少し思案しニコ・ロビンを呼び寄せようとした所で大きく鳴動する封印に気づき
「なっ!?いや…いくら奴でもこの封印を破れるたぁ…」
と考え直すも鳴動はどんどんと大きくなりやがて巨大な音と共に封印が中程から大きく吹き飛んだ。
「我流土竜遁法・土竜魚(もくぎょ)ってな?」
空気すら入り込まない筈の超圧縮された砂を打ち破り現れたクリークはその腕は肥大化、両の爪はまるで獣のように長く鋭く変化していた。
「な、テメェなんだその腕は!というか土竜遁法だと!Mr.4ペアとMr.6のペアをやったのはテメェか!!」
「生命帰還・爪合わせ…っても知らねぇか、特殊能力みてぇなもんさ」
「テメェ…やはり能力者、いやゾオンにしちゃ変化が少ねぇ…海軍秘伝の技術ってとこか?」
破られると思っていなかった自身のもちうる最高硬度の封印を破ったクリークにクロコダイルは軽く舌打ちしつつどうするかを考える。
砂封墓標が破られた以上拘束は不可能だろう、となると仕留めるしかないと判断し
「…なら引導を渡してやるよ!"砂漠の宝刀(デザート・スパーダ)"!!」
それと共にクロコダイルが大きく腕を振り下ろせば再び砂漠に刻まれる断裂
「さて…悪いがちょっとばかり本気を出させてもらうぜ?」
だがその斬撃はクリークの黒く変色した腕に耳障りな音をたてて弾かれ、更にその拳がロギアである筈の自身に突き刺さる。
「グッ!何故攻撃が当たる!?まさか海楼石か!!」
「残念…ロギア相手に海軍がいつまでも手をこまねいているとでも?」
「…また海軍秘伝の技術とでも言う気か!"砂漠の霰(デザート・グランディネ)!!」
それと共に四方八方から砂の弾丸がまるでガトリングのように襲い掛かり、降り積もる砂はクリークを拘束、阻害せんと寄り集まるも
「ハハハハハッ!俺を拘束したきゃ砂漠ごと動かしてみせな!!」
クリークは意にも介さず前進、今度はクロコダイルの顔面をぶん殴る。
「ぐうっ!…恐らくその変色した腕が鍵という事か!だったら…当たらなければ済む話だろうが!!」
そして今度はクリークの下から打ち上げるような拳がクロコダイルのボディに向かい
「なっ!?おいおいそんなんアリか!?」
直前で動いた砂が胴体と拳の間に入り込み防がれた。
「…止める事が出来た、ならその変色した腕は能力者の実体を捉えると言った所か」
「…砂の盾と言った所か、混乱すら殆どせず防ぐとはこの土壇場にきて随分と面倒な」
「砂漠の柩・重(デザート・バーラ・ペサード)!!」
クリークの言葉にクロコダイルは答えず先程とは比べ物にならない量の砂がまるで滝のように襲い掛かる。
さしものクリークもこの量の砂に襲い掛かられては面倒だと感じたのか
「ふぅ…"連拳砲・千襲(つらねけんぽう・ちがさね)!!」
一発一発が大砲以上の威力を持つ拳が衝撃波と共に何発も打ち出され砂を弾き飛ばす。
「砂漠の大剣ぁっ(デザート・グランデ・エスパーダ)!!」
更に迎撃に集中しているのなら、とクリークの足元から不意を突いて生えた巨大な砂の刃は
「斬撃には斬撃ってな!"纏い嵐脚(まといらんきゃく)"」
耳障りな音と共に砂の刃と風の刃が相殺、更に隙を突いて拳がクロコダイルに向かうもその拳は再び当たる直前に分厚い砂の盾によって止められる。
「ちっ!厄介な事覚えやがって!!」
「ロギアにも有効な攻撃があると教えてくれた事には礼を言わせて貰うぞ!」
そして再びぶつかろうとした所で
「見つけたぞクロコぉっ!!ゴムゴムのピストルっ!!」
「ったく、ロギアを閉じ込めるたぁ厄介な技持ってやがるな!火拳っ!!」
ルフィとエースの拳がクロコダイルに向かいその身体は砂となって弾き飛ばす。
「っ!!火拳に麦わら…次から次にぃっ!!」
「黄金爆っ(ゴォンボンバ)!!」
更にはクロコダイルの隙をついて地中から黄金の拳が襲いかかる。
「っ!テメェもかギルド・テゾーロぉっ!!」
自身の足を吹き飛ばされながらクロコダイルは自分の下半身を砂嵐へと変じさせ空中に飛び上がる。
「ちっ、覇気を使ってりゃ仕留めれたか…」
「またハキとやらか…まぁいい、全員吹っ飛びやがれ!!"極砂嵐(サーブルス・グランデ)"!!」
それと共にクロコダイルの両手に砂嵐が発生し二つが融合し巨大な砂嵐へと変化、それがクリーク達へと襲いかかる。
「精々そこで耐えてみせろ!!」
それと共にポーネグリフがトプンと砂漠に沈み込みクロコダイルはその場から離脱、ルフィはそれを見て
「なっ!逃げんのかクロコ!!」
「はっ!目的を達したんならもうテメェに用はねぇよ麦わらぁっ!!精々そこで古い王国の終焉でも見てやがれ!!」
そう叫ぶもクロコダイルは鼻で笑ってレインベースへと向かっていった。
「…砂嵐が邪魔だな、◽️◽️◽️◽️◽️っ!!」
それを見ながらクリークは声にならない声と共に常人とは比べものにならない肺活量を用いて大量の空気と共に砂嵐を弾き飛ばし
「クリークよぉ、手ぇ抜いてやがったか?相手は覇気も覚えてねぇロギアだろ?」
テゾーロが黄金の纏われた拳を指輪へと戻しつつ言う。
「いやぁ、土壇場で厄介な技覚えやがってな…ちとゆっくりしすぎたのは事実かもしんねぇが…よぉエース、弟とは無事に会えたらしいな」
「誰だお前ら!」
見たことの無い相手に咄嗟にファイティングポーズをとるルフィ
「よぉ麦わらのルフィ…噂はかねがね、会えて光栄だな東の海のルーキー?」
「心配いらねぇよルフィ、こいつはおれの知り合いだ。
と言うかクロコダイルの飛んでった方…あの嬢ちゃんが行った方角じゃねぇか!!」
そしてそれを抑えつつ言うエースだったがその言葉に
「なっ!ビビが危ねぇ!!」
とそれだけ言い残しルフィはクロコダイルの飛び去って行った方向へ走り出し
「おいエース、麦わらは何を焦ってんだ?」
「いや、それがよぉルフィと一緒にいた水色の髪の嬢ちゃんが気になる事があるって言ってここに来るまでに別れてよぉ」
「なっ!なら早いとこ向かわねぇと不味いんじゃねぇのか?その水色の髪の嬢ちゃんってアラバスタの王女サマだろ?」
エースの言葉にテゾーロがそう言えば
「お守り渡してあるしなんとかなると思うがなぁ…兎に角ビビちゃんのとこ向かうか、はやい事しねぇと王国軍と反乱軍がぶつかるぞ!」
クリークはそう考えながらも全員でルフィの後を追うのだった。
クロコダイルが時々使っている砂漠の大剣(デザート・グランデ・エスパーダ)は頂上戦争の時に赤犬をぶった斬った技です。
しかしやはり七武海であり砂漠の王と名高いクロコダイルにはそれなりの格が必要ですからね…つまりクロコダイルの強化(我愛羅化)が止まらない!
…まぁ流石に現段階で砂鉄や砂金は操れないでしょうけども
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)