作者のガソリンとなっていますのでたくさん下さい(´・ω・`)
ナバロン要塞第七道場、そこでは胴着に木刀を持った剣士達の打ち合いが行われていた。
最初に比べて徐々に手強くなってきたがまた一人ゾロの剛撃の前に沈みまた次の海兵が前に出ようとした所でじっと見ていたサガが手を叩き注目を集める。
「よーし一旦そこまで。流石噂に名高い海賊狩りだな、うちの隊員を半数以上も沈めるとは驚きだ」
サガのその言葉に隊員達はバラバラと水分補給をしたり体をほぐしたり、そんな中でゾロはサガの元に。
「ようやく体があったまってきたんだがな…しかしどいつもこいつも曲者ばっかだな、見た事無い技ばっかだのがどういう流派だ?一つの流派にしちゃ随分と多彩だが…」
「あぁ、知らないのも無理は無いだろ。うちで使ってるのはあちこちに散らばる各流派の技を統合して体系化した"海軍剣術"って名付けられたモンでな、剛剣術の一式、柔剣術の二式、難剣術の三式と大きく三つに分かれそれぞれ自分の適性に合ったのを身につけていくって感じだな。
ま、剣豪なんて上位であれば上位である程その括りは殆ど無くなるが…例えばお前が身につけるんならやはり一式だろう、相も変わらず力任せな所が目立つしな」
軽い説明と共にそう言うサガにゾロは不満そうな顔をする
「別に剛剣しか振れねぇわけじゃねぇが…そういやあのパクリ女はいねぇのか?いや、別に会いたいわけじゃねぇぞ?アイツがいるとまたややこしくなりそうだからな」
ローグタウンで少しだけ打ち合ったかつて死別した幼馴染に似た海軍剣士の姿をふと思い出してそう聞く。
「隊長の事か?たしぎ隊長ならスモーカー准将と一緒だろ。因みにその呼び方はやめとけ、確かに先生の娘さんに似ているがそれを隊長が聞いたらまたややこしい事態になるぞ?」
当然サガも交流こそ少なかったが同じ道場の仲間であり自身の幼馴染のライバルだったくいなについては当然覚えており、最初に見た時には思わず目を疑った程であったが。
「そういやアイツ隊長だったか…だが解せねぇな、海軍の剣士達を集めたこの隊の隊長がなんでアイツなんだ?ローグタウンで去り際に少しやり合ったけど多少出来るってくらいだろ?言っちゃ悪いがそんなのゴマンとみてきたぜ?」
「そこら辺は刀マニアにして剣術マニアであるたしぎ隊長の知識面にモモンガ中将が目をつけたらしい、なんでも新しい組織を作るにあたって上は強さよりも知識を求めた結果だったが…」
ゾロが実際剣を交えた時の感想を交えて疑問を呈するがサガはちゃんと理由がある事を伝えて言い淀み
「だったが?」
「だったが化けた、今の隊長をあの時と同じだと思わない方がいいぞ?」
別に隠しても意味は無いだろうと正直に言う。
「そりゃどういう…」
「さてな会えばわかるさ、ローグタウン以降どうやらお前にご執心らしいからそのうち飛んでくるかもしれねぇぞ?さて休憩は終わりだ!次は誰からだ!」
「ぼくやります!噂に名高いゾロさんとはぜひやりたいと思ってたんです!!」
そう言って元気よく手を挙げるトウマにゾロはサガに言われた言葉を一旦置いて
「よし、どっからでもかかってこい!」
そう言いながら三本の木刀を構えればトウマは腰に木刀を添える前傾の構え。
軽く攻撃を誘ってみるもトウマは釣られずゾロはそれに対して
「へぇ居合か?確かにあん時の抜き打ちは速かったが…だが来るとわかってりゃこえぇもんでもねぇな!!」
そう言って踏み込み右手の木刀で上段からの一撃を落とそうとした所で再び走るゾワリとした感覚に咄嗟に左手の木刀を持ち上げれば
「秘剣・零閃(ぜろせん)」
木刀に走る凄まじい衝撃にたたらを踏み反撃しようとすればそこには再び木刀を腰だめに構えたトウマの姿。
「っ!なんて隠し球持ってやがる!?」
衝撃故に折れた木刀を投げ捨てそう叫ぶゾロ、確かに船内で気絶させようとした時に剣の軌跡が見えなかった事を思い出し冷や汗を流す。
「いやぁ流石ゾロさん、ぼくのコレを防ぐなんて凄いですね!!自信なくしちゃうなぁ…零閃っ!!」
それと共に半歩後ろに下がろうとするもここで退くのは間違いだと自分に言い聞かせながら自身の脚力にものを言わせて飛び上がる事で回避。
「居合は最速だとはよく言うが限度ってもんがあんだろ!?抜き手も返し手も見えねぇなんてどんな速度だ!!」
二連続の超高速の居合をなんとか退けた所でゾロは多少息を上げつつ言えば
「いやぁ、真剣じゃないのでこれでも速度は落ちてるんですよ、ぼく愛用の刹那丸ならもっと速いですよ?」
と人懐っこい笑みを浮かべてそう自慢するトウマ。
「…なんつー恐ろしい奴だよ、お前みたいな奴が海軍にはゴロゴロいんのか」
「いやいやぼくなんかまだまだですよ?総括のモモンガ中将は言うまでも無いですし身近な所で先輩達に副長や隊長、それから指導してくれたユキムラ少将に海軍剣術の開発に大きく関与してるクリーク中将。
他にも剣士は海軍にたくさんいますし海軍だけでなく海賊も優れた剣士はゴロゴロいますからね…しかし悔しいなぁ、ぼくの居合は"鍔鳴"なんて異名を取るほどだったんですけどねぇ、なんでわかったんですか?」
「咄嗟の事だ、勘って奴だな」
実際に攻撃を察知して避けた訳ではなく"何かやばい"という漠然とした感覚で避けただけなので正直に言えば
「へぇ…じゃあもうちょっとだけ付き合って下さいよ、本気って奴をやってみますので」
そう言って再び前傾姿勢になり腰だめに木刀を構え鋭い目つきになるトウマだったが
「そこまでにしとけトウマ、隠し球まで使う気か?」
サガが後ろから小突く事で注意をすれば集中が切れたのか
「えぇ〜、折角楽しくなって来たとこなんですけどねぇ?」
と不満そうに言う。
「ったく、なんでうちの奴らはどいつもこいつも血の気が多いんだ?それよりおれもそろそろゾロと遊びてぇんだが?」
「副長だって人の事言えないじゃないですかぁ…いいですよ、久々の再会みたいですしここは副長に譲りますよ」
そう言ってトウマは周囲で観戦する輪の中に下がりゾロは新しく木刀を借りると
「じゃあどれだけ成長したか見せてもらおうか?」
「言ってろ、噂に名高い三刀流とやらを見てやるよ」
そう言ってサガは左手で木刀を持ち右肩に乗せた構え、ゾロはいつも通り両手と口に構え道場の中央で向かい合うのだった。
というわけでトウマくんは劇中では居合キャラだったのでそれらしくなってもらいました。
それからサガはゾロとは幼馴染となっていましたのでくいなとの交流は少なかったものの当然知っているとしています。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)