起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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シャチの魚人は劇場版で出てきたウィリーです、劇中では懸賞金2000万ベリー


竜宮王族 ドンクリークさん

迎えが来て部下達と共にこのリュウグウ王国の王城である竜宮城へ。

 

魚人島本島と竜宮城があるシャボンは別れており唯一の通路である"連絡廊"を貸切の巨大なお魚バスにて抜け次の"総門"を抜けるとそこにあるのは色とりどりに存在を主張する独特な意匠を持つ大きな城。

 

初めて見るその姿に口から漏れるのは感嘆のため息ばかり。

 

王宮の総門である"御門"を抜ければそこは既に竜宮城城内、全員シャボンを纏いバスを降りてそのまま案内されたのは大きな広間、既に食事が用意されており更にクリークとロビンはその広間を見下ろせるテラスのような席に通された。

 

「海兵の諸君!よく来てくれた!!わしがこの国の王、ネプチューンじゃもん!!」

 

「みなさん!地上からわざわざこんな深海までご苦労様です、今回は色々と我がリュウグウ王国が誇る名物を用意してますので皆さん楽しんでいってくださいね!」

 

少しすると中空にてシャボンを纏いふわふわと浮かびながら大柄な人魚とそれに比べると小柄な人魚の二人。

 

この国の王であるネプチューン王とその妻、オトヒメ王妃である。

 

二人の挨拶を聞きつつこの国に来てから集めた情報を思い出す。

 

ネプチューン王、深海に存在する魚人島リュウグウ王国の国王でありシーラカンスの人魚でもある、てっきり鯨の人魚だと思ってたが…

 

かつては騎士として王国を侵略者から守っていたかなりの武闘派であり"海の大騎士"の異名をとっていたらしい。なるほど、たしかにとても大きな体の持ち主であり屈強な逆三角形の体格に赤毛の長髪と髭を蓄えた威風堂々とした外見である。

 

まぁとは言え昔の話であり今は温厚で思慮深い仁君であるらしいが。

 

そして特筆すべきは電伝虫で挨拶した時に本人も言っていたが"旧四皇"(現在は三大海賊)でありかの大海賊“白ひげ”と交流があるらしくその縁のお陰でリュウグウ王国は白ひげの縄張りとなっている…らしい。

 

ここが白ひげの縄張りになってから魚人や人魚を拐う者は激減したが未だにごくごく偶に誘拐未遂や行方不明が発生するとの事。まぁ人魚、特に30歳以下の若い女性の人魚は他と比べても破格で取引されており白ひげに目をつけられる愚を犯してでも拐おうとする輩が現れるのは無理もないが…

 

というか縄張りになってるんなら人攫いとかが現れないようにちゃんと管理せぇよ、と愚痴りたくなるがそこは置いといて次。

 

そして王妃であるオトヒメ、リュウグウ王国王妃であり金魚の人魚…メダカの人魚とかもいるしつっこまないでおこう。

魚人に対する差別を解決する事を悲願としており現在は国民にリュウグウ王国を海上に移設する、という計画への署名を集めておりよく城下に降りてきては演説する姿が見受けられるとの事。

 

とても体が弱いらしいがそうであっても自己犠牲も厭わず他者を助けようとする精神から国民に非常に愛されている人物であるらしい。

 

そして俺だけが知ってる情報ではあるが具体的な時期が不明であるがホーディ・ジョーンズがリュウグウ王国の兵士をやっている時&ジンベエの七武海加入後の時期にホーディの策略により暗殺されるというものである。

 

この二人の他に息子が三人と娘が一人、この娘というのがかの人魚姫だろうな。

 

集め情報を脳裏につらつらと思い出しながら海獣の肉や新鮮な貝類、海藻や魚人島で作られたお菓子などここリュウグウ王国の地物にロビンと二人で舌鼓を打っていたところネプチューン王、オトヒメ王妃の二人がやってきて席についた。

 

「今日はこのような場を開いていただきありがとうございます」

 

「ほっほっほ、気にしないでいいんじゃもん!そしてわしがネプチューンじゃもん、顔を合わせるのは初めてじゃのうクリーク少将」

 

「えぇ私たちから心ばかりの催しですよ、私は妻のオトヒメと申します、今回は楽しんで行ってくださいね。」

 

そういえば電伝虫で話はしたがこうやって顔を合わせて話すのは初めてだったな。

 

「どうも、海軍本部少将のクリークです。こっちは私の協力者で優秀な学者であるニコラ・オリヴィエ」

 

その言葉にロビンがペコリと頭を下げる。

 

「さて、まずはお主らが言っていた事からじゃの。

 

お主らのいう巨大チョウチンアンコウじゃがこやつは数年に一度グランドライン前半部から後半部へ、そしてまた数年の後に後半部から前半部へと移動するのが見られる、前回は4年程前に見られておるから運が良ければ数週間で遭遇できるじゃろう」

 

おぉ運が良かった、ここがダメだったら広い海を探し回る羽目になるところだったから助かったな。

 

「なるほど、わざわざ調べていただきありがとうございます。

 

とりあえずその巨大アンコウに用がありますのでこちらに数週間程滞在させてもらっても?」

 

「うむ!構わないんじゃもん、お主達の話は国民の者達から聞いておるんじゃもん、国民に無体を働く輩を捕縛したり魚人街の荒くれ者達を抑えたりとな!」

 

「えぇ、とてもよく動いてくださってるようで感謝しますわ。そうだ、よろしければ今度子供達にも会ってやって下さいな、地上のお話を聞かせてあげてくれませんか?」

 

「なるほど、私なんかの話でよろしければ喜んで。

 

そういえばオトヒメ王妃におかれましては魚人達の地上への進出…というかリュウグウ王国の地上への移設を希望して署名運動をしているとか」

 

「…やはり海軍の方はこの署名運動には反対ですか?」

 

表情を曇らせてそう聞くオトヒメ

 

「まぁ海軍が反対…というわけではないですが個人的にはいい事だと思いますよ?ただ…」

 

「ただ?」

 

「フィッシャー・タイガーによる奴隷解放」

 

そう言うと僅かにたじろぐ二人

 

「彼のやった襲撃でこの国は立場が悪くなっており来年開催予定だった"世界会議(レヴェリー)"には参加できないでしょう、来年どころかここ暫くは。

 

いえ、個人的には彼に対しとやかく言うつもりはありませんよ?ここだけの話個人的に世界政府というか天竜人に対していい感情を持ってませんし。

 

ただ私が言いたいのは署名だけでは難しいでしょうから何かもう一つ別の手も打っておいた方がいいのでは?という話です」

 

その言葉に顔を曇らせる二人、…言いすぎてしまったかな。

 

しかしそれ程までに魚人達と人間の間には深い溝があるのだ、この国が世界政府加盟国でありいくら署名を集めたとは言え地上に出てくれば白ひげがここをナワバリ宣言する前と同じ事態になりかねない、誰かの保護を受けなければこの国はあっという間に強欲な者達の餌食となってしまうだろう…

 

その後も暫くこの国の事や魚人街についてなど色々と話を聞き眼下の大広間にて騒ぐ部下達に頭を抱えてると"よかったら泊まっていかれては?"との言葉を受け甘えさせてもらう事にした。

 

 

割り当てられた部屋を抜け出しバルコニーにて考え事をしていると

 

「む?クリーク殿寝れないんじゃもん?」

 

との声、振り返ればそこにいたのは酒瓶を手に持ったネプチューンの姿があった。

 

「陛下こそこんな夜遅くにどうされたので?」

 

「わしは晩酌なんじゃもん、良ければ付き合わんか?」

 

"わたしでよければ"と言うと侍従を呼びツマミとグラスを持ってこさせるネプチューン。薫製の貝をツマミに色々とこの国について話しながら飲んでいたところでふと思い出す。

 

「そういえば陛下は"古代兵器"についてご存知ですか?」

 

「む?まぁ名前ぐらいは知っておるんじゃもん、これでも一応一国の王なんじゃもん」

 

「わたしも全て知っている訳ではないですが神の名を冠する3つの古代兵器"プルトン"、"ウラヌス"そして"ポセイドン"…」

 

真面目な話だと推察したのかネプチューンの目つきが鋭くなる

 

「何の為に存在するか分からぬが遠い昔に実在したこの世界を滅ぼせる程の力を持った兵器じゃもん、それがどうかしたのか?」

 

「古代兵器"ポセイドン"の正体は"海王類を動かす力"である」

 

そう言うとネプチューンは驚いたように目を見開いた

 

「お主!どこでそれを…」

 

「いえいえ、ただ気になって色々と調べただけですよ。

 

いやぁ、流石に800年以上も前、空白の100年の間の事とあっては調べるのに苦労しましたが…」

 

「む…まぁ良いお主の言う通りなんじゃもん、"ポセイドン"は海王類を動かす力…わしら風に言えば海王類と話ができる力なんじゃもん

 

わしら魚人や人魚は海に棲む者達と話ができる、じゃが大半の者は魚達ぐらいとしか話は出来ず相手の体が大きい程話はできぬ、現にクジラと話せるのはわしくらいであり海王類と話せるのは歴史上ただ一人、その"ポセイドン"だけなんじゃもん」

 

「当時の人魚姫ですね、まぁこれから先現れないとも限りませんが…」

 

「その力を持って生まれてくるのが男なのか女なのか、人魚なのか魚人なのかはわからないじゃもん。まだまだ先の話じゃ」

 

「空白の100年当時の人魚姫が"ポセイドン"だったのなら"王族"であり"人魚"に発現する可能性は高いでしょうね、…例えば貴方の子供達、その末っ娘とか」

 

「…ほっほっほ、ありえないんじゃもん。確かにポセイドンの話は伝わっておる、じゃがそうは言っても伝説なんじゃもん。

 

ここ数百年その力を持つ者は生まれておらん、その力の真偽はわからないんじゃもん」

 

…まぁそうだよな、この時はしらうお(しらほし)はその力に目覚めてないからそうなるよなぁ

 

「…まぁ心の片隅にだけ留めおいてください、でももし万が一そんな能力があれば世界中が欲しがるでしょうねぇ」

 

「そうじゃな、もしそんな力があれば政府も海賊もあらゆる勢力が手中に収めようとするんじゃもん」

 

 

「…長々と話に付き合わせて申し訳ない、美味い酒とツマミありがとうございます、私はここでお暇させていただきますね」

 

「うむ、わしこそ晩酌に付き合わせてすまんじゃもん。

 

そうそう、こちらに滞在するというのであれば貸しておる部屋は自由に使ってもらって構わないんじゃもん」

 

「重ね重ねありがとうございます、ではお言葉に甘えさせてもらいます」

 

ま、そんな簡単にはいかないよな。

 

 

 

 




調べるまで知らなかったがオトヒメって金魚の人魚だったね、スカート履いてる女魚人だと思ってた

三つの古代兵器のうちウラヌスがわかんないんだよなぁ

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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