起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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皆様いつも誤字訂正、感想、評価、お気に入り等ありがとうございます。

注意 原作キャラクターの性格が大きく変わっています!原作イメージを壊す恐れがありますのでご注意下さい!


砂漠の姫の最上計画

「そうら!いつまで生き残れるか見ものだな!」

 

先手はクロコダイル、馬鹿にしたように軽く腕を振ればそれに合わせて砂で出来た礫が飛んでいく。

 

「様子見なんて有り難い事ね…」

 

とビビは呟きながらもきちんと見えているらしく一歩軽く踏み込んで身を屈める事によって回避するとそのまま拳銃を二発、当然相手はロギアであり何の痛痒も与える事が出来ず

 

「クハハハハ!無駄なんだよ!!おれはスナスナの実の能力者!!銃なんざ無意味なんだよ!!」

 

「それくらい知ってるわよ!ちょっとした小手調べよ!」

 

「ならこれはどうだ?砂漠の宝刀(デザート・スパーダ)!!」

 

「っ!やはりロギアって厄介ね!!」

 

そう言いながらも横っ飛びで回避そして懐から海軍でも使われている音響閃光手榴弾を投げ目を閉じ耳を塞ぐと同時に奥歯に仕込んだ丸薬を噛み潰し嚥下した。

 

「ぐっ!何を投げたぁっ!!」

 

当然クロコダイルは何が来ても問題ないと思っていたのかその閃光と甲高い音により視力と平衡感覚を失い、更にそこに身体に"まるで縞のようなアザが浮かんだ"ビビは無言でとても非力な姫とは思えないような踏み込みでクロコダイルの懐に入り込み拳銃を手放すと代わりに視力の回復を終えていないクロコダイルの顔に対し、香水の瓶を右手にナイフの柄で瓶を打ち割る。

 

当然ナノハナ名産の香り豊かな香水は強い匂いと共にクロコダイルの顔面にぶちまけられ更にそこにナイフで目元を斬りつけられ

 

「ぐうっ!?テメェ!!」

 

やっと閃光から回復しかけていた目に香水で砂を固められた事により物理的に傷をつけられ痛みに呻く。

 

更にビビによるクロコダイルの目を狙った攻撃は終わらずべろり、と口の中に溜めていた唾液で右手の人差し指と中指を舐めると

 

「ぐぁぁぁぁぁあっ!!テメェェェェっ!!おれの目をぉっ!!」

 

クロコダイルの両の眼窩にたっぷりの唾液に塗れたその細くたおやかな指を突き込むとそのまま眼底に指をかけて引き倒し、更にナノハナで受け取ったクリークにお願いをしていたお守り…小さな単発式のダブルバレルハンドガンを引き抜くと左右の膝に向けて一発づつ。

 

そして素早く距離をとり荒い息をつきながらも油断なく拳銃を構える。

 

「クソッおれの目を…それに力が…砂にもならねぇ!何をしやがったネフェルタリ・ビビぃっ!!」

 

それに対してようやくビビは大きく息をつく。

 

「ふぅ…何とかなって良かった…流石に舐めてたつもりは無いけれどここで仕留めれて良かったわ」

 

それと共に構えを解くと小さなハンドガンを装填、腰に指すとスタスタとクロコダイルに近づき近くに落ちたハンドガンを拾いあげ倒れたまま起き上がらないクロコダイルの両肘に発砲

 

「ぐうっ!?テメェ何をしやがったぁっ!!」

 

狙い通り常ならば軽く無効となる銃撃で痛みを受けた事で原因は目の前の小娘だと断定し激しく吠えるクロコダイル。

 

それに対してビビは目、両膝、両肘の痛みに苦しみながらも吠えるクロコダイルを見下ろしながら

 

「ねぇクロコダイル、海楼石と言うものをご存知かしら?」

 

と言ってのける。

 

「ぐっ…まさかテメェ!おれに撃ちこんだのは!」

 

「えぇ、お察しの通り能力者の実体を捉え、なおかつ触れている間は全身が脱力状態となるいわば海の鉱石…運良く手に入って良かったわ」

 

「くそっ!海楼石如きでこんな小娘にぃっ!!だいたい運良くだぁ?海楼石の加工は容易じゃねぇ!!そんなもん精々新世界でごく少数が海軍で用いられるくらいのもんだろうが!!」

 

「その通り…でもこんなもの新世界にたむろしている強者には当たる筈もないわ。

 

でも自分の能力を過信し、油断する能力者には絶大な武器となり得る…伝手を使って少数だけ手に入れる事が出来たのよ、ギリギリになっちゃったけど間に合って良かったわ」

 

「っ…こんなもんさえなけりゃ…だいたいテメェ!今まで牙を隠してやがったな!何だあの身体能力は!」

 

「あぁ、これの事?」

 

そう言って身体に浮かんだ縞模様のアザを撫でて見せるビビ。

 

「王宮に豪水って呼ばれ伝わるものがあるのよ…別名命を削る水、飲んだ者の身体能力を爆発的に上昇させる物よ。

 

まぁわたしが飲んだものは改良品だけれどね、レインディナーズでは使わず終いだったけれど奥歯に仕込んでおいたの、これで疑問は解決したかしら?」

 

「っ…体さえ動けばテメェみたいな小娘なんざぁ!!」

 

「…まぁこの程度では心を折る事は難しいみたいね。

 

ねぇクロコダイル、わたしはね一つの計画があったのよ…"天竜人"ってものを知ってるかしら?」

 

「…あの身勝手なクズ共がなんだってんだ」

 

「知ってるなら話は早いわね。13年前、天竜人達が住まうマリージョアにおいておきたマリージョア襲撃事件、それとその時期に発生した病疫で多くの天竜人が命を落とし、その数を激減させたわ。

 

そして事態を重く見た世界政府は天竜人の血縁者を辿り増やそうとした…その一環で"始まりの20王家"である我がネフェルタリ家にも世界政府から使者が来たわ"そちらが望むのであれば天竜人にしてやってもいい"とね」

 

「テメェ…まさか…」

 

「お察しの通りよクロコダイル、勿論お父様は断ったわ。

 

でもわたしは違う、国を守るには力が必要なの…ただの武力ではダメ、ならばそれ相応の権力が必要よ。

 

わたしは個人的な伝手で現天竜人であるミョズガルド聖の後見を手に入れたわ、わたしが20になればわたしは天竜人としてマリージョアへ向かうのよ、そして今回貴方の野望を食い止め、アラバスタの内乱を終結させる事によりその功績を持ってしてアラバスタを直轄地にしようと思っていたのよ」

 

その話を聞いたクロコダイルは

 

「…今までのは全部芝居だったってか?テメェは反乱で国の人間が死んで行くのを見てただけだってのか!!」

 

「…一つ教えておくわクロコダイル、"目標に犠牲はつきもの"…何かを為すには相応の犠牲はやむを得ないものよ。

 

さて…残るエージェントはミス・オールサンデーとMr.2、Mr.7ペアの情報ね、勿論喋ってくれるわよね?」

 

そう言ってビビは嫣然と笑って見せると再び銃を、今度はクロコダイルの額に向けるのだった

 

 

 

 

 

 




ネフェルタリ・ビビの二面性



平時であれば命を慈しみ犠牲を嘆く普通の16歳の少女であるが王族としてのビビはある程度の犠牲を許容し、国の為なら割とダーティな手も使う模様。

国民の前では天真爛漫で親しみやすい可憐な姫として、そして上に立つものとしては苛烈ながらも真摯な為にその美貌も相まって王国軍部に支持者は多い。

ルフィ達との旅の道中では少女としてのビビの面が強かったがアラバスタに戻ってからは王族としてのビビの面が強くなっていたらしい。

勿論ルフィやナミ達麦わらの一味は苦難を共に乗り越えた仲間であり信用もしているが、国の為であれば少数の犠牲は仕方ないという考えの為根底ではルフィと相反する模様。

なので残念ながら原作のように"今の段階では"心の底から信頼し合える仲間としてルフィや他の仲間達を受け入れる事が出来ていません。

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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