起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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前回は殆どクリークの出番なかったけど自身の振るう刀を自身で鍛えた剣士です。

それを作る過程で色々と前世の知識にあった刀を自分なりに再現、普通の刀から変態的な刀まで色々と取り揃えている模様。

まぁあまりに特異的な刀は鍛造不可能故に諦めましたが。


砂賊の娘の慟哭

マンベレ式投げナイフ…だったかしら?ラサが手に持つ複数の刃を持ったナイフを見てビビは考える。

 

複雑な形状をした、複数の刃を持つ主に砂漠の民が狩りや戦闘に使うナイフだったか。

 

複雑ながらも重量のバランスがとれた形状をしており、投げるとブーメランのように回転しながら飛んでいき相手を切り裂くナイフであり、投げナイフと銘打たれてはいるが接近戦でも威力を発揮し、複雑な形状の刃が相手に食い込んで重傷を与える。

 

因みになぜこのような変な形になったかといえば、鳥の頭に似せたとも、装備者のステータスとして用いるため真似が難しい形になったとも言われているんだっけ?

 

などとどうでも良い事を思い出しつつここまで感情的なら怒らせた方がやりやすいかしら?と考え口を開く。

 

「貴女は何が望みなの?お父様からの謝罪かしら?それともメリアスの復興?それとも今までの賠償とこれからの保障?」

 

「っ!!お金なんかいらない!それにメリアスはもう死んだのよ!!今更復興なんてできるもんか!!」

 

「じゃあ何が望みかしら、なんなら王族に復讐でもしてみる?勿論わたしも抵抗させてもらうけど?」

 

それと共に腰の後ろに手をやるビビ、勿論ここでやり合うつもりは無い。

 

制圧は簡単だがここで砂賊との間に遺恨を残すのは悪手だからだ。

 

「…望みなんて…望みなんてわかるわけないじゃ無い。

 

メリアスが砂に呑まれて…そして何度も日が昇り、同じ数だけ日は落ちた。

 

灼熱の昼も極寒の夜も何度も何度も乗り越えたよ、水も食料もどんどん少なくなって…そしてそれでもずっと待ち続けた頃あたしの身体が暑さも寒さを感じなくなって、団長に拾われた頃には分からなくなったよ。

 

あたしが国を恨んでいるのか、何のためにメリアスにいたのか…」

 

「…同情はするわ、何の慰めにもならないかもしれないけどこのわたし、アラバスタ王国王女ネフェルタリ・ビビの名においてメリアスの復興は約束するわ」

 

「…今更ね、でもいいわメリアスが復興すれば団長の…仲間たちの助けになる。

 

拾われた恩は忘れて無い…メリアス復興が本当にあたしの望みかどうかは知らないけどね」

 

そう言ってナイフを仕舞うラサにビビも手をかけていたナイフの柄から手を離す。

 

「それから貴女にはお父様にも直接会わせてあげる、まぁ貴女が何を言ってもわたしからは何も言わないわ…というか言えないものね」

 

「…あんだけ言っておいて今更?みんなもいいかしら…あたしはこいつらがこの船に納得したって事にするよ」

 

そう言って後ろにいた仲間たちを見回すラサに男達は話し合い

 

「…ラサが納得するんならおれたちはそれでいい、何しろお前が一番王族には隔意があったろうかなら」

 

代表してラサの隣にいたザバがそう答えると

 

「そう…団長、あたしらは納得したって事にしとくよ。後は団長が決めてくれればいい」

 

ラサは黙って話を聞いていたバルバル団団長のバルバロッサに言いそれにバルバロッサは頷くと

 

「よし、全員が納得したんなら乗せると言ったしな…よし!姫さま、あんた達のレインディナーズ行きこのおれバルバル団団長!バルバロッサが受け持った!!」

 

そう言ってバルバロッサは自身の胸をドンと叩き、こうしてビビ一行はレインディナーズへと砂漠越えの足を確保したのであった。

 

「うっひょー!!船が砂の上を走ってる!どうなってんだ!?」

 

「原理としては帆船と一緒よ、流砂の動きと風の動きを読んで船を走らせるのよ」

 

帆船の舳先に立ってそう叫ぶルフィにビビは簡単な原理を説明するビビ。

 

「へぇー、ならナミもゴーイングメリー号を砂の上で走らせれるのか?」

 

「ちょっと…無茶言わないでよね?風は確かに読めるかもしれないけど砂の動きなんて読めるわけないでしょ?海を読むのとわけが違うんだからね?」

 

無茶を言う自身の船長にナミは呆れたように言うがそれも無理はない、砂漠に接している事が多いここアラバスタの国民からまだしもナミは全く別。

 

元々航海術に深い知識を持つナミも時間をかけて経験を積んでいくならまだしもいきなり砂を読めなどと言われてもはっきりと無理だと断言した。

 

「ま、これで後はクロコダイルのとこまで一直線だろ?へっ、腕が鳴るな」

 

「後はバロックワークスが…クロコダイルがMr.6から伝わった情報でこちらに兵力を送り込むかもしれないという懸念はあるけれどね?」

 

刀に手を乗せウズウズしたようなゾロにビビがそう言えば

 

「任せておいてくれよビビちゃん!バロックワークスなんざおれ達がサクっと叩きのめしてビビちゃんを守るさ!あ、勿論ナミさんも守るぜ!」

 

「…またこれか」

 

「おぅ、何か言ったかクソ剣士?」

 

「うるせぇぐるぐる眉毛」

 

そうしてまたつまらない事で喧嘩を始めたゾロとサンジを他所に

 

「それにしても熱いな、おれ毛皮のせいで熱がこもって…」

 

「おぅチョッパー砂漠でそんなもん着てっからだぜ?さっさと脱げばいいじゃねぇか」

 

「そうだな、何でこんな暑い中こんなの着てるんだ…ってこれは毛皮だから脱げねぇよ!!」

 

「はいはいウソップもチョッパーも馬鹿な事やってないの」

 

「トニー君、まだ船に乗ってるからマシな方よ?最初は歩いて砂漠越えする予定もあったからそうなってたらトニー君は動けなくなってたかもしれないわね」

 

そう言ってビビは騒がしいメンツを見て軽く笑みを見せるのだった。

 

 




これでビビ達はエルマルからレインベースへ。

さてユバにおくりこまれたエージェント+ビリオンズはどうなるのでしょうね?

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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