「クリークであります、少しご報告よろしいでありますでしょうか?」
わざわざお隣のファウス島海軍基地まで向かい盗聴電波を無効化する電波を発する希少な白電伝虫を借り受けてセンゴク元帥に連絡をとる。
『おぉ、どうかしたのか?』
「例の髑髏覆面の捜査上に浮かび上がっていた白ひげ海賊団に所属するティーチについて報告するであります」
『む、白ひげと遭遇したのか。大事なかったか?』
「道中で偶々行き合っただけなので特には問題無かったであります、それよりティーチでありますが身長は3mほどと報告にあった髑髏覆面と同じくらいでした、勿論男性だったでありますね。
因みに事件当時は奴は白ひげ海賊団と共にいたと言ってたであります、身内の証言故に実際のところは不明でありますが…」
『分かっている点が少なすぎるから何とも言えんな、身長と性別が一致してるだけでは断定はできんだろう。
それに一応アリバイはあるのか、やはり別の人間か?』
「いえ、そう決めつけるのは早計であるであります。実は白ひげがかばっており口裏合わせてアリバイを作っているという可能性もありえると考えます。
オハラについては白ひげの関与は不明ですがマリージョアについては彼のナワバリである魚人島、そこから連れ去られた魚人達を解放する為に送り込んだという線もあるであります。
それから戦闘力については不明でありますが白ひげの船に乗っている以上、ある程度の戦闘能力は持っているでありましょうからCP9を退ける事も不可能ではないのではないかと。
それより自分が気になったのは奴は自分が聞いた趣味に対して歴史研究と答えたであります、覆面髑髏はオハラの件に関与しているのでもしかしたら、という可能性もあると考えるであります」
『なるほど…お前の結論は?』
「個人的な意見と致しましては名前、体格、性別の一致及び趣味の歴史研究というのが気になるであります、戦闘能力もかの海賊団に所属しているのならある程度はあるでしょう。
よって黒ではないでしょうが白とも断定出来ないのでグレーと言ったところでありましょう、とりあえずもう少し情報を集めてみるつもりであります。」
『そうか、こちらでもその件は政府に報告しておく。あぁ、後お前にはしばらくしたら北の海に行ってもらう事になってた筈だが…』
「はい、だいたい一月後にこのファウス島を出立予定であります。何かあったでありますか?」
『北方司令のステンレス少将には伝えたがドフラミンゴのとこにつけているこちらの手の者と連絡が数週間前から取れなくなっていてな、こちらから奴の居場所をそちらに伝えるのは不可能になったのでドフラミンゴに関しては上手いこと探してくれ』
…あぁ、コラソンか。
「はっ!了解したであります、後でステンレス少将にも連絡をするであります!」
『頼んだぞ、それではな』
そう言って電伝虫は切られたのでこの口調面倒だな、と思いつつ次は"四海制覇"によって北方方面軍総司令、北の海での海軍のトップに抜擢されたステンレス少将へ連絡をとるのであった。
そして日々の業務を色々とこなしつつファウス島に滞在して十日ほど経った頃、時刻は夜も遅くクリークが書斎にて机に向かいカリカリと治療計画の進捗についてまとめているとコンコン、とノックの音が響いた。
こんな時間に誰だ?と首を傾げつつも"どうぞ"と声をかければ扉が開き入ってきたのは二人の少女
「夜遅くにごめんねおじさま、少しお話があるんだけどいいかしら?」
「遅くにごめんなさいクリークさん、ちょっとお願いがあるんだけどいい?」
ロビンとモネの二人が訪ねてきたのであった。
とりあえず立たせたままにもいくまい、と思いながら二人に声をかけて部屋に入ってもらい適当な所に座ってもらう。
自分も立ち上がり飲み物の用意をしようとすれば
「おじさまは座ってて、私とモネでやるわ」
そう言って部屋の一角に作られたミニキッチンへ二人で向かいモネに"おじさまはコーヒーにはミルクと砂糖をたっぷり入れるのを好むから必ずつけてあげてね?"などと教えつつ三人分のコーヒーを淹れこちらに戻ってきて再び椅子に座った。
「さて、まずはロビンだな。話というのは何だ?」
「えっと…オハラでの事件の後おじさまが私に言った事覚えてる?」
その話か…
「あぁ、覚えてるさ。"5年間で一人でもやっていけるよう色々教えてやるから調べるのはそれまで待ってくれ"だろ?」
「うん、私もねもう16歳になったしそろそろ独り立ちする頃かな?と思っておじさまにそれを言いにきたの。」
「…歴史の本文を探す、という意思は変わらないんだな?別にここにいても構わないんだぞ?」
正直手元にいてくれればこちらで守ってやる事は可能だ、原作通りにいずれクロコダイルの元に行くにせよルフィの元に行くにせよ
「…この6年間、おじさまとの生活は楽しかったわ?
正直言うとずっとここにいてもいいかなって思った事もある、そんな風に思ってたからズルズルと一年も経っちゃったけども…でもお母さんや博士の遺志を受け継ぎたいと言うのもあるしそれに何より…」
「なにより?」
「それになりよりずっとおじさまの庇護下にいたまま…ずっとおじさまに護られたままというのがイヤなの」
護られるのがイヤ…か、確かにロビンはこの6年ほどでかなりの実力をつけ海軍でも大佐クラスくらいなら完封できる実力を手に入れただろう。
が、そんな実力を持ってるからという理由なら諭す必要があるが…
「あ、勘違いしないでね?自分が強いから護られるのがイヤとかそんなのじゃないわ?」
あ、違ったのか
「うん?となるとどういう理由だ?」
「私はね、おじさまの庇護下じゃなくておじさまの隣で肩を並べられる存在になりたいの。
大それた夢かもしれないけどそれならいつまでも護ってもらってばかりというのもなと思って」
…肩を並べられる存在か。
ふと6年前のあの時を思い出す、涙を流し、それでも悲しみを押し殺し毅然と前を向き朝焼けを受けて輝く少女
「立派になったもんだな…」
思わずそんな言葉が口に出る
「おじさま?」
「いや、なんでもない。とりあえずその話については明日細かい事を決めよう。
今日はもう遅いし寝た方がいい、睡眠不足はいい仕事の敵だ。それに美容にも良くねぇからな」
「ふふっ、おじさまも人の事言えないわよ?」
「男はいいんだよ、さて後モネのお願いってのもあったな。お願いってのは何だ?」
そろそろロビンも独り立ち、約束から一年オーバーしてるけど居心地がとっても良かったらしい。
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)