起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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ワンピースアニメオリジナル"脱出!海軍要塞編 "

空島から帰還した麦わらの一味が着水した場所は、何と海軍G-8支部の大要塞"ナバロン"のど真ん中であった。

緊急事態に陥った一味は、一旦メリー号から離れバラバラに避難、何とか合流し要塞からの脱出を図りたい一味だが、ナバロンの司令官である知将・ジョナサン中将の戦略が一味を追い詰める…というストーリーで個人的にはよく練られていて好きです。

未視聴の方にはお時間ございましたら是非是非見て頂ければと思います。


非常事態発令!悪名高き海賊船潜入!

1day 22:00

 

最初に見つけたのはこの道数十年のベテランである整備職長、メカオであった。

 

補修ドッグに入渠した船を見ながら最近のモンは船を雑に扱いすぎる…とボヤいてふと空を見上げると目に入ったのは落下してくる小型帆船。思わず手に持っていた酒瓶を取り落とせば響く瓶が割れる音に注目が集まりメカオが指差す方向には今正に天から落下してくる帆船。

 

直ちに整備部から司令部に迅速に連絡がいけば

 

「侵入者はイーストエリア! 照らせー!!」

 

「総員戦闘準備いっ! そらっボヤボヤしてんな!!」

 

海軍本部が持つ要塞の一つ"ナバロン要塞"は蜂の巣を突いたかのように騒ぎ出したのだった。

 

突如として自らの懐に現れた海賊船、丁度管制室にいたダニエル少尉の指示の元すぐ様警報が鳴り響き続々と包囲網が動き出し

 

「どうだ、何かわかったか!」

 

そう言いながら現れたのは赤色の癖毛に立派なもみあげを持つドレイク中佐、彼はこの要塞の司令官であるジョナサンの副官であり高い権限を持つ。

 

「はっ! あの船は海賊船で間違いないかと、旗印は髑髏に麦わら! 賞金首のモンキー・D・ルフィ率いる麦わらの一味かと!」

 

「麦わらだと!? …専任追討のスモーカー准将が滞在していたか、誰かスモーカー准将を呼んでこい! それから誰か司令を見たか?」

 

「えーっと、釣り竿が無いので恐らく夜釣りでは無いかと…」

 

「またか! まったくあの人は…」

 

「ドレイク中佐! スモーカー准将を呼んで来ました!!」

 

「麦わらが出たと言うのは本当か?」

 

「包囲網は完成しているがどうする? 我々は今から部隊を編成し船に乗り込む予定だが?」

 

「…当然だ、奴はおれがこの手で捕まえてやる」

 

「随分とご執心だな、ダニエル少尉! 10人ほどで制圧部隊を編成しろ! それからおれとスモーカー准将で海賊船の制圧を行う!」

 

「了解しました!」

 

そして迅速に編成される腕利き揃いの部隊であったが彼らが乗り込んだ時にはついさっきまで人がいた痕跡が残るのみで船はもぬけの殻であり、ドレイク達はあっさり制圧出来た事に拍子抜けするのだった。

 

そしてそんなメリー号を眼下に見下ろす者達がいた。

 

「ウェイバーがあったのは不幸中の幸いだけど…何処を見ても赤い海軍マーク…そしてこの軍艦の数に海兵の数…まさかここって海軍の要塞? しかもあたし達が落ちてきたのって内陸の湖なの…?」

 

麦わら一味の航海士にしてご意見番のナミは高台の上からサーチライトに照らされ、包囲されたメリー号を見下ろしながら困惑していた。

 

もう少しで海面というところでタコの気球が萎み始めたので慌てて全員に何処かに捕まり衝撃に備えるように指示、衝撃が落ち着いて辺りを見渡せば居並ぶ海軍艦に赤いカモメの海軍旗、そして壁面には無数の大砲が並んでおり明らかに尋常では無い雰囲気に一旦バラバラに逃げるように全員に言うと自分は空島で手に入れた水陸両用のウェイバーで一気に崖を駆け上がり暗がりに逃げ込んで様子を伺っていたのだ。

 

「兎に角情報を集めなきゃ…せめてここが何処かわかるといいんだけれど…」

 

と何かヒントになるようなものがないか周囲をキョロキョロと見渡せば

 

「…待って、海軍要塞でカモメの水兵団がウヨウヨいる要塞? …まさかここって!!」

 

何かに思い当たり顔を青ざめさせるナミだったが他にもその答えに思い至っている者がいた。

 

「もうダメだぁ…おれ達の航海はここで終わっちまうんだぁ…」

 

麦わら一味の狙撃手である長鼻の少年ウソップは低木の影にしゃがみ込んで頭を抱えていた。

 

「あら長鼻君、諦めるのは早いんじゃない? 船長さんの事だからなんだかんだで上手く脱出できるかもよ?」

 

そう声をかけるのは麦わら一味の考古学者にして妙齢の美女ロビン

 

「簡単に言うなよぉ…赤カモメと言えば海軍で最も有名な奴らだぞ? そんじょそこらの海賊は裸足で逃げ出すって聞いてるぜ?

 

東の海でも一回会ったけどよぉ…絶対タダモンじゃねぇな、それからダディのオッサンとかナミのカーチャンも赤カモメの出って事だからかなり縁があるなぁ…まぁ嫌な縁だけどな」

 

「元・カモメの水兵団でダディ…ひょっとしてダディ・マスターソン?」

 

「お、知ってるのか?」

 

「まぁ…少しね」

 

「兎に角そんなヤベー奴らの本拠地だぞ? 脱出もそう簡単にいかねぇだろうし、そもそもアイツらが自発的に集まる事が出来ると思うか? 絶対に一筋縄じゃいかねぇよ…」

 

そう言ってため息をつくウソップに単眼鏡を覗いていたロビンはとある船を見つけ

 

「兎にも角にも集合するにしろ脱出するにしろ情報を集めなきゃならないわね…長鼻君、ここからは別行動と行きましょう」

 

「別行動!? 待てよおれ一人になんのか!?」

 

「情報が肝心と言ったでしょう? それに二人一緒に行動すれば発覚するリスクは高くなるわ」

 

「でもおれ一人で…しかもこのナバロン要塞でおれ一人で行動しろと!?」

 

「しっ、声が大きいわよ長鼻君。見回りの海兵はいるんだから静かに」

 

そう言ってロビンがウソップの肩から腕を生やして口を塞げばウソップはこくこくと頷く。

 

「木を隠すなら森に隠せ…バレないようにするにはこの要塞の一員として潜入するのが手っ取り早いと思うの、幸いにもここは独立遊撃隊の本拠地、海兵に整備士、医者にコック、少なくとも2000人近くの人間が生活しているわその中に紛れる事が出来れば…」

 

「成る程…上手く海兵に成りすましてここの情報やルフィ達の情報を集めろって事か…」

 

「貴方は手先が器用だし整備士として潜入出来れば疑われる確率が低くなるかもしれないわね、それに船もあのままとは思えないし恐らく何処かのドックに曳航されるでしょうから場所も把握しておく必要があるわ」

 

「…おれは船大工じゃねぇんだがなぁ、そうだなメリーも心配だし…よしいっちょやってみるか」

 

「じゃあ健闘を祈るわ」

 

そう言ってロビンは身屈めて素早くその場を離れるのであった、単眼鏡を覗いた先、巨大な水門近くの港に係留していたフィーネ・イゼッタ号を目指して。

 

 

 




アニメで戦闘描写が無く、麦わら一味に対して次々と手をうって追い詰めてみせたのでジョナサン中将は武力よりも智略に優れた中将としています、それなりに戦う事は可能でしょうがあくまで人間の枠を超えない程度です。

それからドレイクさんの副官ポジだった名無しの軍曹さんですが昇進した上で命名"ダニエル"少尉に、ドレイク少佐も一コ昇進して中佐になっています。

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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