起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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紅赤古老挽歌 エレジア 07

 

どれくらい経ったろうか。

 

多くの傷こそ刻まれているものの張り詰めた姿勢を崩さず構えるパトリックと、肩で大きく息をするシュガー。

 

お互いに同系統の血の刃で斬り結ぶシュガーとパトリックだったが、その差異が現れ始めていた。

 

「そこまで、操れるのは見事と言いたい所であるが…少し血を流し過ぎたようだな」

 

ブラッドコードによる肉体の超過駆動に併せ、血を纏う、血の刃を飛ばすと言うのはイコールでシュガー自身の出血である。

 

対してパトリックの使い方はあくまで自身に留めるものであり、それが継戦能力という面で如実に差が出てきていたのだった。

 

疲労は大きく、ふらつきも見られるシュガーだったが、その目は未だに諦めてはおらず

 

「面倒…でも、それをそのまま放置してるとでも思った?」

 

「カカカ、まだ隠し球があるか?若き故の自信か、自負故の信頼か、是非見せてもらおうか」

 

両手を広げて前に突き出すシュガーにパトリックも警戒を少し高め"ル・サン・ネーヴェ"に切り替え血装硬化を行うも、以前として余裕を崩さぬ佇まいに

 

「ムカつく…深き赤は荊に変ず、"赤荊(クリム・ソーン)"!!」

 

広げた手のひらを握りしめると共に地面に撒き散らかされた血が荊へと姿を変えパトリックに襲いかかり、その身を拘束。

 

「ほう、自身から離れている血液すら操るか…我とは違い随分と多彩な事だ」

 

「赤い薔薇には棘がある…その棘はお前の血を奪い去りやがて花をつける。

逃げようとしても深く刺さっていくだけ、そのネーヴェとやらでどこまで待つ?」

 

"赤荊"は派手に撒き散らした血を利用して相手の思考外から拘束と共に無力化を図る技であり、当然相手が相手故に正攻法では通じないと思っていたシュガーが意図的にクリムクロウでパトリックの周囲に飛ばしていた血液である。

 

元々パトリックも生命帰還を用いている性質上、自身から離れた血液、他者の血液は操れないという制約が存在する故、地面に落ちた血は考慮外であった為そこを突かれたのである。

 

「どうする?降参?後輩のライブメチャクチャにしたんだから責任とって」

 

これは上手く行きすぎている…、シュガーは軽口を叩くもパトリックを見据え油断無く拘束を維持、少しづつパトリックの血を奪い蕾をつけていく赤荊に気のせいかと考えていると

 

「見事なものだ、とても我には出来ぬ芸当よ。

だが老人とは頑固なものでな、やられっぱなしは性に合わぬのだよ…"血装・静動合一(ル・サン・セニェ)"」

 

その一撃はシュガーの目では捉える事が出来なかった。 

 

脳裏に響く警鐘に対して咄嗟に両腕を交差させると共に強い衝撃にて大きく弾き飛ばされ、何とか着地する。

 

目線の先には足を大きく振り抜いたパトリック、拘束していた筈の血の荊を破り、あの距離から一度で踏み込んで来たのだろう。

 

「っ…手加減してたのはわかってたけど、やっぱムカつく」

 

「カカカいい気迫だ、それに免じて一つ教えておこう。

我は生まれつき"耳"が良くてな…故に聞こえるのだよ、どんな些細な音であろうとも、相手がどのように動こうとも、相手がどう動こうかとしているかも」

 

「見聞色の覇気っ…それくらい!」

 

「そうさな舞踏と同じよ、貴様は音を追って踏み出すが我は音が生まれる前に動く。

次の拍へ移る、その無意識の間…そこが入口、聞こえるならば、後は…こうして入り込むだけの事よ"赤き傷(スカーレッド)"!!」

 

再び血刀を展開して斬り掛かるシュガーだったが、伯爵の動きをシュガーは捉える事が出来ず、その身は宙を舞っていた。

 

理屈はわかるし、似たような事が出来る人間も知っている…いわゆる意識の間隙、無意識を突く動き方であろう事はわかる。

 

だからこそ自身も見聞色の覇気をめぐらせ、尚且つ激情したフリをしつつも冷静に相手の動きを追っていた筈…なのに"見えなかった"

 

「…舞踏が好きなら踊ってあげる、"赤い靴(グリム・カーレン)"!!」

 

ならばここは出し惜しみは無し、全力で仕留めるべく人獣化していた肉体を更に変化させようとしたところで

 

「おっと、流石に交代だな…"その技"はまだやめといてくれ」

 

大きな手が伸ばされ自身が受け止められた事によりそれは中断された。

 

「っ…はぁ、時間切れ?」

 

一瞬、詰まるシュガーだったが相手が本気では無い事も、このまま戦えば自信がタダでは済まない事も理解しており

 

「そうだな、まぁ色々とタメにはなったんじゃ無いか?」

 

確かにクリークの言う通り相手が格上で、更に同系統の能力故かなり"参考"になったのも事実であるからこそ

 

「…倒したかった」

 

「後で好きなモン作ってやるからここは譲ってくれ」

 

「オムライス!」

 

「了解、タマゴはたんぽぽな?」

 

頬を膨らませ悔しそうに言う事で、小さな我儘を通して自身は周囲を囲む黄金壁の上へ飛び上がるのだった。

 

「カカカ、次の相手は海兵か?」

 

「まぁな、これでも海軍大将をやらせてもらってるクリークってもんだ…まぁよくも可愛い弟子の晴れ舞台をこうもメチャクチャにしてくれたんだ、骨の10本や100本は覚悟してもらおうか?」

 

「剛毅な事だ、流石の我とて半分近く骨を折られるのは勘弁して欲しいが…老骨にお主の相手はちと荷が重そうだな」

 

「そのまま折れてくれてもいいぞ?近くにいたお仲間の船ならうちの船が見つけて逃げていきやがったぞ?透明化といい海賊同盟といいアンタには聞きたい事が色々あるんだ…茶ァでも飲みながらゆっくり話そうじゃねェか」

 

「それも一興…じゃがもう少し我に付き合ってもらうぞ?我を納得させてくれれば茶でも何でも付き合おうぞ…"静血装(ル・サン・ネーヴェ)"」

 

「あぁ、その方がわかりやすい…殴って決着をつけろって事だろ?」

 

それと共に今度は鈍色と赤色が大きくぶつかり合い、再び戦端が開かれるのだった。

 

 

 

 





パトリックの強化がとんでも無い事に…んで引っ張られてシュガーもどんどんプロット外の方向に伸びてってる…

獣の王の力を手に入れ変貌体となったクリーク、獣の王なのでミンク族の特殊な能力や劇場版ボスのような能力はありますか?

  • 高熱"劇場版ボス"
  • エレクトロとスーロン
  • エレクトロだけ。
  • 肉体や覇気の強化のみ。
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