真庭語、続きでないかな
世界徴兵によって召集されたのは藤虎、緑牛など海軍本部大将以外にも本部中将や本部大佐などとして招集された者がいる。
そして彼もそんな世界徴兵によって召集された者の一人であった。
元・海軍の人間でありながら"とある事件"によって十数年前にインペルダウンに投獄されていたが2年前の集団脱獄に際して解放、事件が収束した後その足で新海軍元帥である赤犬ことサカズキ元帥の元まで出向き自らを海軍に戻してくれと泣いて頼み込んだそうである。
そして説得の甲斐あってかサカズキ元帥が戦力を欲しがった為か不明であるが海軍に復帰。
海軍本部中将 "廻転のクリーク"
そして彼には一つの噂があった。
曰く、平和主義者
彼の内面は慈愛に、彼の行動は情愛に、彼の目的は至愛に、とにかく彼は愛に満ちていた。
彼はよく周囲に洩らしている。
「人が何の為に生まれたか考えた事ありますか?」
彼の言うこの言葉は質問ではなく自問、故に答えも決まっているので相手の答えは聞かず続け様に言う
「それはこの世に平和と秩序をもたらす、それ以外の理由は有りませんし有り得ません。
争い事など実に下らないものです。
私が備えるこの力は世界に楽園を創造すべく天から与えられたものに違いないのです、もちろん私の能力だけではありませんよ?世界に散らばる悪魔の実と呼ばれる天からの贈り物、これらも皆楽園を作るべく使われるべきなんですよ。」
彼はよくそんな事を宣うが相手にする者は今はもう居なくなってしまった。
そんな愛に満ち、平和を愛する彼であったが欠点もあった。
「海軍は正義の集団です、進んで海賊や悪党を殲滅し常に誰かのために戦う、これが正義でなくてなんなのでしょう
わたしが聖者の前に軍人であるのは海軍こそが争いを治めようと行動する正義の体現者であるからです」
その思想によるものなのかは不明だが海軍の正義を盲信するきらいがあったのだ。
まぁ彼がどれほど例外だろうと彼がどんな性格でどんな思想を有していようと彼は海軍の絶対正義の体現者であるのだ。
たとえ誰一人として部下がついていかなかったとしても誰一人彼の思想に賛同しなかったとしても
彼は絶対正義、サカズキ元帥が掲げる徹底的な正義には相応しい男なのである。
そしてそんな彼に一つの命令が下された。
行き先はドレスローザ、任務は不穏分子の捕縛。
一応やりすぎるなよ?と釘を刺されるも
「やり過ぎ?何の事ですか?
私は私の思想に基づき正しく義にのっとり正義を実行するまでです。」
その言葉と共に彼はその辺にいた軍艦に飛び乗り怯える海兵達に先に出発した新大将藤虎や中将達を追うように指示を出して王下七武海が一人"天夜叉"ドンキホーテ・ドフラミンゴが王として君臨するドレスローザへと出航したのであった。
ドレスローザ
ドンキホーテ・ファミリー特別幹部 シュガー、彼女の能力"ホビホビの実"の力によっておもちゃとなっていた人間達が元に戻りドレスローザは大混乱に陥っていた。
海賊や海兵、世界政府の役人や各国の王族に猛獣といったこれまでおもちゃになっていた物がある者は暴れ出しあるものは外部に連絡を取ろうとしとしたいたさなかに国の中心地、王宮が大地ごと持ち上がり時を同じくしてドンキホーテ・ドフラミンゴの能力により国全体を白い柵が覆った。
これはドフラミンゴの能力"イトイトの実"の力によるもので彼はこれを"鳥カゴ"と呼んでいる。
これは長年練り込んだ強靭な糸を使用する為簡単には使えない技ではあるが一度発動してしまえばその力は強力無比、先ずは鋭い刃物の様に触れれば切れるし易々とは切断できない強靭な糸。
そして更に"寄生糸(パラサイト)"と呼ばれる技によって操られ周囲を攻撃する一般人達
そして極め付けにこの"鳥かご"は徐々に縮小し最終的には閉じ込めたものの全滅という恐ろしい技である。
そんな混乱の中彼の姿はあった。
長い紫の長髪に酷く痩せた体、その上に羽織るのはボロボロの海軍コートで武器の類は持ってないように見える。
そんな彼はドフラミンゴによって操られ暴れ回る海賊にスッと指を向ける
彼が指をくるり、と回せば指を向けられた海賊の頭がぐるりと回りゴキリ、と鈍い音が響く。
それに驚いたのは周囲である。
暴れていた海賊を止めようとしていた仲間の海賊は何の前触れもなく死んだ仲間の姿に。
クリークについてきていた部下はいきなり凶行に及んだ上官に。
逃げようとしていた市民はいきなりの惨劇に。
「クリーク中将!何を!?」
見張りとしてついてきていた大尉はクリークに問い詰めた
「何を?と言われましても…無駄な争いを止めただけですがそれが何か?」
そう言ってる間にも更に一人、くるりと回せばゴキリと首がまわる。
仲間の海賊はそのクリークという名前を聞き思い出す、確か海軍には平和主義者として知られるそんな名前の海兵がいた事を。
「おい!アンタ!何をしたんだ!止めると言っても他にいくらでもやりようがあっただろう!!」
彼はその言葉にも疑問を顔に浮かべながら首を傾げるとまた一人暴れてる海賊に指を向けくるり、と回す。
そしてぐるりと回る頭、ゴキリ、と響く音。
「てめぇ!やめろって言ってんだろ!!」
そう言って手近にいたいきなりの惨劇に呆然と佇む海兵を捕まえ首に剣を突きつけた。
既に二人も仲間を殺された海賊の男は思いだした。
平和主義者、海軍にあるまじき思想を持つ男。
能力者という噂はあれどどのような能力を使いどのような任務を果たしてきたか、その辺りは不明であるが彼が仲間を見殺しにできるような海兵ではないだろうと考えた。
そんな姿を見てクリークは言う。
「落ち着いて下さい、たしかに性急だったかもしれませんね。
しかし暴れ回る人間は多いです、時間をかければかけるほど無駄な争いは増えていきます。」
そう言ってクリークは再びスッと指をさし、くるり
それと共にぐるり、と回る人質となった海兵の頭。
「っ…てめぇ!!自分の仲間になんて事しやがる!!」
「え?人質に取られるような仲間などたとえ今ここで助けたとしてもまた人質となり無駄な争いを生むのは明白ですよ。
あぁ、仲間をこの手にかける事になるなんてなんと悲しい、しかし人質に取られるような海兵に生きてる価値はありません。
否、彼はもともと私の仲間では無かったのでしょう、むしろこうして無駄な争いを生んだという点においては同情の余地もない、この場で私に殺される事が彼らにできる唯一の正義だったのです。
だったらここできちんと殺しておくべきでしょう?」
不思議そうに聞くクリークを信じられない目で見る男
「なんだそりゃ!!貴様は平和主義者じゃあないのか!」
「平和主義者ですよ、だからこそわたしは平和のために、秩序のために労力も犠牲も厭いません。」
そう言って男に指を向ける。
「た、たすけ…命だけは…」
「これはなんと心外な、ご安心ください私は命だけしか奪いません」
そう言ってくるり…と指を回そうとしたところで
「おやめなさいまし、あっしもこれ以上は見過ごせやしやせん…」
その腕を一人の男が掴んで止めた。
短く刈られた頭に紫色の着物、その上には海軍コートを羽織っており手には仕込み杖。
何より彼は目の部分に傷跡が刻まれており彼が盲目である事を示していた。
「おや、これはこれは海軍大将の藤虎さんではないですか。
こうやって直接会うのは初めてですかね?」
確かにこうやって会うのは初めてである、まぁ自分がこの男のことを避けていたから当然ではあるが・・・と藤虎ことイッショウは思う。
噂には聞いていた、破綻していると、狂っていると。
しかし同じ海軍の仲間さえ手にかけるとは思わなかった、と自分の認識不足を嘆く。
「確かに会うのは初めてじゃありやすが色々噂は聞いとりやす、アンタさんは一体何を考えて殺しをやるんですかい、平和主義者っていうのは大嘘ですかい?」
「大嘘?何を言ってるのですか?
私の正義は"一殺千生"、紛う事なく世界から争いをなくす為にいるのですよ?」
「いっさつせんしょう…?」
聴き慣れない言葉に首を僅かに傾げる藤虎
「えぇ、一人殺して千人救う。
それが私の平和主義、例えばさっき私は四人殺しました。
つまりそれはさっき私は四千人を救ったということです。
あぁ、なんで晴れがましいのでしょう、また一歩理想は現実に近づきました。
このぶんなら私が現実主義者と呼ばれるのも遠くないことでしょう」
滅茶苦茶な理屈だと藤虎は思った。
殺されそうだった海賊の男もそう思ったのか
「な、なにいってんだこいつ!めちゃくちゃだ!」
そう言って男は恐怖からか手にしていたカトラスで斬りかかろうとしたが
「滅茶苦茶なのは世の中の方です、だから私は秩序を求めます」
そう言って男に指を向けくるり、と回す。
ゴキリ、と響く音を後ろに
「これで更に千人、まだ暴れてる人達がいるみたいですね…」
そう言って今度は手首ごとくるり、と回せば海賊、海兵、市民の区別なくドフラミンゴによって操られ暴れ回る者達のクビがまわる。
「更に千人、更に千人、更に千人、更に千人…最後に千人。
あぁ!なんと晴れがましい!!これで私は今日合計で1万人を救いました!代償として10名を殺してしまいましたが差し引き九千九百九十名を救いました…
代償となった十人には深い冥福を捧げましょう、あぁ悲しいですね…人の命を奪うというのは。
本当に悲しいですね悲しいですねとても悲しいですね人殺し…」
「クリーク中将!暴れとるもんには海賊も海兵も一般人もおりやす!!流石にやりすぎってもんじゃぁありゃあせんですかい!?」
あまりの惨劇に咄嗟に刀を抜き放とうとする藤虎だったがすんでの所で自制心を働かせる、海軍同士やりあって喜ぶのは海賊だけだからだ。
「落ち着いてください藤虎大将、私は一刻も早くこの無駄な争いを止めたいのです、考えても見てください私たちが争う理由なんてこの世のどこにもないでしょう?同じ海軍の仲間でしょう?」
その物言いに呆然とする藤虎であったがまだ操られて暴れ回る者達がいるこの場にこれ以上いさせるわけにはいかない、そう考え息を大きく吸い心を落ち着かせると
「…この件はサカさんに、元帥に報告さしてもらいやす。
それよりもアンタさんは王宮に向かってくだせぇ、そこに元凶であるドフラミンゴがいる以上奴を止めなければこの争いは続くでしょう。
奴を殺せば千人どころか万人を救えるとだけ言っておきやしょう」
その言葉に成る程、とクリークはうなずくと
「では私は万を救いましょう、では私はこれにて」
そう言って地面に指を向けくるくるくると回せば旋風がおきそれに乗ってクリークは宙へと飛び立った。
藤虎は思った、アレに言葉など通じない、アレに言葉など意味が無い。
"一殺千生"
その思想には驚くほど揺らぎがなく
その思想には轟くほど隙がない
狂っているが故に言葉は通じず狂ってる故に省みることも無い。
まわれ、まわれ、くるくるまわれ
狂い乱れて狂々まわれ
"廻転のクリーク"
別名“狂乱のクリーク"
フレバンスの惨劇を引き起こしフレバンスの国民数十万名を殺害した上で覚醒した能力により四方八方にハリケーンを発生させ更にそれを島に上陸させフレバンスだけでなく周辺国家を含む五国を壊滅に追いやった犯人である。
かつてより良い結末を目指して現実に敗れ去った男の壊れた姿であった。
グルグルの実の能力者にして覚醒者
よわよわメンタルだったので原作をより良い結果にしなきゃいけないという強迫観念に取り憑かれた挙句現実の前に心が壊れてしまったクリーク。
残ったのはまだまともだった頃に能力の参考にしようと頑張って練習していたキャラクターの言動のみ。
誰か寄り添う人間がいれば違ったかもしれない。
能力を用いた戦闘であれば主に空間に回転を発生させる(だいたいの人には)即死技の他に螺旋丸もどきなど回転をモチーフとした技を使う能力特化型
フレバンスの惨劇によりローから滅茶苦茶恨まれてる、因みに考え方もであるが能力的にルフィとは相性が良くない。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)