起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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スモーカーさんはなぁ…希少なロギアであり初手で本部大佐、しかもグランドライン入り口に近いローグタウンを守護しており赴任意向海賊を逃した事が無かったと言う経歴の持ち主なんだけどなぁ…

少なくともスモーカーの後に赴任した人間は少なくともバルトロメオがグランドライン入りしてるからには逃してるんでしょうからスモーカーも腕はある筈なんですが…いかんせん相手が悪いのかいまいち実力が発揮できていないのか…

個人的にルフィとスモーカーはルパンと銭形みたいに時に敵対時に共闘という美味しいポジションになるんだと思ってましたが…

あ、別にスモーカーを否定しているつもりは一切無いので悪しからず。

ただ相手が悪いのか戦績が…


砂漠の姫と白猟の海兵

「…行方不明だったアラバスタの姫さんが見つかったのはいいが、なんで麦わらと一緒にいやがる?狙いはなんだ麦わらぁっ!」

 

それと共に大十手をルフィにつきつけるスモーカー

 

「お、なんだやんのか!今度は負けねぇぞ!!」

 

ルフィもそれを見て両手を構えるが

 

「ルフィさん、今はそんな場合じゃ無いんじゃないの?スモーカー大佐もそこまでにしていただけないかしら?

 

確かに貴方は海軍で、しかも専任追討の任にあるのは理解しているわ。でも今はそれより優先すべき事があるのでは?」

 

ビビは血気盛んな二人を見てため息をつく。まぁ、海賊と海軍である以上仕方ないかもしれないが話が進まないので二人を嗜めると

 

「…王下七武海であるクロコダイルが世界政府に従順な裏側でアラバスタ王国転覆を企てていた。確かに海賊はどこまでいっても海賊…何を企んでても不思議じゃぁねぇが…それでも目の前の海賊を逃してもいい理由にゃなんねぇんじゃねぇのか?」

 

スモーカーは自身が海兵である以上は、と納得しない様子。

 

「あら、海軍が上手く動いていればここまで大事にならなかったのだけれど?」

 

「…基本的に海軍は国の政治には干渉出来ない。内政不干渉だから、例えクロコダイルが何を企んでても手は出せねぇんだよ」

 

ちくりとしたビビのイヤミにスモーカーは苦虫を噛み潰したような顔をする。

 

基本的には世界政府加盟国の政治に海軍は口出しできない。何故ならそれは世界政府が選んだ王の政治が間違ってると自ら言うようなものである。

 

海軍も世界政府の下部組織である以上、世界政府の意向に真っ向から逆らうわけにもいかず圧政に苦しむ民を見ているしかなかった。

 

とは言え一方では流石に王権打倒とはいかないものの"身勝手な正義"を掲げ裏からコソコソと動いて決して世界政府にバレないように動いている者や、"力無き者の味方"とも名高い髑髏仮面のティーチなどの尽力により昔よりはだいぶマシになっている。

 

「へぇ?モンキー・D・ルフィ含む麦わらの一味は国難の危機を救った英雄だから国賓として迎えているのだけれど?」

 

内政不干渉を口に出したスモーカーにビビは嫣然とした笑みで海軍が内政干渉するのかしら?と言えば

 

「っ…屁理屈だな。その気になりゃ全員しょっぴく事も出来るんだが?」

 

分が悪いと察したのか少し強引でも仕方ないと思いつつ腕に力を込めるスモーカーだったが

 

「それをわたしの前で?天竜人候補であるわたしに言うのかしら?」

 

ビビの"天竜人候補"という言葉に驚愕を露わにする。

 

「なっ!?世界政府のその計画はまだ動いてやがったのか!天竜人が減ったなら何の不都合がある!」

 

「さぁ?世界政府の思惑なんて知らないわ。わたしはわたしの為に世界政府からの話に乗っただけ…貴方がこれ以上ルフィさんを捕らえるというのなら、わたしにも考えがあるのだけれど…例えば後見人であるミョズガルズ聖に話を通す事もできるのだけれど?」

 

怒気を露わに言うスモーカーにどこ吹く風の涼しい顔で答えるビビ。

 

「脅しとでもいうつもりか?」

 

「まさか、海兵として職務に忠実なのはいい事だと思うけれど…でも大局を見極めるのも上に行くのなら必須じゃないかしら?」

 

「…何が言いたい」

 

「国を乗っ取ろうとしていた賊を討伐した、民達にとっての新たな英雄をここで捕らえたとして、このわたし達王族を含めて国の民はどう思うかしら?」

 

「っ…いいだろう今この場は見逃してやる。で、おれ達に何をしろと?クロコダイルを捕縛したとしか聞いてねぇが?上に報告しろとでも?」

 

流石にこの状況で麦わらのルフィを捕らえればアラバスタ王国における海軍への不信感が一気に増すとスモーカーは考え仕方なくビビの話を聞く。

 

「世界政府にはこちらから報告させてもらうわ。勿論海軍にも政府から話がいくでしょうけれど、わたし達だけで片付けては海軍のメンツを潰す形になってしまうもの」

 

「…なんとも有り難くて涙が出るな」

 

「クロコダイルの身柄を今からアルバーナへと連行します。あなた方海軍には護送に協力してもらうわ。

 

それから彼の率いていた犯罪秘密結社"バロック・ワークス"の所有していた人工降雨船も拿捕しているからそちらも宜しくね?ダンスパウダーを積んでいるのだから慎重にね?」

 

「…随分と手回しがいい事だな、いいだろう。世界政府直下海軍本部の名の下にクロコダイルの"敵船拿捕許可状"及び政府における一切の称号と権利を剥奪する…これでいいのか?」

 

ビビの言葉にスモーカーはため息をつきつつ自身の所属する海軍本部の名の下に宣言。

 

「えぇ、これで彼は何の権力もないただの海賊になったわ…それこそ煮ようが焼こうがこちらの自由…」

 

この宣言により今この場でクロコダイルは数多の特権を廃されただの海賊に、ビビはそれを考え少し口角を上げるも

 

「クロコダイルをどうするつもりだ、アラバスタの姫さんよ」

 

「予定であれば戦力としたかった所だけど…認めてあげるわ。今回は心を折る事の出来なかったわたしの負け…身柄は海軍に預かってもらいます」

 

スモーカーの言葉にかぶりを振って考え直すと残念そうに言うビビ。

 

「…いいだろう、サガはヒナに連絡をとれ。確かこの辺りの海域を管轄だった筈だ。

 

たしぎ、てめぇは剣客隊を率いて人工降雨船とやらに向かえ。残りはおれと共にクロコダイルを王都まで一度護送する」

 

そしてスモーカーは引き連れてきた部下達に素早く指示を出してルフィを睨みつけながらクロコダイルの元に向かうのだった。

 

 




因みに海軍による内政不干渉は個人的な予想です、あんなまともじゃない王が蔓延っていて海軍が全く手を出さないなんて普通はあり得ないですからねー、普通は…

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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