起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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戦う者は奥の手は必ず用意しておくものである

そういえば感想欄に原作クリークはミホークを悪魔の実の能力者と勘違いしてたというのがあってそういやそうだったなー、と思い出しました

あとブキブキの実ってスパスパの上位種らしいからスパスパみたく体が武器の硬度を持っててもおかしくないよね?


銀の一閃 ドンクリーク

クリークの指示にギンはスッと目を細めて腰からトンファーを抜き放ち月歩で滞空していた場所からクリークの背にてホバリングをする大柄な男に強襲をかける。

 

「ぐうっ、仲間がいただすやん!」

 

「いいわ!だったら先に相手してあげる!!」

 

防がれたか…自分の奇襲を腕にて何とか防いだ大柄な男を見て思う。

 

この二人は確か…ドフラミンゴ・ファミリーのそれぞれの特徴と調査結果をもとに二人は大柄な男が自分の体を回転させる事ができるグルグルの実の能力者であるバッファロー、その背中にいる少女が自身の体を武器に変化させる事ができるブキブキの実の能力者であるベビー5だと確認し

 

「ボスの指示だ、悪く思うな」

 

そう言って先ずは対空した相手を地面に叩き落とすべくトンファーの柄を捻れば仕込まれた鎖分銅がバッファローの首に絡みつく。

 

「んに〜っ!!こいつガキの癖にぃっ!!」

 

そのまま鎖を引っ張るギンの腕が盛り上がりバッファローの大柄な体を地面に引き倒し

 

「くっ、やってくれるわね!"武器変貌・銃脚(ブキモルフォーゼ・レボルベルレッグ)!!」

 

そのままバッファローが地面に叩きつけられる前に跳躍、己の片脚を銃に変化させたベビー5がギンに向かって発砲するも

 

「ブキブキの実の能力者か、だが甘ぇ!!」

 

素早く海軍に伝わる6つの超人体技の一つ、"鉄塊"を発動させる。これは全身の筋肉や皮膚を引き締め硬化しその場から動けなくなるという欠点はあるが体を鉄と同じ硬さまで引き上げる技である

 

鉄塊をかけたまま行動できる"鉄塊拳法"または"金剛体術"という技があったり、馬鹿げたほどの筋肉密度を誇り鉄の硬度なんて話にならない程の超硬度を持たせたどこぞの筋肉達磨などという例外はあるが。

 

話を戻すがギンは己が使える六式の一つ"鉄塊"を発動、ベビー5の銃撃を難なく弾き返しお返しとばかりに"鉄塊"を解除して六式の一つ超速を待つ歩法"剃"を用いてベビー5に接近しトンファーを振り上げると

 

「鉄閃(てっせん)!!」

 

鋭い軌跡を描きベビー5の首元に吸い込まれるも響くのは金属同士がぶつかる耳障りな音が響く

 

「…無駄よ、わたしはブキブキの実の能力者。わたしの体は武器の硬度と同じ硬さを持つわ、そんな蹴りは無駄よ」

 

涙目で攻撃が当たった自分の喉元をさすりつつベビー5はギンにそう告げる

 

「なるほど、変化させるだけじゃねぇのか…」

 

「ベビー5!あれやるだすやん!!」

 

そんな折地面に沈んでいたバッファローがムクリと起き上がりベビー5に指示を出すと

 

「わかったわ!武器変貌・剣女(ブキモルフォーゼ・エスパーダガール)"!!」

 

それと共にベビー5の体がうにょんと変化、その上半身を巨大な曲刀の刀身として変形させそんな彼女をバッファローががしりと掴むと

 

「うぉ〜覚悟するだすやん!グルグルソード!!」

 

自身のグルグルの実の能力で回転させて遠心力を用いた高威力の振り下ろしがギンを襲うも

 

「…大きいってのも考えものだな」

 

ギンはそう言いつつ"剃"を用いて剣を振りかぶったバッファローの懐へ

 

トンファーを持った片腕を掲げ頭上で剣の柄を受け止めたギンはそのままトンファーの柄を捻ればトンファーに仕込んだ仕込み鉤が発動

 

「えっ!キャアッ!!」

 

「撃・鉄閃(げき・てっせん)!!」

 

剣と化したベビー5の脚を捕らえ離れようとするその動きを封じると反対側の手首の回転を加えた高い威力の打撃がベビー5の腹部を捕らえあえなくベビー5は意識を失った

 

「やってくれるだすやん!」

 

意識を失い剣の姿を保っていられなくなり少女の姿を取り戻したベビー5をバッファローは脇に避けると

 

その巨体に見合った大きな腕を振りかぶったが

 

「遅ぇ!!"双鉄閃(そうてっせん)"!!」

 

月歩にて素早くバッファローの首元へ向かったギンの両のトンファーがバッファローの首を挟み込みバッファローは崩れ落ちるのであった。

 

そして時は少し戻りギンとバッファローandベビー5のコンビが戦闘を始めた頃こちらは緊迫した空気を漂わせるクリークとヴェルゴ。全身を武装色の覇気で覆い武装硬化したヴェルゴは大きく息を吐く。

 

ここで少しこの覇気というものについて軽く説明しておこう。

 

覇気とは"意思の力"。その意志によって流れる”体内エネルギー”を比喩的な表現をした例えば気配や気合、威圧、殺気、闘争心、怒気、等々色々と言葉はあるがそれらと同じ概念であり、この武装色の覇気はより過酷な鍛錬と実戦の極限状態で開花すると言われている。

 

それらを乗り越えて習得すれば攻撃にも防御にも転じ、武器に纏うことも可能な不思議パワーである。覇気にも何個か種類はあるがここではヴェルゴの纏う武装色の覇気についてだ。

 

武装色の覇気というものは悪魔の実の能力者の実体をとらえて攻撃を加える事ができるため、自然系能力者への代表的な対抗手段としても挙げられる。

 

なお海楼石や一部の悪魔の実とは違い、あくまでも実体をとらえることができるだけで能力を無効化できるわけではない。

 

さて、ここでヴェルゴが使用している武装色の覇気を用いたテクニックの一つである武装硬化だが、これは体内部から身体を覆うように纏った覇気を硬質化させる技術だ。

 

硬質化させた覇気は基本的には今のヴェルゴの姿のように黒光りする鋼鉄のような姿に変化し攻撃力の上昇に伴って相手に強烈な攻撃を加える事ができる他、武装防御として相手の攻撃の防御にも扱えるため、戦闘力の強化につながる。

 

この武装硬化は腕や足など一部を武装硬化させたり武器に纏ったりと使い方は複数あるがヴェルゴは全身を武装硬化させて、戦闘の補助として使用している。

 

しかしこれは体内の覇気を体全体に集中させる以上、覇気の消耗性が大きくあまり効率の良い使用方法とは言えない。

 

そのため、殆ど最終手段として行われるがヴェルゴはクリークと対するにあたって最大攻撃を相手に叩き込むべく自身のできる最大限の戦闘形態としてこれを選択した

 

「クリーク少将、貴方がいくら能力者と言えど武器も鎧も失ってしかもこのおれの武装硬化した状態で相手にできると思ってますか?」

 

「さてな、伊達に赤カモメを率いている訳ではないとでも言っておこうか?」

 

そう語るヴェルゴをクリークは油断なく見据え再び両腕を構える

 

「何の能力者かわからないが貴方がいくら頑丈でも武装色の覇気を纏った拳は能力者の実体を捉える、貴方が能力で頑丈になろうともそれが悪魔の実の能力である以上ダメージは覚悟してもらう!!」

 

そう叫びながら真っ直ぐにクリークへと向かいその体に正拳を繰り出すヴェルゴだったが、その腕は腹部に当たるも鈍い音を立てただけに終わりそれに対してクリークは、正拳突きを放ったヴェルゴの腕をガシリと掴みスッと軽く息を吸って右腕を後ろに引くと

 

「拳砲三極・魏呉蜀(けんぽうさんごく・ぎごしょく)!!」

 

三連打の正拳突きが真っ直ぐに向かってきたヴェルゴの顔面、胸部、腹部を捕らえその衝撃が後ろに突き抜ける。

 

「ガッ…馬鹿な…」

 

「一つ教えてやるヴェルゴ少尉…いや元・少尉か。

 

誰かを逃すと言うなら時間を稼ぐ事に重点を置くべきで最初から全身に武装色を纏った状態で戦うのは悪手だ。それに相手の戦力の見極めができていないのもマイナスだ、誰がいつ俺が悪魔の実の能力者だと言った?

 

銃弾を弾き返したりしたのは貴様も知ってはいるだろうが六式の一つ、ただの"鉄塊"だぞ?」

 

そう諭すように言うクリークに対しヴェルゴは口の端から血を垂らしつつ反論する

 

「馬鹿なっ!!いくら"鉄塊"を使ってたとは言えディアマンテのあの技でも傷一つ無いと言うのは異常だ!

 

ゴホッ、それに"鉄塊"を使っている間は身動きできない、反撃出来る筈がないだろう!!」

 

ダメージは大きかったのであろう、腹部を抑え肩で息をしつつ更に反論を重ねるヴェルゴだったが

 

「まぁ世の中は広いと言う事だ、並の鉄塊を遥かに超える頑丈さと鉄塊を使用していても動けるというのはあれだ…えーと、頑張ったからだ」

 

「っ…巫山戯るなぁっ!!」

 

クリークのおどけたような言い方にヴェルゴは頭に血が上り最後の力を振り絞ってその首に手を伸ばすも

 

「さよならだヴェルゴ、"剛崩・拳砲っ(ごうほう・けんぽう)!!」

 

その手は届かず体と共に地面に倒れるのであった。

 

 

 

 

 





頑張ったから鉄塊かけても動けるようになったし並の鉄塊を遥かに超える硬度を身につけた、嘘は言ってないよ?

因みにギンのトンファーは色々と仕込んであり現在はピックや鎖分銅、鉤などをお披露目しています。

因みに参考にしたのはトンファー繋がりでジャンプのキャラクターからとっています

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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