ディアマンテの倒れ様の一言に思わず動揺するドフラミンゴ
「くそっ!奴も能力者だと!そんな情報なかったぞ!?折角装備は全部剥がしたっていうのに…」
ドフラミンゴの勘違いも無理はない。
クリークが武装無しで戦った事は数える程しかなく、最近はもっぱらあらゆる武装を用いた戦闘がメインとなっていた為ドフラミンゴがクリークの情報を集めた先であるカモメの水兵団に所属しているヴェルゴ。
これはヴェルゴがカモメの水兵団に潜り込んでからのクリークの戦闘スタイルを間近で観察したものと、そして主に北の海に蔓延る海賊をメインとしたカモメの水兵団と戦った者たちからの情報。
それらの情報の中には武装が無い状態でのクリークの戦闘力についての情報は無かった為、これらの情報からドフラミンゴはクリークを
"身に纏った武装で遠近中と対応して戦うオールラウンダー"
と見ていたのである。
その為装備さえ引き剥がしてしまえば流石に本部少将であるからまぁ楽勝とはいかないだろうがその戦力は大幅に低下すると考えていた。
砲弾の直撃を受けても大したダメージを受けていないという情報もあったが、これは本部海兵が身につけている六式と呼ばれる技術であろうということも見抜いていたが、それにしてはディアマンテのあの技でもノーダメージといえのはいくらなんでも丈夫すぎる。
故にディアマンテはクリークはなんらかの悪魔の実の能力者だと判断し、ドフラミンゴもそう判断した。
いや、そう判断してしまったのだ。
実際のところクリークは別に悪魔の実の能力者でもなんでもなく、ただ単に海軍に伝わる超人的体技である鉄塊を発動させたまま行動可能な鉄塊拳法、クリーク曰く金剛体術を発動させているだけであり、並の鉄塊と比べて数倍以上の硬度を持っているのは単にクリークの生命帰還を用いてまでの狂的な程の弛まぬ肉体鍛錬における成果なのであったが
「さて、後はお前だけだなドフラミンゴ…」
ディアマンテを地に沈めたクリークがその場から離れていたドフラミンゴに向き直る。
いつも余裕を持った態度を見せているドフラミンゴは今や余裕なく全力でその優れた頭脳に考えを巡らせていた
ここで奴を倒すか?いや、奴が能力者であると言う以上簡単に倒すのは難しいだろう。
逃走する?だが、こちらは一人であり奴がおれを見逃すというのは考え難い。
人質をとる?奴に対して人質になりそうなコラソンは奴の後ろだし赤カモメの野郎共は姿が見えない…
…待てよ、赤カモメの奴らの姿がない?
そしてドフラミンゴははたと気づく。これだけの戦闘音を鳴らしているのに来ないという事はまさかこの鳥籠の中には奴の仲間はいないのか?
だとしたらこのままここで戦うのは下策、元々赤カモメの奴らの同士討ちによる全滅とコラソン、ローを逃がさない為の鳥籠ならオペオペの実を食べたローは海軍に保護されたと連絡をベビー5が盗聴にて得ている上に全滅させるべき赤カモメがいない以上この鳥籠は無意味だ
そうしてドフラミンゴは手を上に上げ絶対無敵の結界である鳥籠を解除しクリークに向き直る
「まさか悪魔の実の能力者だとはな。その情報隠蔽能力、恐れ入ったよ・・・」
「なんの事だ?それよりもこの結界を解いて良かったのか?」
「てめぇには無意味だろ、閉じ込めておくメリットもないしな…」
そのまま両手でスッと構えをとるドフラミンゴに対しクリークも軽く前傾姿勢をとる。
そして
「今だドフィ!ここはおれが時間を稼ぐ!一旦引いて体勢を立て直せ!!」
初手から全身を武装硬化にて覆ったサングラスの男、ドンキホーテ・ファミリー幹部にしてカモメの水兵団にスパイとして潜り込んでいたヴェルゴが建物の影から走り出してクリークに組みついたのであった。
突如建物から飛び出したヴェルゴにより踵を返してこの場から逃走したドフラミンゴへの対応が遅れ
「さて…一応聞いておくがどういうつもりだヴェルゴ少尉?」
戦いの場に乱入しこちらに組みつき邪魔をした上で、最優先捕縛目標のドフラミンゴを逃したヴェルゴ少尉にそう尋ねるクリーク。
「どういう事もなにも少将はとっくに気付いてるんじゃないですか?」
そう答えるヴェルゴは既に全身に武装色の覇気で武装硬化を用いており明らかな戦闘体勢に入っていた
「…まぁ確かに貴様の行動については逐一把握していたからな。だがヴェルゴ少尉、貴様は優秀な海兵だ、今ならまだ不問にするからドフラミンゴの捕縛に協力しろ。
まぁ協力しないのならばそれでも良い、どの道ドフラミンゴを捕縛する事に変わりは無いがな」
そう言って再び両の腕を持ち上げ静かに構え直すクリーク
「少将も気付いておいて放置とは人が悪い、それに貴方が能力者だなんて初耳ですよ、てっきり大量の武装を用いて戦うとばかり思ってましたが…」
「何の事かさっぱりだな、それからいい事を教えてやろうヴェルゴ少尉。
戦う者はな常に奥の手という物は用意しておく物だ、例えば俺が武装が全て破損して使えなくなっても戦えるという事とかだな」
「えぇ、それは自分もそう思ってますよ。だからこそ…」
ヴェルゴがそう言葉を切った直後に銃声が響く
その肉体によって着弾した銃弾は弾かれるも銃声がした方を見ればグルグルの実の能力者であるバッファローと、その背中には彼女が撃ったのであろう腕から先を銃に変化させたブキブキの実の能力者であるベビー5
「だからこそクリーク少将、奥の手として伏兵を潜まさせてもらいました」
そうかバッファロー達の事頭から抜け落ちてたな、まぁこの程度ならダメージなどないが。
「ふむ、まぁ及第点だヴェルゴ少尉。」
「んに〜ん!!ヴェルゴさん!撹乱は任せろだすやん!!」
「敵というなら容赦しないからね!」
グルグルの実の能力である自身の体を回転させる能力を持つとても大柄な男、バッファローがこちらの後方にてホバリングを
そしてその背中には自身を武器へと変える能力を持つ少女、ベビー5が両腕を銃に変化させこちらに狙いをつけている。
「だがその程度の対策なら俺も用意してるさ、ギン!!後ろの二人を相手してやれ!!」
その言葉の直後、鳥籠が解けたと同時にこちらに急行して上空から様子を窺っていたギンが両腕にトンファーを構えバッファローに向かって奇襲をかけたのだった。
クリークは大量の武装頼りの男という推理であったがそれは欺瞞情報であり実は悪魔の実の能力者でもあった(ドフラミンゴの脳内)
なので武装頼りと見ていた為一味の者にそれを全部剥がしてしまうように指示
全て剥がしたものの能力者である可能性が発覚
ヴェルゴの出現でドフラミンゴは一時撤退という事に
以上3行でわかるあらすじでした
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)