が高い!直ぐに包囲網を敷け!停泊している船を一隻づつしらみつぶしで探すぞ!」
部下からの報告に指示を出して緊急の臨検を行うも大概の船の臨検が終わり残り三隻というところで
「そう言われても困るだわさ、いきなりの臨検でそれに協力しろと言われても…どんな難癖つけられるかわかったもんじゃ無いさね」
「だから凶悪な指名手配犯の捜索だと言っているだろう!」
「はんっ、アンタみたいな下っ端じゃ話にならないねぇ、指揮官を出しな!」
何やら軍曹と褐色に金髪の美女が船の前で言い争いをしていた。
「どうした軍曹、麦わらは見つかったか?」
スモーカーがそう声をかければ
「いえ、こちらのご婦人が臨検など断ると…」
「アンタが指揮官かい…ふぅん、本部大佐かい。
せめてうちのオーナーに許可をとることだわさ、じゃなきゃうちの船には一歩足りと踏み入らせないさね」
その言葉にスモーカーが居並ぶ三隻の船を確認すればそのどれもに黒地に金の星。
「ちっ、グラン・テゾーロの所属船か…嬢ちゃん、おれは海賊を追っていてな、この船に隠れ潜んでる可能性もあるんだ。
凶悪な海賊が船の中でいきなり暴れちゃ嬢ちゃんも困るだろう?おれ達海軍は海賊を探してるだけだ、それ以上は何もしやしねぇから船を捜索させてくれないか?」
世界政府公認を受ける旗印に苦い顔をしつつも説得しようとすれば
「ヒッヒッヒ!アタシを嬢ちゃん扱いかい?少なくともグラン・テゾーロ幹部との交渉にしては随分と下に見過ぎだわさ。
それにたかだか海賊が隠れ潜んでいたとしてもこの船で暴れる事が出来るわけないわさ、言っちゃ悪いかも知れないが三隻のうち一隻はうちの警備部門の船さね、もしそんなのがいたらさくっと鎮圧してお終いだわさ」
その言葉には今度はスモーカーが驚く。
まだ20代前半に見えるが彼女が自身を幹部だと言ったからだ、そうなると嬢ちゃん扱いは悪手だったな…と自身の言葉に歯がみするも
「逃げているのは麦わらのルフィ、3700万の凶悪な海賊だぞ?」
そう言って手配書を見せるスモーカーだったが
「…手配書にしちゃ満面の笑顔だねぇ?
さっきも言ったがオーナーの許可を得る事さね、海軍にはこちらを好ましく思ってない勢力がある事は承知してるさね、変な因縁でもつけられたら堪ったもんじゃないだわさ」
これ以上目の前の女に言っても無駄だろうなと考え
「…オーナーは、ギルド・テゾーロは何処にいる?」
「さてねぇ、レインベースかアルバーナじゃないかい?詳しいスケジュールは把握してないさね」
そう言って片手を上げて金の髪を揺らして去っていく女性を見ながら
「大佐…いいんですか?あと調べてないのはこの三隻だけですが…」
「相手は世界政府公認だ…所属船も本船のグラン・テゾーロと同じで一種の治外法権になってる。
これ以上粘っても無駄だ、臨検するんならオーナーであるギルド・テゾーロの他に海軍の上や世界政府のお伺いを立てる必要がある、奴の献金は政府、海軍共に莫大な額だからな…」
「許可をとって臨検しますか?」
「無駄だ、機嫌を損ねたくないだろうから許可はおりねぇだろうし、それにそんなことでやってる間に麦わらの奴はとっくに逃げてるだろう。
ちっ、世界政府公認とは言え一つの勢力がここまで力を持ってる現状はな…」
それと共にスモーカーは苦々しげに黒地に黄金の星を持つ風に翻る旗を見るのだった。
マリージョア襲撃が13年前でオルガはその後救出されています。
本来なら御歳200数歳ですが書類上は救出時の見た目から10歳、ですので現在のオルガは23歳としてあります。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)