「ぐっ、離せ!離さぬかっ!!我は神なりっ!たかだかパラミシア一匹、我が最強たるロギアの力を持って叩き潰せんわけが!!」
ルフィとエネルの戦闘は苛烈を極めた。
幾らルフィがゴム人間で雷のロギアを無効化するとは言え相手は経験を積んだ人間、周囲に甚大な被害を出しつつもルフィはエネルを自身の特性を用いて拘束
「知るかっ!テメェが神様とか何とか関係ねぇ!!」
「青海の猿如きがぁっ!!MAX2億V…ヴァーリー!!」
「だから効かねぇってんだろ!!さっきから神様神様うるせぇ!!何一つ救わねぇ神様がいるか!」
それと共に頭突きがエネルの顔面に。
「ぐっ!よくもこの私に傷を!」
その衝撃に額が切れて血を流すエネル。
「幾らテメェが動きを読めてもなぁ…避けなけりゃ意味がねぇだろ!!」
「なっ!えぇい貴様!?離せっ!離さぬか!!」
エネルは何とか動く腕で矛を操り突き刺すも
「いってぇ!!でも離さねぇぞ!くらえぇっ!ゴムゴムのぉ・・・大鐘ぇっ!!」
走る痛みを堪え仰反るように頭を後ろに伸ばしてキッと前を見据えると高熱を持った額がエネルの顔面にぶち当たり流石に限界だったのだろう
「ごっ…青海の猿如きにこの私…が…」
白目を剥き崩れ落ちるエネル、そしてルフィはエネルが立ち上がらない事を確認して
「うぉぉぉぉおっ!!勝ったぞぉぉぉぉあ!!」
そう勝鬨を上げるのだった。
この6年間無敗だったエネルの陥落は瞬く間に広がった。エンジェル島の人々、シャンディア、そして青海の海賊達。
強制労働をさせられていた先代の神兵達は解放され、怪我をした者達はチョッパーやエンジェル島の医者達、シャンディアの薬師達が陣営の関係無く総出で治療に当たる傍で話し合いがもたれていた。
ガンフォールの今代神への復帰、シャンディアが大地を求めた理由、そして話し合いの中でもたらされた"黄金の鐘"の情報…
恐らくジャイアント・ジャックの頂上にあるのではないかと推察される黄金の大鐘楼…長らく悲願とされた黄金の鐘を鳴らすべく捜索隊が結成され捜索隊一同はジャイアントジャックを登頂を開始…しかし
「黄金の鐘が無い…どういう事だ青海人!黄金の鐘はここにあるのでは無かったのか!!」
「なぁロビン、黄金の鐘おっこちたのかなぁ?折角下のおっさん達に鐘の音届けてやりたかったんだけどなぁ…」
数時間後ジャイアントジャックの頂上へと到着した一同であったがそこには黄金の鐘は無く、ロビンに詰め寄るワイパーとルフィだったが
「ジャイアントジャックの上にあるというのはあくまで予想よ、恐らく衝撃により弾き飛ばされたと考えられるわ」
「ふむ…となると何処か島雲にでも落ちとるのかもしれん…む?考古学者殿、あれは?」
ガンフォールのその声にロビンは自身のバックから単眼鏡を取り出し彼が指さした方向を見れば
「…ビンゴね。方向的には西にこの蔓を切り倒せば届くかもしれないけど…無闇矢鱈と壊すのは頂けないわね」
「ふむ…なればミルキーダイアルで橋をかけて調査するとしようか、お主ら!ここから西側の島雲に橋をかけるぞ!」
と、捜索隊に加わった神兵達に指示を出すも
「見えた!あれだなロビン!!ゴムゴムのぉ…ロケットぉっ!!」
「なっ!抜け駆けなどさせるかっ!!」
待ってられないとばかりに飛び出すルフィと慌てて止めようと飛びつくワイパーだったがその程度で加速は止められず二人して青空へと飛び立った。
「なっ!ワイパー!?」
「船長さん、また無茶を…」
「何とまぁ…まぁいい、予定通りこちらはミルキーダイアルで橋を作るとしよう、シャンディアの者達もそれで良いかの?」
突如として飛んでいったワイパーを見て呆気に取られたカマキリ達であったがガンフォールのその声に
「…いや、黄金の鐘はおれ達の悲願でもある。おれ達も手伝わさせてもらうぞ」
頷くカマキリとその周囲を囲むシャンディア達。
そして作業に取り掛かり始めしばらくした所で澄んだ鐘の音色が辺りに響き渡るのだった。
ヴァースに、空島に、そして青海に響き渡る"シャンドラの灯"、"島の歌声"そして400年前に響いた戦いの始まりを告げた鐘の音色をあるものは感嘆を、あるものは涙を流し、そしてある者は
「なぁ小僧…黄金郷はそこにあったのか?…ありがとうよ」
深い感謝を捧げるのだった。
ミルキーダイアルという空島独自のアイテムにより黄金の鐘のある島雲とジャイアントジャックを結ぶ雲の橋は迅速に作り上げられた。
「何と誇らしげな姿か…」
「横の柱が一本無いな、衝撃で折れたか?」
「おい、ワイパー!大丈夫か!?」
「ちょっとルフィ!何一人で飛んで行ってるのよ!!途中で落ちたらどうするつもりだったのよ!」
鐘の音色はすでに聞いたが実際に見るとその威容に感嘆する捜索隊、そしてロビンは大鐘楼の中心に据え付けられたソレを目にして大きく目を見開く。
「ポーネグリフ…予想はしていたけれど本当にあったのね…お酒に食物…一体誰が?」
黄金の鐘楼の台座にあった歴史の本文、そこに記された言葉にロビンは深く考え込みその脇にあったかの海賊王が残した言葉に驚く。
そしてガンフォールから語られた言葉、そして海賊王の残した言葉を噛み砕きロビンは真実に気づく。
すなわち歴史の本文は単体では意味を成さず、情報を持つ石を導いてこそ"リオ・ポーネグリフ"であり今は存在しないテキスト、ソレがロビンの求めたものであった。
「…それはそれとしてDが何かを置いておくとしてもこの落書きの事は話を聞かなきゃならないわよね?」
そう言ってロビンはそこに書かれた落書き"D・クリーク参上!!"と書かれた言葉を指でなぞるのだった。
そろそろナバロン要塞編に入っていきます、これは原作には無くアニメオリジナルとなりますが作者が好きなのでご容赦下さい。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)