起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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BON VOYAGE!!(ナバロン要塞編見直して来ました)


冴える推理!要塞司令カミソリジョナサン!

侵入して来た船の調査を終えたジョナサンは副官のドレイク中佐及び数名の海兵と共に通路を歩いていた。

 

「どうやらスモーカー准将の言う通りジャヤに立ち寄ったのは間違い無いようだな」

 

「何か気付いたので?」

 

間違いないと断言したジョナサンにドレイクが聞けば

 

「甲板にあった7つのカップ、あの色と香りはジャヤコーヒーで間違いなかろう。

 

それからサウスバード、アレはジャヤの密林に生息する鳥だ…知っとるかね?あの辺りには根強く黄金伝説が残っとるんだ、まぁ噂はあれど見つかっとらんがな」

 

「という事は船にあった黄金はそこから持ち出した物だと?」

 

「ま、決めるのは早計だがね…最近の幽霊がコーヒーを飲んだり勉強熱心なら幽霊船でいいがな」

 

「しかし…先程は司令官自ら幽霊船だとおっしゃいましたが…」

 

そんなジョナサンの言葉に疑問を覚えた共に歩いていた金髪に髭を蓄えたマッカラン中尉が質問すれば

 

「ここには新兵や囚人もいるんだぞ?麦わら達の目的がわからない以上侵入を公表してみろ、要塞内が混乱するばかりでは無いか。暫くは"目撃情報通り"幽霊船という事にしておこうじゃ無いか」

 

「成る程、確かにこの要塞には機密が多く持ち出されてはコトですからなぁ」

 

サングラスをかけたジェムソン中尉がその言葉に納得して頷いた。

 

「お言葉ですが司令官!すぐさま特別捜索隊を編成し彼奴らを捕まえるべきです!我が部隊にその役目を!」

 

しかしそれに納得しなかったのかドレイク中佐が気炎を上げる。

 

「まぁ慌てるな」

 

「しかし!」

 

「今は守りを固めるのが先決…ジェムソン君は湾岸及び海門周辺の警備強化を」

 

「はっ!」

 

「マッカラン君は弾薬庫、収容施設、中央通路の警備強化に当たってくれ、人事権も与えておく」

 

「わかりました!」

 

「不満そうだな中佐」

 

矢継ぎ早に指示を出しそれに従い離れていくマッカラン少尉とジェムソン少尉、そしてそれをムッとした顔で見るドレイクにジョナサンはそう声をかける。

 

「…いえ」

 

「夜はまだ長い、奴らもそうは動き回れまい…まぁこっちも同様だがな。君の部隊は朝を待ち人の集まる所を徹底的に調べろ」

 

「人の集まる場所…ですか?」

 

「そうだ、青き虫は青き草むらの中にいるからこそわかりにくい…もし奴らが軍服を着たとなれば…」

 

「っ!!」

 

その言葉の持つ意味に気づき、ただでさえ厳しいドレイクの顔つきがますます険しくなる。

 

「部下達の能力を信じぬ訳では無いが…奴らが軍服を奪取する事も十分考えられる。

 

まぁ海賊なんて輩はいつも野良犬のように腹を空かしているものだ、とりあえず夜が明けたら食堂にでも行ってみる事だな」

 

「はっ!!」

 

ドレイクはその背中を見ながら昼行灯で誤魔化しているがいつもアレぐらい動いてくれればもっと素直に尊敬できるのだが…と頭をかきながら

 

「よし!我々の部隊は朝まで休息させる、そして朝から麦わらの一味の探索任務に就く!ダニエル少尉、各員に連絡を!」

 

「はっ!」

 

「くくく、待っていろ麦わらの一味…我らナバロンの手の中から逃げられると思うなよ?」

 

そう言いながらドレイクは手のひらに拳を打ち付けるのだった。

 

 

 

 

一方自室に戻ったジョナサンはテーブルの上には現場検証で撮られた数枚の写真や目撃情報をまとめた書類が積まれておりそれらの情報を元にジョナサンは推論をまとめていく。

 

「船長であるモンキー・D・ルフィ、海賊狩りのロロノア・ゾロ、そしてあの子…ニコ・ロビン。目撃情報にあった無数の女の手や毛むくじゃらの怪物というのも仲間と考えてよかろう。

 

いずれにしろ甲板にあったカップの数からして奴らは7人、船の中にあった考古学書は彼女の物として手入れの行き届いた調理道具の数々に難解な医学書…残りの四人の中には腕のいいコックに知識豊富な船医、そして船を動かすのなら航海術士や船大工と言った所か?

 

ジャヤで遺跡に眠る黄金を発見したというのなら船内にあった黄金も納得がいく…が、専任追討であるスモーカー准将がジャヤ以降で彼等の足取りを掴めなかったのが解せんな…

 

それに何故空から降って来たのか…自身も見ていなければ俄には信じられなかっただろうが彼等の船が空から降って来たのは紛れもない事実。

 

しかし…わからんのは奴らの目的、一体何の為にここにやってきた?」

 

ジョナサンはそこまで考えた所で軽く伸びをして窓から外を見る。

 

中央島の上部に位置する司令官室からはイーストエリアに落ちて来た麦わらの船が複数のサーチライトで照らされており曳航準備に入っている所だった。

 

「ま、彼等の目的が何であれ自ら捕まりに来たわけでもあるまい…となればここを脱出するにあたって情報を集める事、船を取り戻そうとするのは考えられうるな…大事に手入れされたあの船を見る限り軍艦を奪う可能性は低いだろう。

 

何にせよ我がナバロン要塞…甘く見てくれるなよ?モンキー・D・ルフィ?」

 

そう言いながらジョナサンはスッとカーテンを閉めて部下を呼ぶのであった。




マッカラン中尉とジェムソン中尉もアニメクレジットでは海兵でしたので勝手に名前つけてます。

階級もアニメを見る限りは下士官でしたが昇進、ある程度の権限を持つ中尉としています。

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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