物騒な感じの入り口の文を読んだ為警戒しながら石造りの通路を進み暫くすればとても開けた空間に出た。
下に降りる階段の先はこれまた石造りの部屋になっており天井は高くその部屋の中心には不釣り合いなパイプオルガンと壁からは水…?が流れ出しており階段とパイプオルガンがある場所以外はそれで満たされていた。
「…見た感じこれはぼんぼり様の胃液だわさ、本来だったら海水だろうけど外がぼんぼり様の胃の中だからねぇ」
「潜りゃあなんかあるとも思ったがそれも厳しいか、真面目に謎を解けってことだな」
「あら?ここにも何か書いてあるわね、えーと"正しき音を奏でる者、心清き者だけが輝く金に近づける"…」
「どういった意味さね?」
「まぁあのオルガンに楽譜があるようだし多分それ通りに弾いてみせろって事だろうな…ロビンか嬢ちゃんはオルガン弾けるか?」
「ごめんなさいおじさま…オルガンは扱ったことないかな…」
「アタシがそんなの弾けるように見えるかい?」
「だよなぁ…まぁ譜面見ながらなら俺でも弾けるだろ、二人ともここで待っててくれ、何があるかわからねぇからな」
そう言ってロビンとオルガを階段の上に残して一人オルガンの前にやってくると椅子に座り楽譜を確認する
「…おいおいおい、これどうしろってんだよ」
楽譜の最初は問題ないが問題は後半、長い年月の所為か後半の譜面がかすんでおり極めつけに最後の部分が破れていると言う状態だったのだ
とりあえず仕方ないから弾いてみるかと身を屈めて譜面と鍵盤を交互に確認しつつ両手の人差し指で一つづつしっかりと確認しながら弾いていく
「遅過ぎてよくわからないけどひょっとしてこの曲…」
「おじさま、やっぱり私が弾こうか?おじさまの体格的に結構厳しいとおもうのだけど…」
そんな声を聞きながら交互に人差し指を動かしとても時間をかけながらわかるとこまで弾いたがそこで手が止まる
さて問題はここからだな、多分これだろうと思って演奏?を再開するも暫くしたところで
ヒュンッ!と聞こえる風切り音
「おじさま!危ない!」
「クリーク!危ないだわさ!」
その風切り音と共に壁の左右から打ち出されたのは矢の雨
「うおっ!間違えたら矢が飛んでくる仕掛けか!!」
そう判断し全身に力を込めればまるで金属にでも当たったかのような音をたてて弾かれる複数の矢
ものの数秒で矢は途切れるが全くもって心臓に悪い、とりあえず一時撤退すべきと考え楽譜を持ってロビンとオルガのいる階段上へ。
「アンタはビックリ人間かい!?さっき空も飛んでたし今度は矢を弾き返しちまうなんてやっぱり能力者ってやつかい?」
「おじさま…とても…とっても心臓に悪いのだけれど…」
鍛え抜かれた肉体による、そんじょそこらの鉄塊よりも強固な鉄塊である。…お陰で注射が嫌いなので無意識に力が入る為か医者に文句をつけられたが。
「とりあえず危ないから二人共階段から降りないようにな?それから戻ってきた理由なんだが…」
そう言って楽譜を二人に開いて見せる。
「後半がわからないわね…」
「ふむ…でもさっきアンタが弾いてたのを聞く限り多分アタシが知ってる曲だわさ。
遅過ぎて最初はわからなかったけど」
「ぐ…仕方ないだろ、俺は音楽家じゃないから鍵盤を一個づつ確実に押す事くらいしかできねぇ」
「まぁちょっと歌って見せるだわさ」
そう言ってオルガは先程弾いたのと同じようなメロディーで歌い出した。
透き通った声で歌われるその歌は成る程子守唄であろう、なるほど優しい感じの歌だな。
「と、こんなもんさね弾けそうかい?」
先程のメロディーを頭の中で反芻し…
「おじさま、これでどうかしら?」
そう言ってロビンは一枚の紙を渡してきた、そこには読めなかった部分が手書きで書かれており
「おぉ!これで問題無いな、助かったぞロビン!」
「弾けはしないけど耳はいいのよ、間違っている部分もあるかもしれないから気をつけてね?」
楽譜とロビンから渡された紙を持って再びオルガンの元へ。
その後何度か間違ったところを矢を受けながら修正しつつ一曲を弾き上げるとガコンッ!と何処か音がしてゆっくりと周囲の壁から流れ出し地面にも満ちていたぼんぼり様の胃液がゆっくりと引いていく
「ヒッヒッヒ、正解みたいさね。でも、この罠を作ったのがクソ親父ならなんでアタシが好きな曲をわざわざ…」
微かな疑問を抱くオルガに答える者は居なかったが何はともあれ隠されていた次への道があらわれたのだった。
そして第一の部屋を抜け石造りの通路を歩いていけば再び開けた場所に、最初の部屋とは違いこちらはいかにも洞窟内といった感じでこちら側と対岸の間は深い渓谷になっている。
それぞれ切り立った崖になっておりその更に下にはおそらくぼんぼり様の胃酸であろうものが流れているのでそのままでは渡れない様子であった。
「お、ここにもあるな。」
入り口を入ってすぐのところに碑文を見つけたのでロビンに伝えると
「あれ、という事は其々の場所にある感じかな?
えーと"輝く金を手に入れる者、優れた集中力と果敢なる勇気を合わせ持つ者なり、聖なる鷹を射抜き、橋を作るべし"…聖なる鷹ってあれの事かしら?」
そう言ってロビンが指差した方を見ればいかにもと言った感じに反対側の崖に跳ね橋がありその上にはトリをモチーフとしたであろう的があった。
「こりゃあ多分的を射抜けば橋が倒れてくる仕組みだわさ、まぁ道が途切れてるから他に方法は無いさね」
「まぁ下はぼんぼり様の胃液みたいだし跳ね橋を下ろして渡った方が無難だろうな、二人共ちょっとここで待っててくれ」
そう言ってロビンとオルガの二人を入り口近くで待たせておき一人だけ階段の下に降り立つ。
どうも先程から見えてた石で縁取りされた洞窟が怪しかったので様子見とばかりに一人で降りてきたが…
そう考えながらゆっくりとそちらに近づいていけば
「…ほらね、絶対なんかあると思った。」
洞窟から出てきたのは三本角を持つ四足の恐竜、たしか突進力が強いんだったか?なんて豆知識を思い出すも時既に遅し、相手は前足でガツガツと地面を打ち付けると吠え声を上げながらこちらに向かって真っ直ぐに突進してきた。
鉄塊かけて受け止めても良かったがここは気絶でもさせて置いた方がよかろうとサラリとギリギリで避けると相手が横を通り抜ける途中で背中から腹部に両手を回しそのまま抱え上げ
「そらぁぁぁぁぁあ!!!」
そのまま相手を抱きかかえた状態でブリッジ!!哀れ三本角の恐竜は頭から地面に叩きこまれこちら側の衝撃と自身の体重をモロにくらい口から泡をふいていた。
「…ロビン、あれも能力者ってやつなのかい?」
「あれはおじさまの普通よ、オルガは真似はしないでね?」
「あんなビックリ人間と一緒にしないで欲しいだわさ…」
何か聞こえるがとりあえず無視、取り敢えず邪魔者はいなくなったのでさっさと的を射抜いてしまえばよかろうと考え腰のホルスターから取り出すのは一丁の大型拳銃。
"ベアコング・改"
あれはまだ海軍少尉だった頃、初めて倒した能力待ちだった敵のベアキングから貰った(奪った)銃を改良を重ねた上で運用、更にそこから色々と改造を施したのがこの"ベアコング・改"である。
威力は高く何より拳銃()なのに連射ができるのが良い点だ。その分装填には時間がかかる上に拳銃と言いつつも一般の人間にとってはかなり大きく反動も大きいのが玉に瑕であるが。
スッと片手でグリップを持ち反対の手はグリップの下に添え足は肩幅、腕は外向きに軽く曲げる。
そのままガォン!ガォン!ガォン!ガォン!ガォン!ガォン!ガォン!!と装填していた弾を全部撃ちきる、射撃が苦手でも"下手な鉄砲数撃ちゃ当たる"って言葉もあるからな!
「おじさま…」
「なんだい!あんだけ撃っといて一発も当たってないどころかかすりもしてないじゃないかい!」
ほっとけ!遠距離は投擲も射撃も苦手なんだよ!!
「嵐脚・辻風ぇっ!!(つじかぜ)」
とりあえず誤魔化す為に左右の脚で十字状の飛ぶ斬撃を繰り出し的を破壊する。
するとガコンッ!と何処かで音がしてキリキリキリキリと跳ね橋がゆっくりと下されこちら側とあちら側に橋がかかった。
「よーし二人共降りてきていいぞー!」
「ほんとビックリ人間だねぇ、今のはどうやったのさね」
「足を振って衝撃波を出して破壊したのよ、外の人は出来る人は多いわね」
おいロビン嘘を教えるな…いや、あながちウソというわけでも無いか?飛ぶ斬撃なんて珍しくないしな。
橋を渡っている途中で翼竜の強襲があったがロビンの
「トレス・フルール…クラッチ!」
相手がどんなに速かろうと空を飛んでようと関係ないその能力にて両の脇腹と背中から生えたロビンの腕により翼と首を極められた翼竜は哀れにもそのまま胃酸の海に落ちていった。
「なんだい!あんたも能力者だったのかい!」
驚いた顔でそう言うオルガに"他の人には内緒でお願いね"と言うロビン。手配書のニコ・ロビンがハナハナの実の能力者である事は知られてるからな…
第一の関門、第二関門を続け様に突破、哀れ恐竜はバックドロップを食らった模様
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)