魚人島での成果を頭に入れつつこの後、地上に上がった後の作戦について書類にまとめていると
「クリーク、さっき船から放出してた木材はなにさね?」
いつのまにか艦長室に入り込んで色々とみて回っていたオルガが聞いてきた。
「あぁ、ありゃクウイゴスって言って簡単に言えば浮力がとても強い木材だ」
「ロープで繋がっていたでしょ?あれをシャボンから出す事によって船体を浮かせるのよ」
「うん?船は水に浮くもんじゃないのかい?」
そうかオルガはシャボンについて何も知らなかったな、と思いつつシャボンの特性について説明をする
「ふぅん、世の中にゃあ変テコなものもあるんだわさ」
「えぇ、だからコーティングされた船単体だと浮く事が出来ないから別の浮力が必要なのよ、浮き袋みたいなものね。
シャボンからこの浮き袋を出す個数によって浮き上がるスピードを調整するのよ?」
「へぇー、クリークもロビンもよく色々知ってるだわさ、アタシは南の海にいたからねぇ他の事は何にも知らないからねぇ」
感心したように言うオルガ、まぁシャボンやクウイゴスなどは南の海では見かける事などないだろうかそれも当然だろう。
それよりも一つ注意しておくべき事を思い出し
「そうだオルガ、一つ注意しておいてほしいん事があってロビンの名前についてなんだが・・・二人きりの時なんかは問題ないがな、一応ニコラ・オリヴィエという名前になってるから普段はこっちで呼ぶようにしてくれ」
「うん?なんだわさ偽名かなんかかい?」
「あぁ、実はロビンは無実の罪を着せられててな…」
そう言って引き出しに仕舞っていた一枚の手配書を見せる
「いちじゅうひゃく…うへぇ、3900万とはまた剛毅な事だわさ。
しかも写真を見るに今より幼いだわさ、どんな罪を着せられたさね?」
「古代兵器の研究及び島を一つ滅ぼしたというものさ、因みに当時10歳の事だ」
「ちょっと無理があるんじゃないかねぇ…?まぁ名前の事はわかったさね、誰かいる時はニコラなりオリヴィエなり呼ばせてもらうだわさ」
頼んだぞ、とオルガに伝え別件を片付ける為に電伝虫の受話器を取りセンゴク元帥に連絡をとる
『私だ』
「本部少将のクリークであります、現在魚人島を出立し地上に向かっている途中であります」
『ご苦労、頼んでおいた事は掴めたか?』
「はっ、頼まれていたタイヨウの海賊団の構成員ですがまずはそちらでも掴んでいる通りフィッシャー・タイガー。
元は冒険家で例のマリージョア襲撃事件の主犯でもある彼を中心に主だったメンバーとしては元・リュウグウ王国の兵士隊長を務めていたジンベエ
深海に来る海賊などをターゲットに魚人島周辺で海賊行為を行っていたアーロン一味
それからシャボンディ諸島で何回か見かけられていた人攫い屋のマクロ一味も合流しているようです。」
『ふむ、誰も彼も一筋縄ではいかなそうだな…了解した、詳しい件は後でこちらにレポートをよこしてくれ、後は引き続きこちらで捜査を続行する、お前はシャボンディの作戦が終了次第再び北の海へ向かってくれ』
「了解しました、それから島喰いに飲み込まれていた民間人を2名程発見しましたがどうしますか?」
『本人達が望むなら送り届けてやれ、別にお前の主導しているファウス島で働かせても構わん』
よし、言質はとった。
「ではこれにて失礼します」
そう言ってガチャリ、と受話器を置き司令室に今後の予定を伝えに席を立つのであった。
そして魚人島から地上へ帰還した次の日、クリークの姿はシャボンディ諸島、1番GRにあった。
「各班、状況知らせ」
『一班から五班準備完了』
『六班から十班移動完了です』
『十二班がまだ…十一から十五班、所定の位置に着きました!』
並べられた子電伝虫から次々に報告が届く。
「よし、ではこれより"違法奴隷商一斉摘発作戦"を開始する!各員!踏み込めぇっ!!」
そんな大音声を張り上げると一斉に待機していた人員達が無法地帯に点在する奴隷商館へ踏み込んでいった。
これは本来世界政府非加盟国の人間や犯罪者といった奴隷にしても問題ない人間以外の奴隷にするのを禁止されている人間(世界政府加盟国の人間)を奴隷として平然と扱っている現状の打破として上に提案していた事柄であった。
元々天竜人の影響もありこの作戦が認められる事はないだろうと思っていたがそんな折何処かの誰かのお陰で天竜人の人数が激減、無事な天竜人も現在は軽い軟禁状態にありこのシャボンディまで降りてくる事は無いという絶好の機会にセンゴク元帥もようやく重い腰を上げたようであった。
最初は原作で出てた一箇所を潰せば良いかと思っていたが調べてみれば現在は無法地帯にそれぞれ何軒かづつ散らばっており原作のヒューマンショップはドンキホーテ・ドフラミンゴがそれらを纏めた事によって出来上がった物だと理解できた。
その為手が足りないので本部から手すきの海兵を送ってもらい電伝虫にて連絡を密に、同時進行で一斉摘発に臨んだのである。
因みに現在地は一番GRにあるおそらく原作のヒューマンショップの元となったであろうかなり規模が大きい奴隷商館近く、その近くの平家の建物の中にあった。
部屋を仕切る壁は全て取り払われ中には電伝虫や書類の束、海兵達が忙しく行き来しているここはこの作戦の司令本部でもある。
因みにロビンやオルガ、アシエ博士は護衛をつけてホテルの最高級スイートに泊まらせておいた、今頃はショッピングでもしてるだろうか?
そして続々と寄せられる報告を確認しつつ奴隷を違法に扱っていた者は逮捕、そのままインペルダウン送りに。
ルールを守っていたものの中で世界政府非加盟国の一般人を扱っていた者は別のリストに纏めておく、後で"覆面髑髏"が上手くやってくれるだろう。
勿論ルールを守っており犯罪者を扱っていた者については手は出さない、ただ奴隷達をリストに纏め後で手配班に提出、照合させるだけのことである。
今回の件は大きな転換点となるだろう、今まで見逃されてきた場所に海軍のメスが入ったのだから。
奴隷商だけではない、人攫い屋も安穏とはしていられまい。
これで世の中がどう動くか、…願わくば世界が優しくなりますように。
まぁそう簡単には無理だろうがな。
何話か挟んでから北の海に行きます。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)