あの国の王族って割とクズばっかですよねー
フレバンスは騒乱の一途を辿っていた。
ジョナサン大佐、リュードー大佐の船と合流しついでにその辺で拿捕した海賊船二隻を含んで計5隻が合流した後に海軍第165支部があるマーマシー王国に接岸した、勿論海賊旗は取り上げたが。
支部長に事情を話したところ既に連邦内部の会議にて国境封鎖が決定、ここの国境も数日もすれば封鎖されてしまうだろうという話であった。
リュードー大佐に第2から第4中隊を任せかき集めた海賊船医十数名と共にフレバンス国内を回ってもらい、ジョナサン大佐には第5中隊を預け船の護衛及び拿捕した海賊船に乗せる為避難民の受け入れ準備に。
こちらは第1中隊と海賊船医5名を率いてフレバンス首都へ向かう、一応任務が国王の保護である以上国王を迎えにいかなくてはならんだろう…
その前にこの国の王に会いにいく、国境の封鎖をなんとかしてもらえないかどうかである、そして"珀鉛病"は中毒症状であり疫病では無い、という事などを話し合った結果
1.国境の封鎖は行うが海軍の人間と一緒ならば通っても良い
2.フレバンス国民の治療、移住、亡命などは認めないが通行は許可する
3.時間猶予は三日間
というものだった。
なんでも深いため息をつき疲れたように玉座に座る王が言うには"連邦議会により国境の封鎖は決定している為やらなかったら今度は此方が睨まれるのだ…例え疫病でなくともな…"との事であった。
とにかく通行許可はとったのでさっさとフレバンス国王をとっ捕まえて船の中に片付けてリュードー大佐に合流しよう、そうして混乱する街の中を抜け王宮につけばそこにいたのは
「ふほほほほ、ようやく来たか。わちしを待たせるとはいかに名高い"カモメの水兵団"とは言え所詮は庶民ぞえか」
金色に光るアクセサリーをあちこちにつけでっぷりと腹が張り出した小男
「まぁなんと粗暴そうな顔立ちかしら、やはり海軍というものは野蛮人達の集まりなのですね…」
背が高く、顔立ちは整ってるがどこかキツそうな雰囲気を漂わせる女性
まぁうちのロビンの方が美人だがな
「…お二方はフレバンス王族で間違いありませんか?」
取り敢えずイラッとしたのを堪えてそう聞く、多分間違い無いだろうが念の為。
「そうじゃ!わしこそがこのフレバンスの国王、アクドーイ・フレバンスじゃ!まぁ時間は掛かったが迎えに来た事に免じて許してやる!感謝するがよい!!」
色々とツッコミたいが我慢する、下手に反論して睨まれるのもイヤなので
「そして、私はこの国の王妃ガーメツイ・フレバンスよ?私達を護衛できる事を光栄に思いなさい?」
どうしよう、既に任務をほっぽり出したい…まぁそういうわけにもいかないので軽く愛想笑いをしつつ
「私は海軍本部少将クリークです、今回お二方をマリージョアまで送り届けるように言われています。
しかしフレバンスの国王陛下はこのような国の一大事にそんな顔をしてるんですね」
とりあえず色々と押し殺し国の一大事に何も考えてなさそうな顔を見て嫌味を込めてそう聞くと
「ほ?わちしの顔を知らんだと?そうか、よっぽどの田舎者なのだな…」
「仕方ないわよあなた、野蛮人はきっと教養が無いから私達のことを知らないのよ」
という感じにナチュラルに神経を逆撫でしてくる為さっさと船まで送りつけてやろうと街中で徴収した馬車に乗ってもらうようにお願いした。
「ふん、そんな貧相なものには乗れんぞよ、馬車と荷物は用意してある故はようわちし等を脱出させぬか!」
そう言ってこちらに着いて来るように言い着いた先は王宮の裏庭
そこには金銀宝石をあしらった豪華な馬車が一台、それと別に華美な宝飾を施された馬車が数十台。
「…陛下、まさかこれを全部運べと?中身は大事なものなのですか?」
「ふほはほ、当たり前じゃろう。いいからさっさと運び出さぬか」
知るかっ!!と心の中で叫び出しそうになるがぐっと抑え
「しかしこれだけの量となると運ぶだけで2、3日取られるかも知れませんがよろしいですか?」
「ふむ、まぁわちしは寛大じゃからな。
それくらいなら許してやるぞよ、そうそう連絡もせんといかんの」
そう言ってフレバンス国王は電伝虫を取り出し
「あぁ、あちしだ。こっちは今から国を出る、"約束通り"後はお主らの好きにせい」
「陛下、今のは?」
少し気になったので内容について聞けば
「ん?あぁ、わちしはもうこの国はいらんのでな、他の国に売っただけの話ぞよ」
と、最悪な事をのたまいやがった。
「何て事してくれとんじゃ!!そんな事すれば周辺国家があっという間に押し寄せて来て取り合いになるだろうが!!」
これには思わずそう怒鳴ってしまい
「な、何を急に怒っておるのじゃ!この国はわちしの物じゃ!わちしの物をどうしようとお主には関係なかろう!!」
と言い出す始末、やっはこいつらの考えは俺には理解できん、それよりも時間的猶予を見て2、3日と言ったがその猶予はもう無いだろう。
「今日明日中にこの島を発ちます、この馬車全てを持っていくのは諦めて下さい」
「な、何を言うか!先程2、3日で運び出すと言ったろうが!!」
言ってねぇよ!!
「知るかっ!!さっさと馬車に乗ってくれ!アンタが余計な事しでかした所為で時間猶予が無くなったんだ!!荷物はこちらで適当に選別して後から持っていく!それでいいだろ!!!」
流石にキレた、後で文句言われるかも知れんが緊急事態だったので仕方ないという事でセンゴク大将あたりに仲裁してもらおう
まさか怒鳴られるとは思ってなかったのかすごすごと一番豪華な馬車に乗る二人、しっかりと別の馬車から出したこれまた宝飾だらけの鞄を持って。
フレバンス王家の馬車には小隊を1組つけて先に船に向かってもらい取り敢えず残された馬車は有効活用させてもらうか、と考え手近な馬車の扉を開ける。
黄金が山と積まれていた。
無言で扉を閉め次の馬車を開ける。
黒い鞄が大量にあり中を開けてみれば札束の山。
無言で扉を閉める。
まさかこの数十台の馬車、全部こんな感じじゃなかろうな?
まともなのはコブラとかリクとかエリザベスとかごく少数ですもんね、革命軍なんてものが蠢動するのも仕方ないですよねー
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)