起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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百獣支配領域 ワノクニ 01

 

ワノ国、花の都。

 

微かな月が空に浮かぶ夜も更けた時間、カン三郎は提灯持ちと共に屋敷への家路を急いでいた。

 

「ひとーつ…人のこの世に生き血を啜り」

 

「…む、声?」

 

そこに響く声、カン三郎は刀に手をかけ提灯持ちも灯りを持ち上げ周囲を見回す。

 

「ふたーつ…不埒な悪行三昧」

 

しかし周りは塀に挟まれた一本道、こんな夜とあっては道行く者もおらず声の主の姿は見えない。

 

「何奴だ!姿を表せ!!」

 

「みっつ…醜いこの世の鬼を」

 

カン三郎に応えるかのように再び響く声。

 

「…そこか!!」

 

その声の方向に向き直ると同時、提灯持ちも灯りをそちらに向け

 

「月に代わってお仕置きよ!!」

 

闇夜の中、塀の上に向けられた提灯の前に照らされたのは赤備えの鎧武者。

 

「何奴!!」

 

カン三郎は手をかけていた腰の刀を抜き放ち大上段に構えれば鎧武者も"真っ赤な鞘"の直刀を抜き放ち正面に構える。

 

「何奴?それを知る必要は無い…お前の悪事は明白、俺は月の代わりにそれを裁く」

 

「あっあっあ、さては貴様か最近噂の"辻斬り亡霊"とやらは。

光月の縁者かどうかは知らんがおれの刀の錆となれ愚か者め!!キエァァァァァッ!!」

 

ワノ国が"平和"になって数十年、フリ四郎と共にワノ国の武器事情を一手に担うようになってから自身が刀を振るう事も殆ど無くなったとはいえ、その程度で身につけた技が無くなるでもなし目の前の不埒者を両断すべく飛び上がり大上段からの一撃を繰り出す。

 

「なん…だと…」

 

しかし下手な鉄板程度なら真っ二つに斬ることが出来る自身の斬撃は傷一つつける事なく鎧に阻まれ

 

「斬奸剣(ざんかんけん)!!」

 

返礼とばかりに振り下ろされた剣はカン三郎が防ぐべく咄嗟に掲げた刀ごと切り裂いたのだった。

 

「ひ、ひぃっ!来るんじゃねぇ!!」

 

そのまま腰を抜かし後ずさる提灯待ちを尻目に赤い鎧武者は

 

「天網恢々、疏にして漏らさず…"月"はいつでも見ているぞ」

 

そう言いながら夜闇に紛れるようにスッと姿を消したのだった。

 

 

 

最近ワノ国で噂になっている"月からの贈り物"、それに続くかのように噂として語られ出した存在があった。

 

「またかい…これで何件目だ?」

 

「今度は悪代さんだってよ…」

 

「奉行所は何をやってるんだ?どうにも最近物騒で敵わねぇや」

 

「大きな声じゃ言えねぇが…"例のやつ"、将軍様がえらくご立腹だそうだ、見廻共もピリピリしてやがる」

 

噂になってているのは"辻斬り"である。

 

勿論今までに辻斬りが無かったわけではない、しかし今回の辻斬りで狙われていたのはいずれも士族や役人、このワノ国においては上位の階級の者達ばかりであった。

 

「それに…聞いたかい?逃げ延びた提灯待ちの話しじゃ下手人は真っ赤な鎧兜に赤い鞘の剣を持ってたって話だぜ?」

 

「赤い鞘…?まさか’赤鞘くに…」

 

「しっ!バカヤロウ、聞かれたらどうすんだ!…兎に角それもあって将軍様はだいぶ苛立ってるみてぇだ」

 

「あれから18年も経ってるってのに…まだ怯えてるのか?奴等は死んだんだろ?」

 

「あぁ、その筈さ…だが例の"月からの贈り物"に加えての"赤い亡霊"の騒ぎ、だいぶきな臭くなってきたと思わねぇか?」

 

「だけどよう、将軍様には"あの"百獣海賊団がついてんだろ?奴らが本腰いれりゃ直ぐに片付くだろうよ」

 

「だといいがよ…」

 

そんな外からの話を聞きながら"これならそろそろ釣れるかもしれん"と集中を解いてそのまま考えるクリーク。

 

噂になっている"赤い亡霊"、勿論この男の仕業であった。

 

かつての話に寄せた甲斐もありほぼほぼ意図した通りの噂になっており、このままいけば目的が釣れるのも近いだろうと判断しそのまま隠行

で気配と物音を消しながら高速でその場を離れる。

 

元々クリークがこのワノ国に降り立ったのは何点か目的があった。

 

まず第一に"ワノ国"についての把握。

 

これはひとえにクリークのワノ国に対する知識が少ないからであり、知っているのはロビンが潜入で得た知識、海軍にある知識、そして前世で覚えている"万国編"途中までの知識であった。

 

次にワノ国の先代将軍"光月おでん"の血縁である兄妹の捜索。

 

「確か"モモノスケ"だったか?あんなナリで28には見えなかったが…ボニー辺りに絡んだってとこか、アイザックにはあぁ言ったがカイドウから逃れるため外海に出てる可能性もあるか…」

 

故にパンクハザードで登場した光月家の血縁についても覚えておりそしてもう一人妹がいる事も掴んでいる。

 

そしてオロチ配下と百獣海賊団の戦力把握と漸減及び息子との接触。

 

その為にあえて伝説の"赤鞘九人男"ともとれそうな格好でオロチの配下を斬りつつ釣り出しを企んでいるのである。

 

赤鞘の生き残りがいると知れれば光月の生き残りからの接触、若しくはオロチ配下の上位勢、ドレークを潜ませているカイドウの配下まで釣れるかも…と考えながら

 

「先生!鈍パチ先生!!またゴネてる奴がいるんでいっちよやっちゃってくだせぇ!!」

 

「またか、まぁ飯と宿代くらいは働いてやる」

 

「流石先生!こっちです、相手はそこらのヤクザもんですが長ドス持ってるんで注意してくだせぇ!!」

 

その声にクリーク改め"黒駒 鈍パチ(くろこま どんぱち)"は賭場の用心棒として仕事をすべく立ち上がるのだった。

 

 





本編は地獄みたいですね、やはり天竜人はクソ

獣の王の力を手に入れ変貌体となったクリーク、獣の王なのでミンク族の特殊な能力や劇場版ボスのような能力はありますか?

  • 高熱"劇場版ボス"
  • エレクトロとスーロン
  • エレクトロだけ。
  • 肉体や覇気の強化のみ。
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