海軍本部所属 ギン二等兵
海軍第48支部所属 ベルメール本部大尉
これが現在の2人である。
ギンは海軍に見習いとして、ベルメールは東の海の第48支部から研修としてそれぞれ本部に来てそこで教育総監であるゼファーに特別指導を受ける事になった。
その結果ベルメールは元々の戦闘能力に加えてゼファーの指導によって海軍体術である六式、そのうち高速の移動術である"剃"と最小限の動きで回避行動が可能な"紙絵"の2つを習得し二式使いとなった。
今も訓練場でゼファーと手合わせをしておりひらりひらりと相手の攻撃を紙一重でかわしつつ殴打を加えている。
流石に一年で六式全てとはいかなかったが大尉でありながら二式使いでも大したものである。
実は少佐に昇進という話もあったのだが数年前から取り入れられた佐官教育の話を聞きベルメールが辞退、曰く"座学なんて苦手だし"との事。
一方ギンはゼファーの方針によりまだ体が出来上がってないから、との事で身体の動かし方と座学の2つに絞って指導を受けている。
身体の動かし方については主に柔軟性の向上を取り入れておりそれに加えて生命帰還にて身体の全てを制御下におけるように訓練中、座学は一般教養や戦闘技法、海図の読み方や船の操作の仕方など海兵に必要な事を片っ端から教えている模様で一体どう育てるつもりなのか甚だ疑問である。
そうこうしているとベルメールとゼファーの手合わせは終わったらしくゼファーはギンの指導へと向かった。
「あらクリーク大佐…准将に昇進したんだっけ?久しぶりじゃない」
「ベルメール大尉こそお疲れ様、急ですまないがちょっと話があってな」
そう言いつつ懐から手紙を取り出す
「48支部支部長のシブチョー中佐からベルメール大尉宛てだ、君の帰還を希望している」
「ありがとう、急に帰還命令なんて何かあったかな?」
そう言いつつ手紙を受け取り読み進めていくベルメール
「…なるほど。
ねぇクリーク准将、急で悪いんだけど今から東の海への船は出せるかしら?」
「準備に一日くれれば軍艦を用意するが何かあったのか?」
「うーん、うちの支部の近くの国、オイコット王国って言うんだけどそこで内乱が発生してて手が足りないらしいの。」
「なるほど、そういう事であれば直ぐに手配しよう。
残念ながら俺は一緒に行けないが信頼できる人間をつける、元々無理を言って本部に研修に来てもらったのはこっちだからな」
「もうちょっとここにいたかった気もするけどね、支部長には好き勝手させてくれた恩もあるし必要としてるんなら行ってあげなきゃね」
「しかし寂しくなるな、ギンも結構懐いていたようだからな」
「えぇ?あの子結構一人で居るのが好きっぽかったけど?」
「近くにいる時点で結構懐いてる方だ、元々の環境のせいか結構初対面の相手には警戒が強いからな」
「なるほどねぇ…まぁ後であの子にも挨拶はしておくわよ、ゼファー総監にもね」
「では東の海への船と人員は明日までに用意しておく、すまんが俺はちと約束があってな。
後で人を寄越すからそいつに従ってくれ」
「わかったわ、色々とありがとう東の海にもまた遊びに・・・じゃないか、また顔だしてね」
そうしてベルメール大尉に別れを告げ待ち合わせをしている場所へ向かう。
しかしサウロ中将、緊急の用事って何事だ…?
手早く緊急の書類仕事を片付け呼び出された場所へ、そこには緊迫した表情のサウロ。
…こりゃまさか、と思っていれば案の定サウロは
「クリーク、落ち着いて聞くでよ。
わしに極秘裏にバスターコールに参加するように指令が来たでよ、目標は"オハラ"だで」
と口火を切った。
サウロ中将によればオルビアの件以降今まで通り歴史探索の船の調査という名目の裏で各地の"歴史の本文"の探索やオハラに調査という名目で学者たち含めオルビアやロビンの様子を見に行ってもらっていたが先日本部に戻ってくるように指示が来たらしい。
戻ってみればオハラに対してバスターコールをかける可能性がある為五人の中将のうちの一人として待機命令が下っているとの事であった。
バスターコール、五人の中将と10隻の軍艦による最大攻撃である。
発動権は海軍元帥及び三人の大将がもっており委託する事も可能で多くは世界政府の要請で発動される。
その攻撃は島1つを地図から消してしまうほどと言われており昨今だとダグラス・バレットに対し数年前に使われている。
…後でまだちゃんと捕まってるか確認しとこう
そしてそのバスターコール、原作ではロビンが8歳の頃に彼女の生まれ故郷のオハラに対して発動されておりそれによりオハラは地図から姿を消した。
しかし原作からずれて2年後になってやってきたか…
「…オルビアの件がばれたのでしょうか?」
「わからんでよ、クローバー博士も言いよったしわしが調べた限りでも空白の100年の研究は中止しとる。
オルビアにも変装はしてもらっとったが誰かに通報されたっちゅう可能性もあるだで」
「多分オルビアが見つかったとなると世界政府がまず動く筈です、私は心当たりを当たってみます」
「わしは今からオハラに向かうでよ、今回の命令はわしにはどうにも納得いかん。
お前さんも言っとったが世界政府はどうにも信用できん、ここ数年で他の学者達とも話したがわしには色々納得いかんでよ」
「…待機命令が出ている現状でオハラに向かうとなると罪に問われる可能性が」
「納得の上だでよ、わしは自分の正義に従うでよ」
「…わかりましたサウロ中将、くれぐれもお気をつけて」
「おう、お前さんも気をつけぇよ?お前さんはまだ若くこれからを引っ張っていく人間だでくれぐれも短慮はおこさんようにな?」
去り際にくれぐれも迂闊な行動は起こさないように、と釘を刺してサウロ中将は軍港へと足を向けた。
原作ではクザンの攻撃によって氷漬けになったサウロ中将だが今回はどうなるか…
とにかく情報収集の為胸元から笛を引っ張り出し大きく息を吸って吹く。
ぴぴる、ぴる、ぴる、ぴぴる、ぴる、と一定のリズムでごく小さい音が響くがこれで十分。
暫く待つとばさりばさりと羽音をたてて悪魔武器であるカフウが肩に降り立った。
ポーチから干し肉を取り出し与えると
「カフウ、アサミドリ部隊を飛ばして出航準備をしている軍艦のピックアップを頼む。
それから足が速いのをこちらに一羽寄越してくれ、手紙を運んでもらいたい」
くるるるっ!!とカフウは要件を聞いて一声鳴くとばさり、と再びさらに飛び立っていった。
出会って数年、カフウは身体こそ大きくならないが知能は高くなっており今では時には会話で時には武力で傘下に収めた数百羽の鳥類で構成された通称"カザミドリ"のトップに君臨している。
もちろん知っているのは俺だけだが主に諜報や通信において大きく役に立っている。
素早く要点だけをまとめた手紙を書きカフウの指示でやってきたであろう何度か伝書を運んでもらってる燕の足に手紙を括り付ける。
「四号鳥舎まで頼んだぞ、帰ってきたら美味いもん食わせてやる」
ぴっ!と鳴いて燕は素早く飛び立った、手紙が届くまで数日はかかるだろう。
たしか原作ではクザンとサカズキが参加していたな、二人にもちとあたってみるか。
カザミドリ
鷲の悪魔武器であるカフウを筆頭とした鳥類で構成された部隊
そのうちアサミドリ部隊はスズメなど街中に一般的にいる鳥で構成された情報収集などを行う部隊で最も数が多いのもこの部隊
他にも夜間行動に長けた部隊や攻撃を主とする部隊もある
ちなみにイシズミを筆頭とした鼠部隊、タビネズミも存在する模様
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)