起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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偽装対皇戦線 ハチイチゴウ 06

 

グランドライン"新世界"ソコラノ島

 

「クリーク中将、赤髪の船が前に出てきたけどどうする?」

 

『うむ』

 

「クリーク中将…?」

 

『うむ』

 

「動かないんですか?」

 

『うむ』

 

「えっと…」

 

『うむ』

 

島を半円状に取り囲む10隻の軍艦、その中央"フィーネ・イゼッタ"号。

 

だいぶ古い船ではあるが随所に手を入れられ今も現役で稼働している本部中将であるクリークの座乗艦である。

 

「ドール大尉、どうした?」

 

「ギン准将…いえ、中将の様子が少し」

 

「あぁー、中将はどうも対白ひげの方が心配らしい…ですよねボス?」

 

『うむ』

 

「はぁ…」

 

隙間なく全身を装甲で覆われた巨体、最近海軍にプロトタイプが導入されはじめたアーマードスーツ"ミリタリスタ"。

 

クリーク専用とされる巨大な肩当てが特徴の黄金に輝く機体はその表情までもフルフェイスに覆われており伺い知れず、そして言葉もまるで心ここに在らずのような姿に伝令に来ていたドール大尉は不審そうにするも

 

「兎に角だ、レッドフォース号が動いたといえ恐らく戦う為じゃ無いだろう。

くれぐれもこちらからは動かないように再度徹底を各艦に周知するように」

 

「了解」

 

ギンのその言葉に敬礼をして慌てて電信室に向かうのだった。

 

そして残された全身装甲…"ミリタリスタ"を纏った巨体と海軍本部准将"ギン"であったが

 

「中将…」

 

『うむ』

 

「もうちょっと何とかならねぇのか?」

 

『無理言わないでくれよギンさん、声こそボスと同じに調整してるけどさぁ…』

 

「見た目と声がボスと同じになってるんだぞ?」

 

『長々と喋ってボロが出たらどうすんのさ、それなら喋らない方がいいんじゃない?』

 

表向きこそ対赤髪の警戒線へ投入されているクリークであるが、実際にはカイドウ討伐のチームに編成されておりここにいるのは当然本人では無い。

 

全身を覆われたアーマードスーツに変声機を搭載し中身は別人を乗せた"にせクリーク"である。

 

因みに中身は計画を知っており尚且つクリークの事をよく知ってる人物としてパールを乗せていたが

 

「そりゃ…まぁそうだが、せめてもうちょい何とかしろ。

ボスがここにいないというのが上にバレたら面倒な事になるんだからな?」

 

『うむ、任せろ』

 

パールの言葉にギンは人選を間違えたかと頭を抑えるのだった。

 

 

 

 

そしてレッドライン聖地"マリージョア"

 

「チャルロス兄様!何を出歩いてアマス!!」

 

「し、シャルリア…何処へ行こうとわちしの勝手だぇ!!」

 

始まりは13年前、天竜人の多くが病に罹った事であった。

 

この男の父親も病に罹った一人であり、まだ当時は幼かった兄妹は当然最初は心配した、傲慢な天竜人とは言え家族に向ける愛情位は当然ある。

 

しかし長い時間をかけて身体に拡がる緑斑とそれに従うように動かなくなる身体。

そして時折り発せられる高熱で苦しむ父の姿に段々と家族の情は醒めていき別の感情が大きくなる。

 

恐怖と忌避。

 

もし感染でもしたら自分もこうなるかもしれないという恐怖に、尊き血筋でありながら威厳も高貴さの欠片もない病床の姿。

会話すら交わす事も穢らわしく、一室に押し込めて世話は奴隷一人に任せて見舞う事すらなく、そしてつい一年程前に恐れていた事が起こってしまった。

 

「気持ち悪い…お前達、お兄様を部屋へ戻すアマス!!』

 

「失礼、チャルロス様」

 

妹であるシャルリアの言葉に付き従っていた警護の兵達はチャルロスの両脇を固めるとそのまま広い部屋に押し込められる。

 

「まったく、わたしに感染ったらどうするアマス!」

 

「ぶ、無礼だぞシャルリア!それにこの病は感染らないと言ってたぇ!!」

 

「どうせ兄様のソレも父上が原因アマス!あぁ気分が悪い…」

 

「なっ!だからこれは昔からかかってせんぷくとか何とか言ってたぇ!!」

 

チャルロスのその言葉にシャルリアは冷たい目で一瞥すると

 

「湯浴みの支度させるアマス!!」

 

そのままチャルロスを無視して奴隷や警護の兵を引き連れてその場から去ったのであった。  

 

「シャルリアっ…どいつもこいつもわちしを見下すなぇ…!!」

 

屋敷の中では妹や警護の者達の冷たい目、部屋にいてもただ一人、そして外に出ればヒソヒソと話す周囲の天竜人達、勿論その視線は冷たい物であった。

 

 

高貴な身分の者として多くの奴隷に多くの妻達、何不自由無い生活はある日突然終わりを告げた。

緑斑が発生して直ぐ家の医者に診てもらうも治療の目処は無く、それを知った妹は自身に感染るかもしれないという恐怖から妻と奴隷達を取り上げこう言った。  

 

病気の身では大変だろうと、奴隷の面倒は自分が見ると、ゆっくり治してと…

 

自分達兄妹が父親にしたのと同じ事でありそれが返ってきただけだ…そう思う事は出来なかった。

 

「わちしを誰だと思っているぇ!!」

 

怒りのままにテーブルを叩けば用意された豪奢な、しかし冷たい食事の乗った皿がガチャガチャと耳障りに鳴り、それすら腹立たしいとばかりにテーブルの上を腕で薙ぎ払う。

 

「どいつもこいつも…今に見てるぇ、シャーリングとの計画が完成すれば全員地面に這いつくばらせて謝らせてやるぇ…」

 

床に散らばる破片と食事を念入りに踏みつけながらそう言うチャルロスの瞳には暗い狂気が澱んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 





いんがおほー

獣の王の力を手に入れ変貌体となったクリーク、獣の王なのでミンク族の特殊な能力や劇場版ボスのような能力はありますか?

  • 高熱"劇場版ボス"
  • エレクトロとスーロン
  • エレクトロだけ。
  • 肉体や覇気の強化のみ。
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