当然、大将になったりすれば、その分中将と比べて権限は大きくなる。
が、その分責任は増える訳で自ずと処理すべき事も増える訳なのだが、そこに更に今回の海軍の再編計画による諸々の処理。
次から次に運ばれる仕事にクリークはパンク寸前であった。
「くそぉ、早まったか…」
元々頭を動かすより体を動かす方が得意な身とあって、次から次に舞い込む報告に対し処理を行ってきたが、一向に途切れる気配は無くクリークは処理に忙殺されていた。
「クリーク、少しいいか?」
そんなクリークの元にやってきたのは特徴的な丁髷に口髭を蓄えた1人の男、16中将の1人でありクリークと同じく非能力者でありながら優れた腕を持つ優秀な剣士である。
「モモンガ中将…どうした?」
「少し人員が必要な案件が出てな、貴様が懇意にしている"黄金帝"についてだ」
「テゾーロの?なんだ、金にあかせて無茶でも言ってきたか?」
「何と言うか…警備の人員として海軍に協力を要請したいとの事でな、しかも世界政府からも力を貸すようにとの指示が来ている」
「警備だぁ?一体なんの…あいつ、自前でそこそこ戦力揃えてるだろうが」
ギルド・テゾーロはクリークの古くからの友人にして"共犯者"だ。
"黄金帝"の異名を持ち、世界に流通する通貨の実に20%近くを保有し、その為に世界最大の金持ちと言っても過言ではない。
また、彼の所有する超巨大船"洋上移動都市グラン・テゾーロ"は一つの国とも呼べる規模で彼はその国王とも呼ぶ事が可能な存在であり、天竜人への天上金や政府への献金を背景として、そこらの国王や王下七武海以上の権力を有しており、世界政府公認の中立地帯となっている。
その為彼個人で抱える戦力もそこそこの規模であり、今更海軍の手を借りるようなものでは無いと思ったが
「奴が推進している"芸能都市構想"の場所が決定したらしくてな、前段階としてお抱えの歌姫達によるライブを行うらしい。
かなり大規模にやるらしく、規模的な問題と歌姫たちの警護として海軍の力を借りたいとの事だ」
「ふーむ…、了解、詳細なメンツこちらから確認しておこう。
それから別件だがモモンガ中将、この後一つ…いや、2つ頼んでも?」
「む?構わんが…急ぎか?」
モモンガの言葉にそういやそんな計画について少し話をしてたな、と思い出し、直で確認する事を心に留めつつ、報告に上がっていた案件で丁度いい人材が来たので
「インペルダウンが陥落した後、仕方ないから本部で勾留していた海賊や、捕縛していた脱獄者達の移動の算段が漸く整ってな、中将にはそれらの護送の陣頭指揮を頼みたい」
と、現在海軍本部及び各海軍支部において邪魔になってる存在について頼む。
「む?インペルダウンの再建は難しいと聞いていたが…そこら辺の監獄だとインペルダウンの二の舞では無いか?」
「噂程度は聞いてただろう、元々新たな監獄は建造中だったからな…"監獄諸島"の話は知らないか?」
「"インペルクラウン"か、諸島丸ごと監獄にしてしまうという話は聞いていたが当分先の事だと思っていたぞ?確か新世界のネブランディア諸島群だったか?」
「あぁ、ちょっと特殊な島でな…インペルクラウンの詳細と護送のリストについてはそちらの執務室に後で送る。
護送船も手配は済んでいるから明日には到着するだろう、えーと…24番船場だな」
「わかった、後で確認しておこう」
「それからクロコダイルの後任だが先立って"銀狐"になりそうだ、先立って伝書バットを政府が出している筈だから、準中将を送って詳細をつめてきて欲しい」
「あぁ、"海賊喰らい"…デービーバックファイトだったか?平和なものだな」
「いやいや、本人こそ他の七武海と比べて戦力は劣るが抱えている戦力が並ではない。
ついでに他の海賊を食い散らかしてどんどん崩壊させてるのも今回の選出のポイントだな」
「わかった、そちらも対処しておこう…もう1人の後任は決まりそうか」
「くまの後任か…何人か候補は出てるが今のところ最有力は"海医"だな」
「トラファルガー…確かに奴には海兵にも世話になった奴は多い」
「民衆にも人気は高い一方、敵対者には容赦しないからな"死の外科医"なんて異名がつくのも無理は無いが」
「了解した、その二件はこちらで采配しておこう、黄金帝の方はそちらに任せるが構わんな?」
そう言って自身の執務室に戻るモモンガに手を振り、傍の電伝虫の受話器を取るとテゾーロに連絡をとる。
『…大鼠に』
「毒 」
『白鯨に』
「釣り針 」
『天竜人様』
「クソッタレ、久しいなテゾーロ」
『なぁ、いい加減合言葉使うの面倒なんだが…』
「万が一間違えて聞かれたりしたらどうするんだよ」
『白電伝虫も使ってるんだし盗聴の心配は無いだろう』
因みに電伝虫の通信は黒電伝虫と呼ばれる種類の電伝虫で電伝虫の念波を拾う事が可能であり、更には黒電伝虫の盗聴を妨害する念波を発する事が可能な白電伝虫と呼ばれる希少な存在もおり、当然クリークやテゾーロはそれを使用した上で通信を行なっている。
「それより、警備に海軍の力を借りたいと聞いたが?」
『あぁライブの件か、最初はこちらだけでやるつもりだったんだが…』
「あぁ、抱える戦力的にはそっちだけでも問題無いと思ったから気になってな…、何か理由でも?」
『バカ野郎、インペルダウンの大脱獄だよ…こっちでもだいぶ噂になってんぞ、他の海賊団の船で密航したり、屈服させて海賊団丸ごと乗っ取ったらした脱獄囚達が新世界にも流れ込んで来てるらしい』
「うげぇ、脱獄囚が新世界に出るのはまだ少し時間がかかると思ってたが…」
『見通しが甘ェよ、んでそれに対応する為に警備の人員を増やしたい訳だ、これに関しては失敗する訳にはいかんからな』
「ふむ、規模はどの程度だ?直ぐに動かせるとしたら…そうだな、タイミングが合えば2隻分くらい回せるな」
バサバサと書類をめくり現状のローテーションを確認して答えるクリークだったが
『助かる、因みに予定としては半月後くらいだな、可能なら是非クリークも来て欲しいんだが…』
「俺?つってもなぁ、流石に現状だと早々に動けねェからなぁ」
テゾーロの誘いに目の前の書類タワーに遠い目をして答える。
『そういや昇進したんだったな、おめっとさん。
まぁちと内密に話したい件もあってな、それ相応の援助もするから頼む』
「ふむ…まぁ確約は出来んが、そういや場所を聞いていなかったな、エンターテイメント都市にするんだろ?」
『あぁ、かつて音楽の国とも呼ばれ、今は滅びた国"エレジア"。
だからこそ世界に広がるエンターテイメントの出発点としてはこの上ないと思わないか?』
テゾーロの言葉に聞いた事ない国だなと思いつつクリークはメモをとり、何とか間に合わせるべく仕事を片付ける算段を立てるのだった。
やっとREDに突入できる…、ウタがどういう状況かは次回をお楽しみに。
因みに本来の世界線だと映画の2年前ですので映像電伝虫を拾って絶賛配信活動を行なっている辺りです。
獣の王の力を手に入れ変貌体となったクリーク、獣の王なのでミンク族の特殊な能力や劇場版ボスのような能力はありますか?
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高熱"劇場版ボス"
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エレクトロとスーロン
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エレクトロだけ。
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肉体や覇気の強化のみ。