起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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最低でも二日に一回は投稿するようにせねば、ズルズル間が空くのが一番嫌なパターンだからなぁ


金色と麦わらと

桟橋から町のほうに去っていく正義を背負った背中を見ながらオルガは

 

「さて…もう行っただわさ、出て来ていいさね」

 

と物陰に声をかければ

 

「ふぃー助かったー…何処の誰だか知んねーけどありがとな!」

 

と言いながらごそごそと這い出てくる麦わら帽子の少年。

 

「別にいいさね、それよりもアンタ海賊かい?さっき本部の海兵が手配書を見せてくれたけど…3700万とは随分とやんちゃしてるみたいさね」

 

「おう!おれはモンキー・D・ルフィ、海賊王になる男だ!!」

 

その宣言にオルガはキョトンとしややあって

 

「…海賊王ねぇ、海賊王になるって言う奴はごまんと見てきたがアンタもその口かい?」

 

「ん?その口ってどの口だ?なぁなぁそれよりもこの船なんだ?お前も海賊なのか?」

 

全く応えないルフィにオルガは半眼を向けるも

 

「この船は横の二隻を含めてウチの会社の船さね、テゾーロ財団って名を聞いたことは?」

 

「何だそれ?食いもんか?」

 

オルガの質問に首を振るルフィに

 

「…ま、この辺りに居たんじゃ知らないのも無理は無いさね」

 

「しっかしこのでっけー船三隻全部お前のものなのかー、すげぇな!!」

 

「いや、別にアタシの船ってわけじゃないさね。

 

立場的にこの"ステラ・オブ・ゴールド"の船長を任されてるだけさね、これでも会社の幹部だわさ」

 

「へー、おっとそれどころじゃ無かった、さっさとゾロ達に合流しねぇと」

 

「あんたの仲間かい?」

 

「おう!おれの仲間だ!!」

 

「まぁ焦るんじゃないだわさ、助けたお礼としてちょっとアタシの話に付き合ってもらうさね」

 

「えー…さっさと合流してビビの為に反乱止めねぇといけねぇんだけど…」

 

「ビビ…ねぇ、アラバスタ王女"ネフェルタリ・ビビ"が関係あったりするのかい?」

 

「はっ!?し、知らないぞ!ビビがおれ達の仲間でこの国の女王だなんて誰も言ってないぞ!!」

 

「語るに落ちるとはこの事かねぇ…まぁいいさね、隠れる為とは言えうちの船に忍び込んだんだ、事情聴取くらいはさせてもらうさね」

 

「むー…確かに黙って乗り込んだけどよぉ…」

 

「すぐ済むさね、アンタはこの国に何をしに来たさね?」

 

「クロコダイルをぶっ飛ばしに」

 

早速のその答えにオルガは一瞬頭を抱える。

 

「…クロコダイルってのは王下七武海のサー・クロコダイルかい?どうしてまたそんな大物を?」

 

「そりゃぁビビの国を乗っ取ろうとしてるわりー奴だからだ!」

 

その言葉にオルガは驚いた風を装い

 

「砂漠の英雄と呼ばれるクロコダイルがこの国を?そんな冗談信じられないだわさ」

 

「む!本当だぞ!蝋燭のやつとか爆発する奴とか集めてバロック何とかって会社作ってビビの国を乗っ取ろうとしてんだ!!」

 

「…まぁいいさね、跳ねっ返りがクロコダイルを倒して名を上げようとしているって考えておくさね。

 

付き合ってくれた礼さね、これでも受け取るだわさ」

 

そう言って投げられたのは何かのカード、ルフィは咄嗟に受け取ると

 

「何だこれ?食いもんじゃねぇのか…」

 

「随分な言い様だねぇ、今世間で最も有名なアイドル、歌って踊れるあのベアチルド・シュガーのファンクラブの特別会員証さね。

 

何処をどう見たら食べ物に見えるんだわさ、欲しがる奴はごまんといるさね」

 

「へー、まぁそのシュガーってのが誰か知んねぇけど貰えるもんは貰っとく!あんがとな!!

 

…そういやお前名前なんて言うんだ?」

 

「そういや名乗ってなかっただわさ、アタシはオルガ…グラン・テゾーロ芸能部門"ステラ・プロダクション"代表のキナミス・オルガさね」

 

ルフィはそれを聞くと

 

「オルガか!色々とあんがとな!また今度どっかで会おうぜ!」

 

そう言って自身の腕を伸ばすと帆柱を掴んで一気に上空へ、そしてぐるりと周囲を見渡し目的の誰かを見つけたのだろう、そのまま腕を伸ばして飛んで行ったのだった。

 

「…噂に聞くより随分と元気な奴だわさ、しかしこれで大体の所は分かったさね、クリークには伝えておいた方がいいだわさ。

 

一足先にボスとアルバーナに向かったから後で連絡しておくとして…王女の居場所と麦わらの位置の把握が先かね?」

 

勿論オルガはクリークから今回のアラバスタ来訪についてある程度の話は聞いており、そしてこの国の王女であるビビがクロコダイルの陰謀に巻き込まれており、その手助けとして麦わらの一味が協力しているのも聞いている。

 

昨日着いた時には騒ぎは無かったので恐らく今日この島に来たのだろう、後で沿岸部を捜索するとして…

 

「騒ぎと言えば昨日は驚いただわさ、いきなり10隻の船から襲われるとは思わなかったさね…」

 

やはり船の随所にあった黄金が余計なのを呼び寄せたのかいきなり翼にレイピアの髑髏を持つ艦隊に包囲された時には肝が冷えたものの、自身の上司や恩人が腕を一振りする度に沈んでいく船達を見て考えるだけ無駄だと悟ったが。

 

オルガとてまだ若年ながらテゾーロ財団の幹部をはる身、ついでに今をときめくトップアイドルであるシュガーのマネージャー兼ボディガードと言う手前、戦闘力には幼い頃からの特訓により割と自信はある。

 

だがそれは対個人に限った話で、やろうと思えば色んな手を使えば不可能では無いだろうが、流石に腕の一振りで大型の船を沈めれるほど人間を辞めてはいない。

 

「…あたしの周りは化け物ばかり、まぁ妹分のタメだしこれも恩人の為さね」

 

そう言って大きく伸びをするオルガだったが彼女は知らない、戦闘(主にシュガー相手によからぬ事を企む者達)では一対一で確実に敵を倒していき、そして見ることすら叶わぬその速さ故に倒された敵の目に写るのは豊かに波打つとても綺麗な金色の髪のみ。

 

故に"金色の影"、"金の足跡"などと呼ばれ"シュガーには手を出すな、アレにゃ何かが憑いている"と噂されている事を…

 

 

 

 





ベアチルド・シュガー

シュガーのアイドルとしての名前、勿論シュガーが考えた。
海軍で"鈍熊の子供達"と呼ばれる存在がいるのを知って羨ましかったらしい。

"シュガー・ハート"と言うファンクラブが存在する。

佐藤さんは置いておくとして傍にいるハートオブゴールドのヒロインであるオルガの存在から名付けて見ました。

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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