新しい武装を手に入れたクリーク
・・・ぶっ壊しそう
ゼファーの修行を完遂したギンを新たに加え、一行はフレバンスにおける珀鉛病の人々を匿っている拠点"ファウス島"へピュアゴールドと鉱学のエキスパートであるアシエ博士とその娘オルガを送り届ける為に向かっていた。
そんな中"シャーロット・アンジェ号"の甲板で二人の男が向かい合っていた。
片方は筋骨隆々とした男で丈夫そうな青い迷彩柄のズボンと黒いブーツにネイビーのタンクトップを着た3mはある大男
もう片方は男…といってもまだ年の頃は10代前半といったところであろう、身長は150cm程で動きやすそうな灰色の長袖、長ズボンの上下に足には鋼鉄製のレギンスと腕にガントレットが嵌められその両手には棒に持ち手が付いた武器、トンファーと呼ばれる武器を構えていた。
「よし、どっからでもかかってこい」
「いくぜボス…」
その声にギンは身を低くかがめ一気にクリークの懐へ、そのスピードは驚異的であり一般人では目にも捉えれぬであろうスピード。弾丸のように駆けその低い体勢から右腕のトンファーがクリークの脇腹に向かって振り上げられた。
それをその成長ぶりに驚きつつも左手でいなし右手ですくい上げるような掌底を胴部に向けて放つクリークだったがそれは右手のトンファーで防がれた。
が、流石に小柄な体格ではその衝撃までは防げなかったようでそのまま跳ね上がられるも器用にクルクルと空中で回転し衝撃を殺してそのまま離れたところに着地する。
「驚いたな、スピードは元々速かったがここまで速くなっているとは…後は自分から飛んで衝撃を殺したのも正解だ」
「教官からは重点的に鍛えられたんで…」
そのまま再び低い体勢からの突進
「最初は驚いたが2回目に同じ手は悪手だぞギン!」
そう言って右腕を引きこちらに真っ直ぐ突っ込んでくるギンに正拳突きを放つも
「同じ手は通用しないってのはわかってますよ」
そう言ったギンの姿がブレその正拳突きは空を切った。
そしてそのまま伸びきった腕に左手をかけそのまま地を蹴り左手を基点に宙に跳ね上がりクリークの後ろに、そのまま右手を首に回し締め上げる。
「ほぉ、歩法の一種か」
首を締め上げられたまま平然と話すクリークにギンは"だよなぁ…"という表情を浮かべる。
タネは簡単だ、クリークの正拳突きに対してギンは間合いを詰めた直後、相手の眼前で正拳突きにバックステップを行い、相手のタイミングをずらしたのである。
そして正拳を放ち終えたところに拳を掴みその身軽さで地を蹴ることで加速、相手の背後に回ったのである。
そこから絞め技をかけたのであるが全くこたえていない様子だったが。
「上出来だ、さすがゼファーのおっさんだかなり仕上がってるじゃ無いか。お前もよく頑張ったな、並々ならぬ鍛錬だったろう」
そう言いながら締め上げられたギンの腕を掴みグググッと引き剥がす
「…いや、流石に通用するとは思ってなかったですがこうも易々と対応されるのは悲しいんですけど」
そう言って通用しないと見るや背中を蹴って直ぐ様離れ、そして再び駆け出そうとしたところで
「少将!海賊船です!!旗は…十字の骨に半月のヒゲ!白ひげです!白ひげの船です!!」
そう声を上げて報告する見張りの声を聞きクリークは訓練の中断をギンに告げるのだった。
警戒態勢を指示、望遠鏡を取り出して報告のあった方角を見れば成る程、白い鯨を模した船首を持つ巨大な帆船、間違いなく白ひげ海賊団の旗艦である"モビー・ディック号"である。
という事は白ひげはあの船にいるのか…
「少将、どうしましょうか?交戦準備をしますか?」
そう聞く艦長にカブリを振る
「とりあえず停船信号を上げろ、それから接舷の準備を。とりあえずこちらからは決して攻撃しないように全人員に通達しろ」
暫くすればモビー・ディック号は速度を落としシャーロット・アンジェ号に横並びとなって停止したが誰かやってくる気配はない。
「仕方ない、少し行ってくるか」
「ボス、大丈夫ですか?白ひげといえばかの大海賊の一人じゃ…」
「別に戦いにいくわけじゃねぇよ、心配すんな!」
そう心配するギンの頭をガシガシと撫で安心させる、と言ったもののこちらは海軍、あちらは海賊。戦闘になる可能性は十分にあるので武装はしておく、本気モードで行って無用な刺激もしたくないので軽装ではあるが。
準備だけしっかり整え船の事は艦長に任せて一人月歩にて飛び立ちモビー・ディック号へ。
甲板に降り立てば当然であるが周囲は海賊しかいない、が雑然とした様子はなく、整然と隊列を組んでいたのはちょっと予想していなかった。
成る程、きちんと規律が行き届いているのか訓練してあるのかわからんがこれは厄介そうだ…そう考えながら平然とした様子で整然と並んだ隊列が開かれた場所を進めばその先には老いて尚堂々たる威容を誇る巨躯。
大海賊白ひげ…エドワード・ニューゲート
世界最強の男、最も海賊王に近い男、世界最強の海賊などの異名を持ちグランドライン後半の海である新世界に君臨する三大海賊の一角であり、多数の島々を縄張りとして保護しておりその強さは海軍大将ですら単独で相手をするのは危険と言われている。
それもひとえに彼の能力によるものでもあり彼の能力は"グラグラの実"を食べたいわば地震人間、彼の力は世界を滅ぼすことさえ容易なのだ。
「えー…と、エドワードさん?ニューゲートさん?」
白ひげの眼前に立ってそう尋ねれば何故か憮然とした面持ちで
「…白ひげでいい、てめぇは?」
「はじめまして白ひげ、俺はクリーク、海軍本部少将をやらせてもらってます」
なんでもない口調で答えるが内心は冷や汗だらだらである。
原作では年齢やら病気やらで弱ってたらしいが十数年前だからかどうか不明だが見た限りそんな事は全く無く威圧がビシバシ飛んでくるのだ。
堪らず周囲に視線をやれば手配書なりで見た顔がちらほらあり有名どころで言えば隊長格である不死鳥のマルコやダイヤモンド・ジョズ、他にも複数の隊長格がいる様子である。
「グララララ…そうか、てめぇが赤カモメの頭か」
赤カモメは一年程前から囁かれ出した"海軍独立遊撃隊"の異名である。
お陰で海軍や民衆は親しみを込めて"カモメの水兵団"と呼び海賊からは旗印の赤い海軍マークからか血に塗れた海兵と意図してか"赤カモメ"と呼ばれる事が多くなった。
「あぁ、言い遅れましたが"海軍独立遊撃隊"の総司令も務めさせてもらってます」
ニコニコと愛想良く答えるが
「てめぇ普段敬語使うような人間じゃぁねえな、敬語はいらねぇから普通通り話せ」
一発で見抜かれた様子である。
「…白ひげの、アンタの話はよく聞いているぜ?
だがこうして会うのは初めてになるな。」
「グラララララ…そりゃあ、会う機会なんぞ普通はないからな。それに赤カモメの評判はよぉく聞いている、北の海では大層暴れたそうじゃあないか」
ぐぬぬ、赤カモメって呼ばれ出したの北の海で片っ端から海賊捕まえてたくらいの時期なんだよな、動向はしっかり探られてるわけか,
大海賊なんだからたかだか少将の部隊如き歯牙にかけなくていいのに…
デビル4ディメンジョン・・・(ぼそ
グラグラの下位互換でブルブルの実の振動人間なんてのも面白そうですねー
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)