"居眠り狂死郎の敗北"
この報告はオロチ一派に対して激震をもたらした。
特に将軍である黒炭オロチは怒りと共にそれを超える程の恐怖を感じており、彼に襲って来たのはまるで亡霊の足跡が後ろからヒタヒタと迫ってくるような震えるほどの寒さ。
当然座したままでいるわけもなく、見廻衆や狂死郎の証言からすぐさま莫大な懸賞金をかけてお尋ね者として手配、更には協力関係にある百獣海賊団にもあらゆる手を使い協力を頼み込み、その甲斐あって彼らの本拠地である鬼ヶ島から実力者で構成される"真打ち"及び、その中でも"飛六胞(とびろっぽう)"と呼ばれる幹部集団から二人の戦力が花の都に常駐。
しかしそこまでしたにも関わらずオロチの寒気は消える事なく、亡霊に怯えるのだった。
一方、一命を取り留めた狂死郎であるが、治療されたとはいえ怪我が治ってないにも関わらず登城しオロチに報告、その後一刻も早く怪我を治すべく自身の屋敷で療養に努めていた。
そんな彼の屋敷に訪れたのは一人の女性。
彼女こそがワノ国のトップアイドルとも言われる花魁であり、それこそ男の憧れにして女のカリスマに併せ高い教養と国をも揺るがす程の美貌を持ち神にも落とせぬ気高さはもはや"女の完全体"とも称されている"小紫"その人である。
そんな彼女が狂死郎の見舞いに来たのは"小紫"が狂死郎一の待つ遊郭に所属しているからであり、別に特別な理由は無い…少なくとも表向きは。
「丑三つさん、怪我は大丈夫?」
「すいません不覚を…いや、相手を見誤りました」
共に連れて来た禿や護衛を下がらせ狂死郎と二人になる小紫。
「見誤った…じゃあ"亡霊"は皆が噂してるような光月の生き残りでは無いと?」
「えぇ…アレは"赤鞘九人男"の誰でもありません、オロチに敵対しているのは間違いないでしょうが」
「…お母様の言った二十年には少し早い気もするけれど、動くべきだと思う?」
「いえ拙者もあなたもここまで潜り込んだ身、今ここで動いては全てがバレてしまいます。
オロチはあなたがおでん様の娘とも知らずに惚れ込んでいる、お辛いでしょうが…」
「いえ、あと少しだもの…それに"亡霊"が暴れ始めてからオロチはそちらに執心よ?」
「ははは、ワノ国一の花魁を差し置いて将軍の心を射止めるとは大したものですね」
狂死郎の軽口に少し笑うと小紫は少し悩む。
「…"亡霊"を仲間にする事は出来ないかしら、少なくとも丑三つさんを相手にここまでやれるのなら」
当然そう提案する彼女はただの花魁である筈が無い、彼女こそ18年前に滅ぼされた"光月家"の遺児である"光月日和"…クリークが探している光月の血を継ぐ兄妹の片割れである。
18年前、彼女は城が焼け落ちるのに紛れて"赤鞘九人男"の一人である"河松"と共に脱出。
当初こそ二人でいたものの、5年以上の放浪生活の末に数少ない食料を彼女に与え気遣い、年々窶れてゆく河松を見て彼が自分を守る所為で死んでしまうのではと不安になった彼女は、自身がいなくても彼一人なら生き延びる事が出来ると考え置手紙を残しその前から姿を消した。
その後に何の因果か既に花の都では大きく名を挙げていた狂死郎親分の元に辿り着き、オロチの懐に入るために"光月日和"の名前を隠し絶世の美貌を持つ最高の花魁"小紫"となったのである。
「いえ、やめておいた方がいいでしょう。
"亡霊"の目的が読めない上に、相手が何者かわからない以上迂闊に手を出せば大火傷するかもしれません。
せめて頭山にいるアシュラ童子がこちらに味方するか、行方不明の河松が見つかれば…」
そして"居眠り狂死郎"こと傳ジローはそんな彼女をサポートし、表ではオロチに忠実なフリをしながら裏では彼女が"花魁"としてオロチ陣営から巻き上げた金銭を義賊"丑三つ小僧"としてばら撒き、少しでも苦しむ人々の為にと動いていたのだ。
しかし狂死郎は今回の負傷によりしばらくは動けず、小紫もいざという時…正体がバレそうになったり、オロチが力づくで娶ろうとした場合にどうするかを話し合う為に見舞いと称して狂死郎の元を訪れており、二人は"赤鞘の亡霊"や今後の事などを話し合うのだった。
天井裏に一匹の鼠がいる事などまったく気づかずに。
みぃつけた
獣の王の力を手に入れ変貌体となったクリーク、獣の王なのでミンク族の特殊な能力や劇場版ボスのような能力はありますか?
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高熱"劇場版ボス"
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エレクトロとスーロン
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エレクトロだけ。
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肉体や覇気の強化のみ。