起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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紅赤親娘挽歌 エレジア 12

 

ウタはアイドルである。

 

ステラ・プロジェクトの"赤の歌姫"であり、トップクラスの歌唱力を持つ少女である。

 

かつてのエレジアの災厄の夜を乗り越え、今再び芽吹こうとするエレジアの先駆けとなる存在である。

 

その第一段階となる巨大ライブは同じく"シュガー・ソング"の異名を持つ歌姫のシュガーと共に、多少のトラブルはあったものの無事に大盛況で終える事が出来た。

 

「ふぅ…あのお爺ちゃん強かったなぁ、わたしももう少し"外"で使える技増やさないと…でもシュガーとの戦いは綺麗だったなー」

 

ライブを終え、その後のファンサービスや調整も無事に終えて、ホテル"レ・オーロ"の自室としている部屋でくつろぎながら、ライブ中にあったちょっとしたトラブルについて思い出すウタ。

 

思い出したソレにちょっとしたインスピレーションを得たのか何かを思いついたようにノートとペンを取り出しすと

 

「赤い荊…赤い花…」

 

メロディを考えながら歌詞になりそうなキーワードを並べていたところでノックの音がいた。

 

「しゃちょーかな?」

 

歌作りを中断して、誰だろうと思いながらそこにいたのは

 

「…なんだ、その…久しぶりだな」

 

忘れ得ない赤い髪、自身を置いていったその男にウタは大きく目を開き何かを言おうと口を開こうとする。

 

「…来たんだ」

 

言いたい事は色々あったし、何度も泣いたし、何度も怒った。がいざ再会した時には言いたいことの一つすら出てこず、結局出てきたのは短いその一言だけ。

 

そんなウタにシャンクスは少し困ったような顔をするも、すぐに自分の頭を下げる。

 

「すまなかった」

 

「…何に対して?」

 

「全部に対してだ」

 

「全部って何?わたしを捨てた事?一度も来なかった事?エレジアの事?」

 

「全部は全部だ、全ておれが身勝手な事をしたからだ」

 

頭を下げたままのシャンクスに、ウタも少しは衝撃から立ち直ったのだろう、言いたかった事が口から漏れるように並んでいく。

 

ウタとてシャンクスが自身を置いていったのは"何らかの事情"があったからだとわかっている。

 

漠然と思っていた考えは、自身の上司であるテゾーロが集めてきた情報や、ステラ・プロダクションの仲間達が集めてくれた情報から、その考えは強くなっている。

 

だが、置いて行かれた時の悲しみや絶望、今までの孤独感は紛れも無く存在しており、当然置いて行かれた事に対して恨み言の百や二百はあるのだ。

 

だからこそウタは大きく息を吸うと

 

「…"声震砲(ボイス・ワープ)"!!」

 

向かいの部屋ごと"レ・オーロ"の外壁が吹き飛ぶのは残念ながら当然であったのだろう。

 

 

 

 

 

翌日朝、テゾーロの執務室。

 

ウタのスポンサーであるテゾーロと育て親にして指導役の1人であるゴードン、そしてクリークの前には赤髪のシャンクスとその隣にはそっぽ向いたウタの姿があった。

 

仲睦まじく、とは当然言えない状態ではあるが今すぐ戦闘が勃発するほどでは無い事にテゾーロとクリークは安堵の息をつく。

 

昨晩とて当然急にシャンクスがウタの部屋に押しかけたわけでは無く、テゾーロとクリーク、ゴードンそしてシャンクスの間で入念な話し合いがもたれ、接触に際しても海軍、赤髪海賊団、グラン・テゾーロ+αによる万全の警戒体制がひかれていたのだ。

 

最終、ウタによるもっと大規模な怒りの爆発も想定されていたが、ウタが部屋として利用していたフロアの半分が吹き飛んだだけで済んだのは御の字であり、魔王の降臨が無かった事に一番安堵していたのはテゾーロであった。

 

「まぁ、この船が吹っ飛ばなくてよかったと考えるべきか…」

 

厳戒体制は既に解除されており5人がここに集まっているのは昨日のシャンクスとウタの話し合いで語られなかった事を話す為であり

 

「ごめんってしゃちょー、…それよりあの夜の事、話してくれるんだよね?」

 

それはエレジアに起きた災禍、ウタが置いて行かれた夜、一夜にして滅んだ国…赤髪による"国崩し"の真実である。

 

「さて、どこから話したものか…多分何度か見ているだろうが例の'古い楽譜"についてだ」

 

「あぁ、あの茶色いやつ…見かけても絶対手を出すなってしゃちょーが言ってたから絶対ヤバイやつだよね」

 

「あぁ、それだ…率直に言えばありゃ"呪歌"だ、そしてその呪いは歌を歌う能力者が歌う事で完成する」

 

その言葉にウタは下を向き胸に手を当てしばし息を整えると

 

「…やっぱり、エレジアが無くなったのやシャンクスがわたしを置いていったのは私のせいだよね?」

 

「なっ!どうして…」

 

その言葉にゴードンは思わず、といったように立ち上がるがウタはそれを手で制する。

 

「…元々少しだけ思ってたんだ、何の事情も無しに娘を捨てるような奴じゃ無いとは…まぁ、一緒に過ごした数年だけどね」

 

そう言って悲しそうに笑うウタ。

 

「…おれも仕事柄四皇の情報は色々と集めているし、"エレジア事変"にしても不可解だとは思っていた。

赤髪の情報は全て伝えていたしそう思い立っても仕方が無いが…知っていたのか?」

 

テゾーロの言葉にウタは軽く首をふる。

 

「ううん、しゃちょーのその言い方で確信が持てた。

元々シュガーとも話してたんだ、エレジアに何が起きたんだろうって。

だからその可能性もあるって思ってた、だって"悪魔の実"って何でもアリだもん。

 

…エレジアを滅ぼしたのはシャンクスじゃない、別のナニカ…そしてソレは…わたし、だよね?」

 

と、見守るシャンクスの横でウタは悲しげに、だが確信をもって言うのだった。

 

獣の王の力を手に入れ変貌体となったクリーク、獣の王なのでミンク族の特殊な能力や劇場版ボスのような能力はありますか?

  • 高熱"劇場版ボス"
  • エレクトロとスーロン
  • エレクトロだけ。
  • 肉体や覇気の強化のみ。
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