そうして諸々を終えようやく軍艦内の執務室にてようやく一息つくことができた。
「おじさまお疲れ様、コーヒー飲む?」
「あぁ、ありがとうロビン 」
周りには誰もいないので偽名ではなく名前で呼ぶと何が嬉しいのか軽く笑みを浮かべコーヒーを入れるロビン 。
取り敢えず椅子に座り珀鉛病の治療について考える、専門的な治療についてはトラファルガー医師になんとか考えてもらうとして此方は未来知識を元に出来そうな事を考えるか。
まずはオペオペの実の力で物理的に取り除く、これはオペオペの実が現在何処にあるかわからない為一旦保留。
次に治療出来そうな人間に協力を依頼する、これはベガパンクやDr.くれは、医療大国と名高いドラムの医師達だな。
ついでにDr.インディゴにも協力を要請するか、あの人は植物学が専門だが何かの役に立つかもしれない。
取り敢えず話すだけ話すとして次にホビホビの実にて患者をおもちゃに変え病の進行を止める、これはいい案だと思ったのだがよく考えたら患者達の事を忘れてしまう可能性があるんだよなぁ…
ついでに言うとこれもホビホビの実が何処にあるかわからんしな。
そして最初は名案だと思った身体の時を12年戻すモドモドの実。
症状悪化前に戻してしまえば治療方法が発見されるまでの時間稼ぎにはいいと思ったのだが…
12歳以下の人間に能力を使うと存在が消えてしまう為大人はともかく子供には使用できないという事になってしまうのだ。
時間を戻すのはいい考えだと思ったんだがなぁ…あるとすれば時間を操れるトキトキの実とか?原作では聞いた事ないけど。(クリークの原作知識はワノ国前で止まってます)
なんか良い方法無いかなぁ?時間を止める…遅らせる…
ん?時間を遅らせる?
「そうか!!!ハートオブゴールドがあった!!」
と、かつて生まれる前に見た記憶の残滓を思い出したのだった。
「どうしたのおじさま?急に大声出したらびっくりするじゃない」
両手にマグカップを持ったまま目を見開いて言うロビンに対し
「あぁすまない、びっくりさせてしまったな。
ロビン 、ちょっと聞きたいんだがアルケミって知ってるか?とある島の名前なんだが…」
そう聞くとロビンは机の上に持っていたマグカップを置き
「アルケミアルケミ…どっかで見たような…ちょっと待ってねおじさま」
そう言って壁一面の本棚の方に行くとしばらく見渡し一冊の本を持って戻ってきた。
"国名大全"と背表紙に書かれた茶色の皮の分厚い本をぱらぱらとめくり
「アルケミ…あった、錬金術…今で言う金属研究が盛んだった島ね。
かつて南の海に存在、今から約200年程前に何らかの要因により島ごと消滅…?何があったのかしら。
ええっと、そして"ピュアゴールド"の精製に成功したという伝説がある事で有名…"ピュアゴールド"って何かしら?」
そうしてまた本棚に行き今度は古そうな"錬金術について"と書かれた青い色の本を持ってきてパラパラとめくる
「ええっと…あった、"ピュアゴールド"、かつてアルケミにて作られた事のある金属でいわく"世界を買い取れるほどの莫大な価値"いわく"錬金術の極地"いわく"伝説の金属"…本当にこんなものあるのかな?
具体的にどういう風に価値があるかわからないし眉唾物っぽいけど…」
そう言って顎に指を当て考え込むロビンに対し
「その"ピュアゴールド"眉唾物じゃなくちゃんと存在するぞ?」
「え?存在するの?」
「ははは、知りたいか?」
「ちょっと待って、もうちょっと調べてみてわからなかったら教えて?」
そう言って本棚の方に向かい何冊かの本を待ってきて調べ始めたロビン を見ながら考える
"ピュアゴールド"
それは人工的に作られた金属でその金属から発せられる光はなんと"成長をほぼほぼ停滞させる事ができる"という極めて特殊かつ破格の効果を待つ。
オペオペの実の"不老手術"の様に完全な不老ではないらしいがほぼそれに近い効果を持ち劇中では見た目6歳にして御年206歳のロリババアが出てきたほどであるから不老と言っても差し支え無いであろう。
因みにこのロリババアは約200年前当時不治の病を患っておりその病気の進行を止めるために父親が"ピュアゴールド"を精製したがそれを知った欲深い者達や海賊によって島は襲撃され少女の母親は死亡、更にダメ押しとして"ピュアゴールド"が大好物な超巨大アンコウ、通称ボンボリ様によって島ごと食べられてジエンド、これがアルケミ島消失の真相である。
とりあえず今後の動きとしてはまず避難民をファウス島に移送、要塞の一部を使用させてもらい仮設の治療所をなりなんなりを作る。
次に海賊船医達こと医療班とトラファルガー医師、それから可能で有れば他の医師達に治療法を探してもらいこちらはピュアゴールドの確保。
ピュアゴールドを確保してしまえば急場は凌げるだろうからそのままトラファルガー医師には治療方法を探してもらう。
最終手段としてはオペオペの実を使っての治療であるがオペオペの実を探すにしろローがオペオペの実の能力者になるのを待つにしろ手に入るまでは時間がかかるだろうしあの能力は体力を著しく消費する為一度に避難民全員の治療は無理、どの道時間稼ぎは必須であろう。
ただ問題がない訳ではない。
「うーん、やっぱここにある本だけじゃ殆どわからないなぁ…
"200年前に忽然と消えた伝説の島"、"金属学者ミスキナ・アシエ"、そして彼が生み出したと言われる"ピュアゴールド"
曰く"暗闇の中でも光り輝いていて世界を買い取れるほどの莫大な価値があると言われている"そしてもう1つ"しかしそれを手にした者は身を滅ぼしてきたと言われる"…
今ある範囲でわかったのはこれくらいかな?さてと、じゃあおじさまが知ってる事教えてもらえる?」
流石に諦めた様子でロビンは机の上に色々本を開いたまま聞いてきたのでフレバンスの状況、白鉛病の事、そしてその治療計画の為のピュアゴールドの真価や島喰いである超巨大アンコウことボンボリ様の事を話した。
勿論極秘情報だから絶対に他者に漏らしてはいけないよ?と忠告もしておいたが。
「成長の停滞…確かにそんなものがあれば世界はひっくり返るよねぇ…
ところでおじさまはそのピュアゴールドを探す気みたいだけどそのボンボリ様って何処にいるの?」
…問題はそれである
ピュアゴールドがアルケミにあるのは確定しているのだがそのアルケミを腹の中に収めるボンボリ様の居場所が分からないのだ。劇中ではごく小さなピュアゴールドのカケラでボンボリ様をおびき出したが今現在そんな物は手元に無く劇中で使ったカケラは今はまだまだおそらくボンボリ様の腹の中にいるであろう少女が所持している。
劇中ではその少女がひょんな事でボンボリ様の腹の中から脱出したからこそ出来た手であり今の俺には不可能…ならば探すしか無いだろう、あんまり時間をかけまくるわけにはいかないが幸いにも今の身分は結構偉いので色々と権限はあるから有効利用させてもらおう。
「ロビン、頼みがある」
「あらおじさま、何かしら?」
「海軍書庫の閲覧許可をなんとかしてねじ込むから東西南北の海とグランドライン、それらの海域で共通する話を探し出して欲しい。
それらの海域で共通してなくても超巨大アンコウの情報を見つけたら教えてくれ。
だが俺の予想が正しければボンボリ様はこの5つの海域を長い時間をかけて回遊している筈だ」
「そうね、そんな特性を持つ生物が一か所にとどまってるとは考え辛いわ。
でも海軍書庫の閲覧許可って一応機密扱いじゃないかしら?」
「まぁ将官以上の承認が必要だな。
しかし本人しか使えないわけじゃなくて許可を得れば海軍関係者なら利用は可能だ、ロビンは一応民間協力者の民俗学博士"ニコラ・オリヴィエ"だから大丈夫だ。
それに俺は頭使うのが苦手だからな、その点ロビンなら安心してまかせられる、もちろん何かあっても大丈夫なようにシグマにもついて貰うから安心しろ」
「…わかったわ私にまかせてちょうだい、でも護衛がシグマって事はおじさまは別行動かしら?」
「あぁ、俺はこの件に関してまずDr.インディゴに協力を頼むのに合わせて他の医師達にも協力を仰がねばならんからな。」
そうして話し合いを終え開けて翌朝、ローの捜索の期限が来た為捜索は打ち切り、トラファルガー医師は涙を浮かべながら苦渋の決断を下しジョナサン、リュードー両大佐と共に4隻の船でファウス島は出航、こちらは王族を送り届けるという面倒な任務があるためマリージョアへ向かった。
"ハートオブゴールド" 劇場版ワンピースfilm GOLDの前日譚となる公開直前記念のアニメオリジナルです
劇中で登場したピュアゴールドを利用します、ただそれを持っているぼんぼり様の居場所が問題の模様
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
-
麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
-
クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
-
二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)