毎月10、20、30日の投稿ですがちょっと地震のお片付け諸々がありますのでしばらくお休みします。
バルコニーの外、建設途中の大天劇場から宴の笑い声が絶え間なく響いていた。
酒瓶がぶつかる音に歌声や笑い声、赤髪海賊団や海兵達、グラン・ステラの面々がトットムジカの討伐を祝い、費用を全部テゾーロがもつという事もあってか、各勢力の垣根を越えて酒を酌み交わしていた。
その喧騒を眼下に見下ろすバルコニーに、シャンクスとウタだけが並んで夜空を見上げていた。
「…静かだね」
「まぁ向こうはうるさいがな」
2人揃って万天の星空を見上げながらシャンクスが苦笑し
「ふふっ」
つられるようにウタも小さく笑い、そのまましばらく二人は何も話さず、宴の音だけが遠くで続いていた。
やがて、ぽつりと口を開いたのはウタ。
「ねぇシャンクス」
ウタは考えていた、自分がこれから先どうするべきか。
「どうした?」
「ごめんね、わたしやっぱり船にはまだ乗れない」
バルコニーに腰掛けて夜空を眺めるウタの口から出たのはそんな一言であった。
魔王、呪歌、ふれえざるものなどのいくつもの異名で呼ばれたトットムジカはテゾーロやクリーク、シャンクスといった有志達により討伐がなされ、これで何の問題もなくエレジアは復興ができるであろう。
そしてウタはウタの答えは自らの先行き、赤髪海賊団の音楽家としてのウタとステラ・プロダクションの歌姫としてのウタ。
「わたしはね、世界中の人に歌を届けたい」
「…そうか」
真っ直ぐにこちらを見つめる視線に応えるようにシャンクスもウタの言葉を受け止める。
「わたしのとこにスカウトに来た時にしゃちょーが言ってたんだ、世界中にエンターテイメントを届けたいって」
ウタが思い出すのは自分の前に現れ、自らの夢を語り、最終的に二回り以上年下の小娘に頭を下げ、紆余曲折あって自身のスポンサーとなった男の姿。
「それでわたしも思ったんだ、泣いてる人も、苦しんでる人も、戦ってる人も…
みんながわたしの歌を聴けるようなそんな世界を…それが今のわたしの夢。
だからごめん、わたしはシャンクス達の元には戻れない」
ウタの言葉にシャンクスはクリークの手引きでエレジアに来てからのウタを思い出す。
「…仲間も、友達も出来たみたいだな」
小さい頃から赤髪海賊団の音楽家になるんだと息巻いて、ルフィともいつも勝負だなんだとじゃれ合い、そして自分達が手放してしまった少女は、今一度志を共にする仲間や、同じく歌姫やマネージャーである友人達に囲まれて昔見た笑顔を浮かべていた。
ならば一度手を離してしまった自分達がその手を再びとろうとするのは些か過ぎたものであろう。
「うん…でもね、いまわたしがここにいるのはシャンクス達のおかげ…わたしは赤髪海賊団の音楽家だよ」
「うん?」
少しだけ笑って言うウタの言葉にシャンクスが疑問符を受かべるも
「わたしは今までもこれからも、赤髪海賊団の音楽家。
ただ、活動場所が船の上から世界中のステージに変わるだけだよ」
「ふっ、ずいぶんスケールのでかい出向だな」
瓦礫から立ち上がり胸をはって大きく手を広げるウタにシャンクスは
「でしょ?わたしの歌を世界に響かせる…わたしは世界の歌姫になるよ」
「…お前はいつも楽しそうに歌ってたな」
「うん」
「船の連中もルフィもいつもうるさかった」
「それはシャンクスもでしょ?」
「違いない」
2人は短く笑い、シャンクスはゆっくりとウタの頭に手を置いた。
「ウタ、お前の歌は誰のものでもない。
俺のものでも、赤髪海賊団のものでも…お前が歌いたい相手のために歌え、それがお前の歌だ。」
ウタの瞳が潤み、唇を噛みむ事で堪える。
「お前の歌はお前のものだ。
例えおれたちの船の上で歌おうが、世界の舞台で歌おうが、お前が歌ってる限りお前は俺たちの音楽家だ」
「…うん!」
優しく笑って言うシャンクスの言葉に溢れ出そうになる涙を堪え頷く。
「おいおい、世界の歌姫がみっともない泣き顔で別れるつもりか?」
「そ、そんな事ないもん!!」
慌ててぐしぐしと袖で目元を擦り軽く深呼吸を行うウタをシャンクスは見守る。
思い返せば十数年以上前の話だ、宝箱の中にいたウタを育て、そして共に船に乗せて、そして数年前の災禍で自分達が手放してしまった自分たちの"娘"を
「じゃあねシャンクス…じゃなくて"船長"!世界の歌姫になったらまた船に乗せてね?」
「当然だ、赤髪海賊団の音楽家はただ1人…その時には世界一の歌をおれ達に聴かせてくれ」
満面の笑顔で言うウタにシャンクスも笑顔でそう返す。
大事な"娘"の門出である、湿っぽくしたくは無い。
"赤髪の娘"となると、多少厄介な事になるかもしれないが預ける相手は世界政府にも海軍にも強い影響力をもつ"黄金帝"グラン・テゾーロに、何かあった時のために海軍大将でもあり友人でもある"鈍熊"クリークである。
例え懸念している"フィガーランド家"が出張ってきたとて、彼等になら任せられるだろうし、いざとなれば自分も動く。
そう決意しながら去っていく背中を見つめるシャンクスに声がかけられた。
「良かったのか?」
「構わないさ、お前も言ってただろ?おれ達はあの時、あの子の手を離したんだ…今更手をとれるものかよ」
背中の海軍コートに刻まれるのは赤い鴎の海軍マーク、大柄な巨漢に返すシャンクスの言葉はどこか自嘲めいていた。
「まぁ、テゾーロもステラさんもウタの嬢ちゃんには太鼓判を押していた。
ライブも盛況だったし、ここ最近ファンも一気に増えている…本当に世界の歌姫になっちまうかもな」
「当たり前だ、なんたっておれ達"赤髪海賊団"の娘だからな」
「言ってくれるじゃないか…まぁ三拍子も四拍子も揃ってりゃそうなるかもな…変なのが湧いて来なけりゃいいが」
「そこは当然海軍やグラン・ステラが守ってくれるんだろう?"色々と"厄介なのが来るかもしれんが」
「厄介なのねぇ、まぁ任せとけ…例え相手がファンだろう四皇だろうが彼女の身柄はきちんと守るさ」
「その程度ならいいがな…それよりもちょうどお前に聞いときたい事があったんだ。
だいたい9年前の話なんだが…クリーク、お前何かやったか?」
シャンクスのとても曖昧な質問にクリークは首を軽く傾げるのだった。
獣の王の力を手に入れ変貌体となったクリーク、獣の王なのでミンク族の特殊な能力や劇場版ボスのような能力はありますか?
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高熱"劇場版ボス"
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エレクトロとスーロン
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エレクトロだけ。
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肉体や覇気の強化のみ。