起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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もたらされた情報!脱出を阻む脅威!

時は遡る。

 

突如として遭遇したかつての敵、海軍本部中将"鈍熊"のクリークの一撃により大きく吹き飛ばされたルフィは

 

「くっそ…おれゴムなのになんでアイツの攻撃が効いてんだよ…ゴリラの奴め、いつかぶっ飛ばす」

 

と、一撃を加えられた腹部を押さえつつも暗くて見えづらいが眼下に見えた構造物に手を伸ばしてブレーキ代わりにして着地。

 

ゴム人間故に単純打撃ならほぼ無効化するというわかりやすいからこそ強力な自身の特性があのゴリラのような男の一撃には効果を発揮しなかった事に疑問を抱きつつも周囲を見渡せば

 

「やっぱ海楼石のせいか?兎に角攻撃を避ける事も考えねぇと…ってなんだこれ?大砲か?」

 

暗がりに目が慣れ自身が掴んだものが目に写りルフィはその大きさに驚いた。

 

「ウソップのやつが見たら喜びそうだなー、この大砲撃ったらみんな集まるか?」

 

ナバロンの悪魔と恐れられる巨大な移動砲台の前で何気に物騒な事を考えながらキョロキョロと見回し、要塞砲の入り口にドアがあるのを発見したルフィは再び腕を伸ばしてドアの前に。

 

「お邪魔しまーす」

 

ドアを開けると同時に自分に襲いかかって来た棍の一撃を首を引っ張る事により回避、海兵服を着た相手に反撃を加えようとした所で

 

「え、ルフィ!?なんであんたこんなトコに!?」

 

その声に拳を止めればそこにいたのはオレンジの髪を帽子に押し込んだ少女、自分たちの頼れる航海士にしてご意見番であるナミの姿であった。

 

「なんだナミか、他のみんなは見つかってねーのか?」

 

拳を下ろしつつ中をキョロキョロと見渡すルフィ、内部はそこまで広いわけでは無く備え付けの椅子が二台と設置されたコンソールのあちこちにハンドルやレバー、ボタンなどが所狭しと並んでいるのを見るに恐らくこの大砲の操作室なのだろう。

 

「よりによって一番最初に見つかったのがアンタとか…やばい、絶対何か問題起きるわ…」

 

ナミは大型の移動要塞砲を慎重に調べ回り予備であろうか、海兵服を見つけたのでこれ幸いと着替えて深く帽子をかぶってこれですぐにはバレないだろうと安心していたが、一番"慎重"とは程遠い自身の船長の出現にナミは頭を抱えるも早い段階で出会えたって事は状況をコントロール出来るって事よね…と考え直す。

 

「そーいやここやっぱ海軍の要塞だってよ、なばろんとか何とか」

 

「当たって欲しくない予想が当たったわね…」

 

「そんなヤベーとこなのか?」

 

「そりゃそうよ、ザッと見回ったけど難攻不落と恐れられているのも無理は無いわ。

 

基本的に外海にはこの化け物砲台と岩壁に並んだ要塞砲が睨みを効かせてるし、急所となりやすい港は北と南二ヶ所の二重水門に閉ざされた内側、所属する海兵は最も戦闘経験が多いって噂の"海軍独立遊撃隊"…カモメの水兵団の人間よ?」

 

「ふーん?とりあえずみんなを探して合流しようぜ?んでメリーに乗ってさっさとこんな場所出て行こうぜ、出入り口の場所はわかってんだろ?」

 

まるで他人事かのようなルフィの態度にナミの額にビキリと青筋が走る。

 

「そ・れ・が・簡単に出来るんなら苦労しないわよ!!兎に角ルフィアンタは大人しくしててよ?勝手にさせると絶対何か騒ぎおこすでしょ?」

 

「む、おれをシンヨーしてねーのか?というか何か騒ぎが起きる方に行けばみんないそうな気もするぞ?」

 

ルフィのその言葉に

 

「う、確かに否定できない…いやいや、ここが海軍要塞ならみんなも慎重に動く筈よ」

 

ナミは脳裏に問題を起こしそうな仲間達の顔が浮かぶもかぶりを振って考え直し

 

「兎に角アンタも今の格好のままだと捕まえてくれって言ってるようなものよ、それからみんなが何処にいるかと脱出ルートも見つけなきゃなんないわね…兎に角情報が欲しいわ、ルフィアンタ何か知らない?何処で聞いたか知らないけどここがナバロン要塞ってのは誰か話してるのを聞いたのよね?他に何か話してなかった?」

 

どんな些細な情報でもないよりはあった方がいいと思ってそう聞けば

 

「えーと…みんなならドックとか医務室とか厨房にいるんじゃねぇかって言ってたぞ?」

 

思ったより詳細な情報にナミは頬をひきつらせるが

 

「…いえ、こっちの情報を知ってるというよりメリー号を探すためにドック、食料を手に入れる為に厨房…何故医務室が出てきたのかしら、まさかこちらの構成を把握している…?ルフィ、それを話してたのは何者なの?海兵?」

 

「おうちゅうじょーとか言ってたぞ、いつかぜってーぶっ飛ばす」

 

そう言って拳を合わせるルフィにナミは一瞬気が遠くなりそうになりながらも何とか堪えて頭を抱える。

 

「この要塞で中将って言ったらカミソリジョナサンじゃないのよ…なんでここに来てあんまり経ってないのにそんな大物と遭遇してんのよ!なにかに憑かれてるんじゃないの!?」

 

「ん?そんな名前じゃなかったぞ?確かどんぐま?とかどんぐり?とか言う名前のゴリラみてーなでっけぇおっさんだった」

 

「あ、無理」

 

「えっ!?おいナミ!どうしたんだしっかりしろ!!」

 

ルフィの情報、そして自身の知識から導き出された答え…カモメの水兵団総司令である"最も大将に近い中将"がこの要塞にいるという事実に辿り着いたナミはあまりの難関の高さに今度こそ気が遠くなるのであった。

 

 




多分ナミはそろそろ胃薬が必要になるかもしれない。

因みにナミにとっては小さい頃何度かお小遣いくれたベルメールさんの知り合いのおじさん≠海軍本部中将"鈍熊"クリークですので彼女の頭の中では強大な敵が増えただけです

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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