今のとこ毎月5.10.15.20.25.30日の更新を心がけていますがどこまで続けれるやら…
「随分と大仰な鎧だ、それに剣に棍とは随分とやる気のようだな?」
「戦える手段…それこそ"武力"ってのはあればある程いいに決まってるだろ?」
「ふ…しかしそれなら一般の海賊が勘違いするのも無理は無い。
だが知っているぞ鈍熊、貴様実際は我々と同じく六式を極め体術を得意としているらしいな?」
「ほう…まぁ別に隠しているつもりは無いんだがな、体術勝負が望みか?」
「是非その強さを御教授頂きたいものだ、なぁ"最強の中将"?」
エニエスロビーに作られた屋内庭園、普段は水が流れ緑豊かな働き詰めの者達を癒す空間は緊迫した空気に満たされていた。
隠す意味もないだろうと仮面は外し、上着を脱いで鋭い目つきで腕を構えるルッチ。
それに対してクリークも示威を目的としてフル装備で相対、しかしルッチの提案にまぁ構わないかと考え海軍コートに加え武装一式を外しタンクトップにズボンと身軽な格好になってはゆっくりと構える。
「両者準備は…いいようじゃな、長官曰く死んでも恨みっこ無しと言うとったがあくまで"交流試合"って事じゃから程々にの」
「殺す気で行っても死にはしないだろう、なんと言ってもあの赤カモメのトップなのだからなぁ!!」
カクの言葉を他所に踏み込み、それと共に繰り出されるルッチの指銃。
「随分といきなりだな」
「易々と止めておきながら…それとも卑怯だと言うか?」
様子見と言えど鍛え抜かれ、人体すら容易く貫く筈の指銃はクリークの掌に易々と受け止められていた。
「いや?どんな手段であれ最後に勝つ事こそ本当の強者だ、別に卑怯だのどうの言うつもりは無い」
「全く同意だ!指銃・黄蓮!!」
「紙会・桜舞(かみえ・おうぶ)からの…嵐脚・辻風!!」
ルッチの右手から放たれたのは相手を簡単に蜂の巣にしてしまえる指銃の連射。
相手の攻撃を先読みし紙のようにヒラヒラと躱す特殊な歩法である"紙絵"。
"桜舞"は"紙絵"を更に突き詰めて"剃"の足運びを加え進化させた無音と幻惑の足運びであり、それによりルッチの攻撃は幻像を貫いただけで終わり、お返しとばかりにクリークの両脚が振り抜かれ巻き起こされたのは十字を描く鎌風。
「分身だと!?っ鉄塊!!」
しかしルッチとて六式を極めたいわば"超人"
「だろうな!拳砲!!」
瞬時に肉体を硬化、そのままノーダメージで受けると共にクリークは踏み込み、好んで使う変形型の六式…指銃の要領で拳を繰り出す"拳砲"はルッチの身体を大きく吹き飛ばした。
「飛ぶ指銃…撥(ばち)!!」
「遠距離体術か!ならばこちらも…飛拳砲!!」
かたや一本拳、かたや拳を振り抜く事で生み出された衝撃波はぶつかり合いそれに紛れるように
「嵐脚・凱鳥(がいちょう)!!」
ルッチは踏み込むと共に身体ごと脚を回転、振り抜かれた脚がおこした鎌風は通常の嵐脚とは比較にならず周囲の壁に斬撃痕を刻みながらクリークに迫る。
「それが凱鳥か、なら…鎌威断っ(かまいたち)!!」
しかしそれに対するは腕ごと振り抜かれた手刀、それと共に巻き起こされた鎌風がルッチの凱鳥と衝突し相殺した。
「ふむ…腕で嵐脚を放つとはな?」
当然六式にそんな技は無くルッチは軽く驚くも
「不可能では無いだろう、多少コツがいるとは言え腕に脚部並みの筋力をつければやれん事は無い。
それに六式ってのは割と自由度が高いからな、使い易いように改良出来るならそれに越した事は無い」
クリークの言葉を聞き全身の筋肉を隆起させ豹の特性を持つ人獣型へとその身を変化。
「それはいい事を聞いた…ならばゾオン系ならやれるかもしれないという事だろう?嵐脚・豹尾!」
月歩にて宙に飛び上がりそのまま右脚を軽く回して生み出された螺旋を描く斬撃は真っ直ぐクリークへ
「そうだな、ゾオン系はそれだけで純粋に身体能力を一段上のステージに引き上げる。
この豹尾とやらもそのうち尻尾で出せるかもしれんな、飛拳砲!!」
ぶつかり合った衝撃波は相殺、半ば予想していた結果にルッチは舌打ちするも
「その通り、迫撃においてゾオン系こそが最強の種だ…ロギアやパラミシアに遅れはとらん」
「全くだな、特に肉食系なら尚更…まぁ凶暴性が増すのが珠に疵だが」
「疵などと…おれにとっては最早慣れたものだ!指銃・斑(まだら)」
先程までより更に身体能力が上昇し、更に鋭い爪による両腕での"黄蓮"を超えた指銃の連射
「いい指銃だが…悲しいかな威力不足だな?」
しかしそれですらクリークの肉体を貫く事は出来ずならばとばかりに軽く右腕を何度か振り獰猛な笑みを浮かべて右腕を振り抜けばそこから生み出される衝撃波が真っ直ぐにクリークへ
「カマイタチ…だったか?」
「さっきのさっきで覚えるとは随分と…だがまだ収束が甘い、これじゃ切り裂くのはまだ無理だな」
避ける事すらせず平然とその身で受けるクリークにルッチはほんの少し苛立つもそこは諜報機関の人間、直ぐに冷静になり改めてクリークを観察する。
「鉄塊か…にしても妙だな、瞬時に切り替えてるにしてもそれにしては動きが多い」
「誰も鉄塊をしていると言った覚えは無いが…それに鉄塊をかけたままでも動ける技術が無いわけでも無し」
「鉄塊拳法…あの野良犬以外にも使える奴がいたとはな」
「そっちではそう呼ぶのか、こちらでは"金剛体術(こんごうたいじゅつ)"と呼んでいる…続けて行くぞ!"崩拳砲っ"!!」
放たれたのは腰から肩に、肩から肘に、そして手首へと回転エネルギーを伝え威力を増幅された拳、当然鉄塊を発動させて拳を受けるルッチであったが
「っ…!!"拳砲"とか言ったか、たかだか"指銃"の出来損ないと思っていたが成る程貫通力は劣れど威力は上…フクロウが好んで使うのも理解した」
その威力はルッチの鍛え上げられた鉄塊を持ってしても完全に防ぐ事は出来ず軽く眉を顰めるルッチ。
「流石CP9最強、この程度では倒れんか」
「抜かせ…だが興が乗った、少し本気でいかせてもらう"攻式・紙絵武身"…おれの技は一段階進化する、これまでと同じだと思わぬ事だ」
それと共に元の体から獣人化により二回り近く大きくなった身体を圧縮、人間の姿と変わらぬ大きさに変化させ再び構えたのだった。
「一体いつから鉄塊を使っていると錯覚していた?」
クリークはまだ鉄塊を使っていません、因みに六式=覇気とする説もあるようですが実際のところどうなんでしょうねー
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)