基本的にはコスト面や加工の難しさ、扱いの難しさなどから海軍では採用されていません。
ビビが持っているものはクリークがトップを務める海軍特殊兵装技術研究部にて作られた試作品で射程も短く、一度に二発しか装填できないような代物で弾数も全部で五発しかありません。
ルフィ、エース、テゾーロ、クリークが到着した時にはその勝負はカタがついた後だった。
倒れたまま動かぬクロコダイルとそこに銃を突きつけるビビというわかりやすい結果にルフィは目を見開く。
そんなルフィを他所に
「…いやはや、アラバスタ王国の姫が王下七武海の一角であるクロコダイルを倒す程の手練れとは知らなかったな」
拍手をしつつそう言いながら近づいていくテゾーロにビビは
「貴方が黄金帝ね?お噂はかねがね…この国には観光かしら?」
「ギルド・テゾーロだ、初めましてアラバスタの女王様?」
テゾーロが差し出した右手を握ろうと腕をあげようとして
「っ〜〜〜〜!!いったぁっ!?」
その動作だけで全身に走る痛みにより奇妙な体勢で固まる。
「…どうしたんだ?」
これにはテゾーロも思わずギョッとして尋ねるも
「…少し切り札を使ったからこのザマよ、申し訳ないけれど握手は勘弁して欲しいわ。と、挨拶が遅れたわねネフェルタリ・ビビよ」
足をこちらに踏み出そうとした状態で腕を中途半端に上げた奇妙な状態でそう言うビビにテゾーロはちょっとヒキつつも
「切り札ね…あのクロコダイルを倒すくらいだから相応の代償があるもんなんだろうが…少し興味が」
と詳細を聞こうとした所で
「おいビビ!お前クロコに勝ったのか!?」
とルフィがビビに近づくと両肩を掴んでユサユサと揺らす。
「いっ…たぁっ!?ルフィさん!痛いから!今筋肉痛がやばいから動かさないで!!」
「お…おぅ、悪ぃ…」
当然本来は飲めば必ず死ぬと言われるドーピングアイテムである豪水、改良したとは言え副作用は重く数分で効果が切れた後はまず全身を無理に使った反動で筋肉痛が、しばらくすれば異常な程の倦怠感が襲い暫くは動けなくなる。
そしてこの全身の強力な筋肉痛が襲っている状態の時に身体を思いっきり揺さぶられてはたまったものでは無いので慌てて言えば
ルフィはびっくりしつつも一歩下り素直に謝る。
「クロコダイルは一応無効化したわ、後はMr.2とMr.7ペアだけれど…」
「お?他の奴らは?」
「Mr.3とアンラッキーズはリトルガーデンから戻らず行方不明に、不明だったMr.4ペアとMr.6ペアは何者かにユバで襲撃されたそうよ。
Mr.5のペアも戻らなかったという事はきっとミス・ダブルフィンガーに処分されたという所かしら」
そんな折に鳴き出した電伝虫に
「お!みんなからか?」
「えぇきっとナミさん達ね、もしもし?」
『あ、ビビ?郊外で砂山や砂嵐が出来たり凄い音がしてたんだけどそっちは決着が付いたのかしら?』
「こっちは一応決着がついたわ、そっちはどう?怪我は問題無い?」
『えぇ、あたしもゾロもしっかり治療を受けたから大丈夫よ…まぁ流石にオフィサーエージェントにこのアジトが見つかった時には血の気が引いたけれどね?』
「うーん、そんな簡単にわかるようにはなって無いんだけどな…でも襲撃って大丈夫だったの?」
『えぇ大柄なオカマをサンジくんが、変な銃使いのペアをウソップとチョッパーが片付けてくれたわ』
「となるとこれでバロックワークスはミス・オールサンデーを残すのみね、色々と助かったわナミさん」
『という事はそっちはルフィがクロコダイルをぶっ飛ばしたのね、…砂のロギアなんて相手に良く勝てたものね』
「えーと…まぁうん、色々あったけどクロコダイルは撃破したわ。
後は王国軍と反乱軍がこちらに向かってるからそれを何とかしたらそちらにルフィさんと一緒に合流するわ、積もる話もあるものね」
『えぇ、勿論報酬は忘れないでよね?なんだったら上乗せしてくれてもいいわよ?』
「ふふふっ、考えておくわ」
そう言ってビビは電伝虫を切ると同時にその場にドサリと倒れ込んだ。
「おい!ビビ!?どーしたんだよ!!」
当然周りは驚きルフィも慌てて起こそうとするも
「いったぁ!?だからルフィさん揺らさないでってば!!
ちょっと切り札を使ったから全身筋肉痛な上にまったく動けないだけよ、暫くしたら動けるくらいには回復するからそのままにしておいてちょうだい?」
「お…おぅ、ビビがそう言うんなら…」
とうつ伏せの状態で顔も動かさずに喋るビビにルフィはビビって本当はクロコダイルぶっ飛ばせるくらい強かったんだなぁ…などと埒外の事を考えていると上空から目の前に降ってくる一つの影。
「ビビ様!?…まさか豪水の薬を使ったのですか!?無茶はあれほどおやめ下さいと!!」
「うぉー!!お前何だ!鳥か!?人間か!?」
そしてルフィは初めて見る鳥のゾオンに驚き、ペルは目敏くうつ伏せになって倒れているビビを見つけるや否や凄い剣幕で言うも
「…その声はペルね、無茶のしどころってのはあるものよ、必要なら使えるものは何でも使うわ」
ビビはうつ伏せの状態ながら聞き覚えのある声にそう返す。
「貴女はいつもそうです!王宮の火薬庫で手投げ爆弾を作ろうとした時もそうでしたが何の為に我々がいるのですか!!」
「ペル、それは国の為…確かに貴方達を信頼はしているわ。
でも王族たるもの自身が先頭に立ってこそのものじゃないかしら?」
「ビビ様…」
「なぁ、ビビも鳥のおっさんもなんか真面目な話してんのはわかるけどその状態だと威厳もなんもねぇと思うんだけどなぁ…」
そして真面目な話をしていた主従はルフィのあんまりと言えばあんまりな言葉に
「仕方ないじゃ無い!言っとくけどこうなりたくてこの状態じゃないんだからね!?あいたたた…大声出したら身体に響く…」
「ビビ様!?おい君!君が何者かは知らないがあまりビビ様に無茶をさせるな!」
凄い剣幕で言えばルフィはそれに対して
「えぇ…おれのせいか?まぁいいや、さっさとみんなのとこ戻ろーぜ?」
と答えつつ立ち上がり迫ってくる砂埃を見つけて首を傾げたのだった。
因みに豪水については前々から目をつけていたクリークがアラバスタ訪問の折に持ち帰りファウス海軍病院にてDr.インディゴ、トラファルガー院長、ドクトル・ホグバックなどの強力を経て豪水を素材に使用する"一時的に凄まじい力を得るが数分で動けなくなるドーピングアイテム"という位置付けで、開発成功の折にアラバスタ王国へは報告がてら納入しました。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)