起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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さて全然出番作れてなかったアピスちゃんです、ちなみに歳は13歳程としています…見た目やら行動的にはもう少し下な気もしますが…


聞く少女 ドンクリークさん

クリークがそこらで拾った棒をゆっくりと振り下ろす。

 

「真上から一直線に振り下ろし」

 

それと共に一歩横にズレて棒を躱す"目隠しをした"少女、それに対してクリークは今度は左から

 

「右手側少し下から振り上げ」

 

それも迷いなく後ろに下がる事で回避、ならばと今度は右手で合図を出して正面から真っ直ぐ棒を突き出せば

 

「正面から突き」

 

それと共に身を捩るようにして躱してみせると

 

「それから後ろにギンさんが正面から手刀」

 

そう言い放った所でまさに手刀を放とうとしていたギンの手がピタリと止まる。

 

「…ボス、まさか一年も経たずにここまでやられると自信が無くなりそうなんですが」

 

気配を消していた筈のギンはまだ13の少女に見抜かれた事に少しショックを受けるも

 

「能力と余程相性が良かったのだろう、そう気にする事でも無いさ…アピス、目隠しを外してもいいぞ?」

 

クリークのその声にアピスは視覚を封じていた真っ黒な布を解くと数回目を瞬かせる。

 

「どう?おじさん、全部合ってた?それからギンさん、気配を消したらそこに何も無くなるんだもん、消すんじゃなくて誤魔化す方向にしたら読めなくなるんじゃないかなぁ?」

 

「あぁ相手の攻撃を読むのに関しては問題無いだろう、回避もそこそこ出来るようだしな」

 

「気配を消すでは無く誤魔化す…アピス嬢ちゃんも難しい事言うもんですねボス」

 

「はははっ、精進しろよギン?」

 

「逆にクリークおじさんは戦闘となると気配が強すぎて他が読みにくくなるんだよねぇ…周囲がおじさんの気配で塗りつぶされると言うか何と言うか…だからすぐに居場所わかっちゃうんだよなぁ」

 

「まぁ気配を隠すなんざ性に合わないからな、しかし回避等は問題無いとして後は攻撃力か」

 

「それはこの子達がいるから大丈夫だよ!ねー、タローボー?」

 

「ぶもっ!!」

 

そう言いながら自身の膝丈の高さも無い、人の頭部くらいの大きさのバッファロー的な動物"達"を撫でるアピスにクリークは思い出す。

 

まだ東の海にて麦わら一味の追っかけをやっていた時にとある縁により知り合った少女"アピス"

 

アピスはヒソヒソの実という悪魔の実の能力者であり、その能力は"動物の心を聞く事が出来る"という戦闘だけで言えばあまり役立ちそうに無い代物…しかしクリークはその能力の可能性に気づいた。

 

動物の心を聞く能力、ヒソヒソの実の能力は本人に戦闘能力が無くても代わりに戦うものがいればいい話であり、率直に言えばグランドラインに蔓延る海獣達を交渉の元従える事が出来ればそれだけでとてつもない脅威と化す…未だに成功してはいないがもし本人の力量が更に上がり海王類の心も聞こえるようになればそれはかの古代兵器"ポセイドン"と同じく絶大なる脅威となり得る故にクリークは諸々の件を片付けた後にすぐさま本人や保護者であるボクデンと交渉、可能性に気づく政府や海賊から自分の身を守れる程度になるまで身柄を預かる事となり今に至る。

 

「しかし凄まじいな、まだ一年も経たずにここまで読めるようになるとは驚いた」

 

「ケンブンショクのハキってやつ?うーん、本音を言えばいつも動物達と同じように声を聞く感じで"今からどこをどう攻撃するぞ"とか"こう近づいて不意打ちをしよう"とかそんな感じで聞こえるんだよねー」

 

「む?それは人の考えている事がわかるという事か?」

 

「ううん、そういう事じゃ無いんだけど…なんていうか自分に向けられた感情?意思?そんな感じのが朧げにわかるというか何というか…感覚的なものだから説明しづらいんだよねぇ…」

 

そして最低限自分の身を守れるようにここに来るまでの過程で最低限の体力づくりや身体の動かし方など色々と教えていたが、その過程でアピスのその能力故かは不明だが彼女は見聞色に凄まじい適正を見せた。

 

目隠しをしていても周囲の状況が理解できるのは当然として相手が自分に向けた意思を読む事も、攻撃を読み取る事も可能でありこのまま順調にいけば見聞色の覇気使いとして大成するであろう…最も見聞色と違い適性があまりなかったのか武装色に対しては不得手としているものの"本人単体ならまだしも"アピス達の戦力はかなり高い。

 

心を聞き、話せると言う絶大なるメリットの元で身近なだけでも六式と覇気を使う"シグマ"、トリトリの実を食べたガトリングガンである"カフウ"、海中で有れば比類なき力を発揮する"マガツノ"という面々が揃っている上に今回のメルヴィユ訪問においても新たに牛?バッファロー?らしき不思議動物を五匹程仲間を迎え、軽く確かめたが五匹の連携は中々のものでありそこら辺の海賊程度なら苦もなく片付ける事が可能だろう。

 

何はともあれ麾下のメンバー達の成長具合の確認とアピスの新たな友達探しは上々に終わりクリークは満足げに頷くと天高く聳えるメルヴィユの山を見上げて

 

「さて、向こうは今頃何をやってるのかねぇ?」

 

と呟き、アピスもそれに続いて雲に隠れたメルヴィユを見上げるも何も聞こえなかったのか不思議そうにクリークを見るのだった。




と言うわけで見聞色マスターアピスちゃん爆誕、鳥やネズミの心も聞こえるので諜報関係にも優れています。

仲間になった五匹の牛?バッファロー?的な生物は一体なんだろう…

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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