起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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剣士の集い!唸る海軍剣客隊!!

サガの手に持つ木刀が翻り相手の胴を打ち据える。

 

「次ぃっ!!」

 

「はいっ!」

 

打たれた相手は下がりサガの声にまた一人袴に胴着の男が木刀を持って前へ、数合の打ち合いの後に今度はサガの足払い、剣を捌く事に集中していた男は気づきはしたものの避けきれず体制を崩し眼前に木刀を振り下ろされ

 

「剣だけに集中するな、必ずしも相手が剣だけしか使わないと言うわけじゃ無いぞ!次っ!!」

 

「ういっす!」

 

サガの言葉に頷きつつ下がっていく。

 

「へぇ…立派にやってんじゃねぇか…」

 

そんな姿を見ながらゾロは壁に寄りかかった体勢で軽く呟くのだった、何故か周りの人間たちと同じく紺の短袴に黒い袖なし胴着を着た状態で。

 

時間は少し遡る。

 

単身ゾロが忍び込んだ船はスモーカーの乗る"ホワイト・ビローア"号であった。

 

船内探索の折、懐かしい旧友との思わぬ再会に酒とつまみで積もる話をしながらいつのまにか眠ってしまい次にゾロはカランカランという鐘の音により目が覚め、サガに言われるままに渡された服に着替えて同じ胴着を着た100人程の集団と共に朝の光を浴びながら船を出ると到着した場所は一つの道場。

 

流石にでけぇ所は違うなとゾロがキョロキョロしていると中央に立ったサガの"これより稽古を始める"という言葉と共にそれぞれが木刀片手に打ち合いを始めたのであった。

 

そんな訳でゾロは壁に寄りかかった状態でサガやその周囲で打ち合う海兵達を観察していたのだった。

 

「…やっぱ全員剣士みてぇだな、それもどいつもこいつも腕は立ちそうだ」

 

「そりゃそうですよ、ぼくたちはモモンガ中将の肝煎りで設立された"海軍剣客隊"、優れた海軍剣士や剣士の卵が集められたのがこの部隊ですからね。どうですか?ゾロさんも遊んでみますか?」

 

その言葉に答えたのは傍にいたトウマ、彼も胴着と袴を身につけておりその腰と更に右手に持った木刀をゾロに差し出していた。

 

「おれぁ海賊なんだが…今更ながらこの状況はおかしいだろ」

 

「別に皆気にしないと思いますよ?それどころか皆さん"海賊狩り"という噂に名高い剣士とやり合いたくてうすうずしてるみたいですし」

 

先程からチラチラ見られていたのは物珍しさでは無くそういう理由か…と思いつつもそういう事ならわかりやすいと思い

 

「へっ、どいつもこいつも随分と血の気が多いこった…だったら一本じゃ足りねぇ、後2本貸してくれ」

 

「確かに三刀流が木刀一本じゃ締まらないですよね」

 

と、トウマが追加で2本の木刀を渡すとゾロは独特の構えで三刀を持つと

 

「さて、まずは誰からだ?それ共全員か?」

 

と99人の剣士達に言ってのけたのだった。

 

「では拙者からいくでござるぞ!三式・凪の繊月(なぎのせんげつ)!!」

 

それと共に飛び出した男は腰の木刀を抜刀するに合わせてそのまま手を離すとゾロの眼前に柄頭が迫り

 

「剣士が刀を飛ばすなんて何考えてやがる…」

 

軽く跳ね除けようとした所で飛んできていた筈の木刀が振り上げられる。

 

「甘いでござる!海軍剣術の中には剣を投げる技もあるでござるよ!!」

 

飛ばした刀で視界を誘導しつつ瞬時に踏み込み刀を掴んでからの振り下ろし、相手の意表をついて一撃の元に落とす技であるが相手はイーストブルーにおいて名の知れた、更にはグランドラインに入ってからも着々と経験を積んだ猛者。

 

海兵が振り下ろした攻撃は交差した木刀に沈むように受け止められ、更に反動とばかりに二刀が相手の木刀を跳ね上がるとガラ空きになった胴体に打ち込まれる木刀。

 

「振り下ろしのパワーが足りねぇ!次っ!!」

 

「じゃあ次はおれが行こう…」

 

それと共に踏み出した男は自在な足運びで緩急をつけるように動くとそこに残像が現れ動きを誤魔化しながらゾロを幻惑する。

 

「なんだこの動き…動いてるのに動いてねぇような…」

 

「二式歩法・流水の動き…動の動きに慣れた貴様のような剣士には捉えられまいそして動きを捉えれぬまま終わるがいい!一式・回天剣舞(かいてんけんぶ)!!」

 

それと共に男が逆手に持った木刀が凄まじい勢いで振われるが響くは肉を撃打つ鈍い音で無く木刀がへし折れる嫌な音。

 

「攻撃に逸ったな!攻撃に移る時に動きが見えたぞ!次っ!」

 

「ぐはぁっ!」

 

三本の木刀を交差させるように相手の木刀を挟み込むとそのままへし折り蹴り飛ばす。

 

「一式・片手平突きぃっ!!」

 

そして次に襲い掛かるは腰を落として半身になる独特の体勢から繰り出される突き、当然突き技なら躱せば済むとゾロは半歩横にずれるが、地面と水平に突き出されたその突きは突如として横薙ぎに変化

 

「いい技だ!だが視界が狭くなってるな!!そこを無くせば化けるかもな!次っ!」

 

爆発的脚力で踏み込んでの突き、という突進に近い技の所為か死角が生じそこに振り下ろされたゾロの木刀に相手は崩れ落ちた。

 

「ならばこれでどうだ!三式・纏飯綱(まといいづな)!!」

 

それと共に次に出てきた大柄な男は両手で握った木刀を大上段で振り下ろしゾロは木刀で受け止めようとしたが途端にゾワリと肌が泡立ち後ろに飛びすされば道場の床に走る斬撃痕

 

「なんつー危ねぇ技だ!だが振り下ろした後に繋げることも考えとけ!次っ!!」

 

そのまま受けていれば木刀ごと切り裂かれていたかも知れないと考えながらも二刀の交差斬撃で木刀を振り下ろした体制の男を吹き飛ばす。

 

そして次から次に出てくる見たことのない技に加えて久々の稽古による打ち合いという雰囲気にゾロは昔を思い出しながら段々楽しくなっており次々に出てくる海軍剣士を吹き飛ばしていくのだった。

 

 

 

 

 




やっぱ戦闘は書いてて楽しいですね、ちなみに海軍剣客隊の名前はるろうに剣心の"剣客警官隊"を元ネタとしています。

西南戦争から"抜刀隊"のどちらにしようか少し悩みましたが結局は語呂の良さから海軍剣客隊となはました、(多分)剣術に優れるモモンガ中将の主導の元独立中隊(独立遊撃隊)の類似組織として編成された模様。

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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