起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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figmaから黎明卿ボンドルドが出るらしいですね。

確かに度し難い外道ではありますが個人的には色合いや見た目がシンプルでカッコいいと思ってます、スパラグモス(膝からビーム)やシェイカー(手首からニードル)なんかの内蔵武装もカッコよくて素敵ですね。

ただしカートリッジ、お前はダメだ。あれは私の心がしくしくする。


整備長メカオ!告げられた仲間の危機!

「ちくしょー…メリーはどこ行っちまったんだぁ?」

 

ロビンと別れたウソップはやってやる、と腹を括って手近のドッグから要塞に潜入、整備服と思われるオレンジ色で背中に海軍のマークが入ったツナギを見つけると素早くそれを身につけてゴーグルやバンダナ、服なんかは鞄に仕舞い髪を後ろで括る。

 

顔がバレている心配は無いと言えど、印象を変えておくに越した事は無いという判断で、同じ服を着た恐らく整備班の人間達の目を誤魔化しつつその場に入り込んでいた。

 

そして大勢に紛れて仕事をするフリをしつつふとメリーがあった場所を見るとゴーイング・メリー号が姿を消しているのに気付き慌てて周囲を見るがその姿は見えず焦ってキョロキョロしていると

 

「おい!おい聞こえないのかそこの長っ鼻!!」

 

後ろからかけられる声に振り返ればそこには小柄な体格にオレンジのツナギを着た老人

 

「なんだおっさん、おれは今それ所じゃねぇんだ!」

 

「…見ない顔だな、しかもわしの事を知らんとは…新入りか?所属は?」

 

「げ…そうだな、あっちの方から来た」

 

相手の言葉から恐らく整備班のまとめ役辺りかと判断しそう言ってあらぬ方向を指差すウソップ

 

「ほう、中央エリアのドッグから…手伝いか?見物か?」

 

「いやぁ、海賊船が落ちて来たって話を聞いて是非とも見てみたいと思って探してたんだよ!」

 

「海賊船だぁ?ありゃ幽霊船だ、人っ子一人いやしねぇ」

 

「なっ!メリーが幽霊船だと!?」

 

「落ちて来たときには誰も乗っとらんで甲板にはまるでさっきまで誰かおったみたいに吸いかけの煙草やらまだ暖かいコーヒー…船ん中には古い黄金…乗っていた者達は古い遺跡から持ち出した黄金により呪われて姿を消したっつうのが専らの噂じゃな」

 

「確かに古い黄金だがよぉ…メリーを幽霊船扱いはあんまりだろ…」

 

「ほぉ?随分とあの船の事に詳しいらしい、やっぱお前さんここの人間じゃねぇな」

 

ウソップの言葉にニヤリとして断定する老人

 

「ぐ…」

 

「それに中央エリアのドックは色々と機密が多くてな、そうそう簡単に新兵が配属される筈ないんだが?恐らく幽霊船の乗組員と見たが…嘘をつけば警備班に通報するぞ?」

 

「…何が狙いだおっさん」

 

「安心せい、別に今すぐ上に連絡するつもりはないわい…それより聞きたい事があってな、お前さんはあの船の乗組員って事でいいんだな?」

 

「ひ…秘密だ」

 

「語るに落ちるという言葉を知らんのか?…まぁいいわい、お前さんらの船を見てきたがお前さんの仲間に船大工はいないのかい?」

 

「メリーのいる場所知ってんのか!?」

 

「ほう、あの船はメリーと言うのか…知ってるも何も船の検分をしたのはわしだからな。

 

修理は荒いが随分と愛情を持って大切にされてるようだ…がありゃ本職の仕事じゃねぇな」

 

「修理が荒くて悪かったな!だいたいおれは船大工じゃねぇっての!」

 

「ふむ、お前さん方の仲間に船大工はおらんのか…そうか、それなら気付かんのも無理はないのぉ」

 

「…なんか意味深なおっさんだな、メリーがどうかしたってのかよ?」

 

「…率直に言わせてもらうがお主達の船…メリーとか言ったか、ありゃ一年も保たんぞ?」

 

老人の言葉にウソップはしばし固まる。

 

「は、ははっ!何言ってんだよおっさん!!メリー号が一年も保たない?数ヶ月前に出港したばっかの船だぞ!!だいたいおっさんにメリーの何がわかるってんだよ!」

 

「舐めるな小僧、わしはこの道50年のベテラン…ドッグ長のメカオたぁわしの事だぞ?メリーとやらの事は知らんでも海軍船だろうが海賊船だろうが大抵の船の事ならわかるわい」

 

「わかった!お前おれ達を騙す気だな?おれ達は海賊、アンタらは海兵…船が沈むなんて嘘をついてメリーを奪おうって肚だな!」

 

「ふん、わしが信用できんなら丁度民間から船大工がこの前進水したバラクーダ号の見学に来とるわい、その男にでも聞いてみろ。

 

因みにわしは船の事では一切嘘は言っとらんからな?」

 

老人…メカオそう言って真っ直ぐな瞳でウソップを見れば

 

「んな馬鹿な話があるかよ…今日だって元気に走ってたんだぜ?空島から落っこちた時も船のみんなを守ってくれたんだぞ?」

 

「それが原因じゃな」

 

困惑するウソップに更にメカオは言葉を重ねる。

 

「そ…それって何の話だよ」

 

「わしはなお前さんらの船が空から落ちてくるのを見ておったわい…お前さん船大工の真似事をするくらいなら"竜骨"はわかるな?」

 

「船の大黒柱だろ?それがなんだってんだよ?」

 

「そう、船ってのは竜骨を中心に船首材、船尾材、肋根材に肋骨、肘材、甲板梁などなどを緻密に配置する事によって出来上がる…さてここで問題だ、お前さんら上から落ちて来たな?水面に高い場所から物を落とすとどうなるかわかるか?」

 

「どうなるって…海水がクッションになるだろうが」

 

「抵抗が少なければそれでいけるかもしれんが…残念ながらお主らの船は抵抗なく着水とはいかず着水と同時にかなりのダメージが竜骨に行っとる…じゃから後一年も保たんと言っとるんじゃ」

 

「そんなの…修理すればいいだろ!みんなで話し合ったんだ!手に入れた黄金でメリー号の大修理をするんだ!あれだけの黄金がありゃメリーを完璧に直す事だって…」

 

「黄金がどれほどの額かは知らんが…アクアリアにいる伝説の船大工でさえあのメリーとやらは元に戻せんよ、これは年寄りからの忠告だ…さっさと新しく船を見つけるかどうかした方がいいだろう…まだ少しは保つかもしれんが…少なくとも早急に手を打つ事じゃな」

 

メカオのその言葉にウソップは目の前が真っ暗になったかのようにその場で愕然と膝をつくのだった。

 

 

 

 

 

 

 




時系列が少し前後、黄金の使い道や船大工を仲間にしよう云々は空島から青海に降りている途中だったという事になっています。

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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