因みに本編ビビ様の好感度が低い場合麦わら一味は
「近づくな海賊風情が!!」
とか言われちゃう、海賊については色々とビビちゃんさま時代に教えられたしね。
ルフィはパリッとした上等なスーツを、同じくビビもそのプロポーションを魅せる水色のドレスを纏い正面から堂々とクロコダイルの経営するカジノ"レインディナーズ"へと踏み込んだ。
別に入り口で止められるような事もなく、カジノの中でビリオンズが待ち受けてるという事もなく中には様々な人間がスロットにカード、ルーレットなどの遊戯に騒がしく興じていた。
「なぁなぁビビ、クロコダイルどこだ?」
「まぁ待ってルフィさん、まずはちょっと遊んで行きましょうか」
「えー、さっさとクロコダイルのとこいこうぜー?」
「ここは一般エリア、VIPエリアに行くのに必要なのよ。
なんせ彼が普段いるのはVIPエリアの更に奥だからここから強行突破なんてしようものなら余計なものがワラワラとついてきかねないわ」
「むー…わかった、ビビがそう言うんなら…」
「…いきなり突っ込んでそれで片が着くんならやりやすい相手だったんだけどね」
そう言いながらビビはとあるテーブルに目をつけ席に座ると
「いらっしゃいませお客様、遊んでいかれますか?」
「えぇお願い、後ろの彼は見学よ」
「かしこまりました、ルールはご存知で?」
「問題無いわ当然の嗜みよ」
軽く会話を挟み正面のディーラーからカードが配られる。
購入時に換金したチップのほとんどをテーブルの上に置くと続けて配られた二枚のカードに目をやるとそこには数字が書かれた札
「ヒット」
と告げそれに従いディーラーが六組のトランプを素早くシャッフル、中央に山札として置き一枚のカードをビビに…とはたから見てるルフィは良くわかっていなかったがゲームは順調に進んでいく。
順調に買ったり負けたりを繰り返しチップのヤマは増えていき、そして残りの山札がだいぶ少なくなった所でディーラーに悟られない程の軽い笑みを浮かべると
「ダブルダウン」
と一言告げ賭けていた数と同じ枚数のチップを前に出すビビ。
「…おや、勝負に出てよろしかったので?」
それに対してディーラーは気圧されたのか少し冷や汗を流しつつもカードを一枚ビビに渡すと
「女は度胸って聞いた事無いかしら?…ブラックジャック」
そうしてビビが晒したカードはエースのカード。
「…お若いのに大した腕ですね、こうも鮮やかに勝たれるとディーラーとして自信を無くしてしまいますよ」
「時の運よ時の運、さて続けましょうか?」
眉を下げるディーラーにそう言うビビだったが勿論ビビも運だけを頼りにこの席に着いた訳では無い。
ビビが挑んだのはこの世界のカジノでは割とポピュラーなゲームであり、ビビがやってのけたのは大雑把に言うと、場に出たカードを記憶し
ある程度ゲームが進んで山札の枚数が減ってくると、どういうカードが残っているか…未だ場に出ていないカードが何か導き出しそれが有利になるか不利になるかにあわせて賭け金の額を調節するというテクニックをやってのけたのだった。
カウンティングと呼ばれるこの技術は別にイカサマでは無い…というかそもそも山札を細かく、しかも全て覚えようなんてのはよっぽど記憶力に自信が無いと無理な話でもある。
そして順調に進んで行く勝負にルフィはルールが分からず退屈そうに、そしてホールスタッフの一人はどんどん積み上がっていくチップの山と集まりだした野次馬を見て慌てて副支配人に連絡。
「なに?イカサマか?」
「いえ、あちこちから見ていますがその兆候はありません」
「ならいつも通りだ、VIPフロアに通してとんとんにしてやれ」
報告をしてきた部下に髪が上に向いた奇抜なヘアースタイルの男…このレインディナーズの副支配人であるウルトラキングはそう指示を出すが
「それが…今勝負をしているのがどうやらアラバスタ王家のネフェルタリ・ビビ王女では無いかと…」
部下の返事に目を見開くウルトラキング。
「行方不明になったと聞いていたが…いつ戻ってきたんだ?しかも反乱騒ぎで国が倒れかねない時にカジノ遊びとは…随分と剛毅な姫さまだ。
…まぁいい王女様自らこのカジノにおいで頂けるとはこのレインディナーズにも箔がつくというもの、ゆくゆくはわたしがこのカジノのオーナーになった時のために繋ぎを作っておくのも悪くないな…
一応支配人のオールサンデーさんにも連絡を…」
ウルトラキングがそう言いかけた所で
「その必要は無いわよ副支配人、彼と彼女はこちらで対応するわ」
現れたのは黒髪の美女、涼しげな目元をした彼女はウルトラキングにそう言うとカツカツと足音を鳴らしながら勝負が白熱しているテーブルへ、丁度また一戦終わったタイミングで
「少しいいかしら王女さま?」
と声をかければ
「…あらミス・オールサンデー、何か用かしら?」
それと共に拳を構えようとしたルフィの腕をそっと抑えて言うビビ。
「この店のオーナーが貴方達を気に入ったので食事でもどうか?とのお誘いよ?」
ミス・オールサンデーの言葉にビビは"思ったよりも早かったな…"と考えつつも
「あら、この店のオーナーといえば七武海のサー・クロコダイルかしら?」
「えぇ、まあ会うかどうかは貴方達に任せるけど?」
「当たり前だ!おれ達はクロコダイルをぶっ飛bもがっ!?」
心強いが直情傾向な自身の仲間の口を塞ぎつつ
「えぇ喜んで招待に応じさせてもらうわ、こっちの彼も構わないでしょう?」
「えぇ…彼だけかしら?他には誰も?」
「そうよ、何か問題でも?」
ビビのその言葉にミス・オールサンデーは少し考え込むも直ぐに切り替えて二人を地下へと案内するのだった。
Tips. こっちのビビ様は裏では割とダーティな手も使う模様、なので歯車が合わなければ一味とは喧嘩別れになる可能性もあった。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)