起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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13年前(15年前)のマリージョア襲撃事件の折にグリーンギフト(人工病疫)を天竜人にばら撒いたので、12年前(14年前)にジニーが天竜人の妻として連れ去られた事件はおこっていません(それどころじゃなかった)

そうなるとくま周りのプロットが爆発四散してしまう…どうしたものかー



因みに現在は本編より2年前となるので、配信電伝虫はまだベガパンクが開発していない(開発中?)なのでライブ中継は電伝虫での音声中継のみとなります。

ウタ、現在19歳




紅赤親娘挽歌 エレジア 10

 

「元気にやってるようで何よりだ…」

 

シュガーとウタのライブが行われているエレジアの遥か沖合。

 

そこに浮かぶ一隻の船、レッド・フォース号にて電伝虫から流れてくる歓声に感慨深く頷く赤髪のシャンクス。

 

映像こそ無いものの、そんなもの熟練の見聞色さえあれば"義娘"の元気な姿も見えるというもの、その姿に胸の奥に張りついていた何かが少しだけほどける。

 

 

「会わないのか?」

 

傍らのベックマンの言葉にゆっくりと首を振り

 

「いや、会えば壊れてしまう…前に進んでる所におれが会えば、あいつは…ウタは立ち止まってしまう」

 

そういって名残惜しそうに島の方を見るシャンクスにベックマンは少し悲しそうな顔をするも

 

「さて、そろそろ出るぞ!気づかれちゃ元も子もないからな!」

 

そう指示を出せばかつての"娘"の歌声に感慨深げに使っていた一味達は慌てて動き出す。

 

かつてのエレジアの惨劇、"ウタ"の暴走した能力が引き起こした災禍、その全てを被った"赤髪海賊団"。

 

悲しんだかもしれない、恨んでいるかもしれない、だが会う訳にはいかない。

 

それがシャンクスの結論であり、今回も歌を聴き、立派になった姿を見るだけで満足して去るだけ、それだけの事である…筈だった。

 

 

「っ全員警戒しろ!!」

 

「…やべェ未来でも見えたか?」

 

エレジアの方から真っ直ぐに飛んでくるその姿さえ無ければ。

 

両腰の二刀を抜き放ち交差させ、"ソレ"を受け止めるシャンクスだったが、その勢いは凄まじく大きく船尾まで弾き飛ばされた。

 

「よぉ…挨拶も無しとは随分と寂しいじゃねェか?」

 

「クリーク…か?」

 

凄まじい衝撃と共に飛んできた"ソレ"…赤い鴎の海軍コートに獣毛と角を持つ巨漢、見覚えのある面影を残す男にそう聞く。

 

「それ以外の誰に見えるってんだ、少し話したい事があってな…」

 

「いやその…何だ、随分と大胆なイメチェンだな、何類だ?」

 

「人類だよバカヤロー、まぁこの姿は"色々"あったんだよ」

 

「そうか…まぁいいさ、で話ってのは?あまり長居はしたくないから手短にな」

 

2本の剣を腰に納めつつそう聞くシャンクスだったが

 

「長居したくねェってのは…娘に会いたく無いからか?」

 

その言葉に、ほんの少しだけ顔が強張り、固唾を飲んで見ていた周囲も武器に手をかける。

 

「…何の事だ?と言いたいが、お前は海兵か?それともただのクリークか?」

 

「"今この場においては"ただの一般人だ、その顔を見るに自覚はあるだろ…何で置いていった?」

 

 

 

始まりは17年前であった。

 

赤髪海賊団が敵海賊船を下し奪った宝箱、その中に隠されていた1人の幼子。

 

詳しく調べてみれば敵海賊船はとある国を襲撃、殲滅しており手に入れたい宝箱は戦利品の一つ、その為その幼子を返そうにもその故郷は既になく、当初こそ困惑したものの

 

「…これも何かの縁か」

 

その巡り合わせを自身と重ねたシャンクスにより幼子は赤髪海賊団の、シャンクスの"娘"として育つ事になったのだ。

 

周囲を頼れる大人達に囲まれてすくすくと育ち歌が好きな少女…ウタは自身を"赤髪海賊団の音楽家"だとして憚らず、既に能力を得ていた"ウタウタ"の実の能力や歌唱力を発揮し、その自負に違わぬ歌唱力を身につけていった。

 

そして崩壊は訪れた。

 

それは11年前、フーシャ村を拠点としていた赤髪海賊団は幾度目の航海で音楽の島エレジアへとむかった時の事である。

 

類いまれなる歌の才能を持つウタは国王をはじめ国中から大歓迎を受け、国王であるゴードンからも国に残って歌手になるための英才教育を受けることを提案されたウタ。

 

自身の歌がたくさんの人が認めてくれた事を嬉しく感じ、シャンクスも残っていいのではないかとか提案されたが、ウタは自身は赤髪海賊団の音楽家であるという自負からその提案を断った。

 

この時彼女は喜んでくれた皆のために、そして歓待してくれたこの国の人達のために精一杯歌おうとそう思っていたし、ゴードンもこの歌声を国中に届ける為に奔走し、その日の夜はエレジアの歴史に残るような、素晴らしい夜になる…筈であった。

 

しかしその夜ウタの側に現れたそれこそが"呪歌 Tot Musica"…その楽譜である。

 

ウタに引き寄せられて傍に落ちていたソレをウタは用意してくれたものだと、なんの疑問も持たずにその楽譜を拾って歌ってしまったことでエレジアに歌の魔王"TotMusica"が現実世界へと降臨。

 

実体を持った呪いの怪物としてエレジアを暴れ回り、シャンクス達赤髪海賊団の奮戦も虚しく、エレジアはたった一夜で壊滅しゴードン以外の国民も亡くなってしまったのであった。

 

ウタがまだ幼く能力を長い時間保てなかった為途中でTotMusicaが消えたのが救いであったが、その頃には"音楽の国"と呼ばれたエレジアの街並み…旋律を零していた窓も、拍子を刻んでいた石畳も、調べを運んでいた回廊も、旋律をなぞっていた水路も。

 

一夜の災厄の後同じ通りにはかつて溢れていた音の居場所だけが残され、楽器は折れた翼のように散らばり、風に鳴るのは崩れた譜面の擦れる音だけだった。

 

ウタの能力の"暴走"とも呼べるこの事態であるがウタはこの事実を知らず、また真実はウタには酷だと思い、またウタの才能を潰したくないと考えたシャンクスはウタの罪を被ることを決めゴードンにウタを託して出航。

 

そうして、崩壊したエレジアには魔王を恐れ国を出る事も出る選択も出来ないゴードンと、エレジアを滅ぼした上で捨てられたと思っているウタが残り、シャンクス達赤髪海賊団は苦い思いを抱えて拠点としていたフーシャ村に帰還したのである。

 

 

それこそがクリークがゴードンから聞き出した悪名高い"エレジア事変"、赤髪による"国崩し"の真実であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





獣の王の力を手に入れ変貌体となったクリーク、獣の王なのでミンク族の特殊な能力や劇場版ボスのような能力はありますか?

  • 高熱"劇場版ボス"
  • エレクトロとスーロン
  • エレクトロだけ。
  • 肉体や覇気の強化のみ。
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