【とある艦娘の前線応急修理部隊での苦労話】   作:艦本式

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工作艦明石。
まともな修理施設を持たない前線基地などに出向き、損傷した艦娘をある程度修理するとある部隊の話。
工作艦という特殊な艦種の明石は日々、深海棲艦と戦って傷付いた艦娘の艤装を設備が整ってない泊地などで修理している。
本来なら鎮守府などにある船渠(ドック)でしか修理出来ない艤装の損傷でも明石ならある程度修理する事が出来る。
今回は、決して前線で戦う訳ではないが、居なくてはならない工作艦の明石に焦点を絞って見てみよう。


第二話(工作艦、改修任務を受諾せよ!)

はぁ、ラバウル基地に来てから一週間経ったけど、私の待遇は全く変わらないわ

 

艤装を修理しても、それ以上に修理が必要な艤装が増えるから意味が無かった

 

 

 

挙げ句の果てには、私自身まで戦闘に駆り出される始末よ

 

工作艦とは一体…

 

 

一応自衛用に12.7cm連装高角砲と25㎜連装機銃が搭載されてるから、防空面ではそこそこ出来る

 

だけど、私自身が損傷したら元も子もないので、流石に文句を言ったわ

 

 

だけど返ってきた言葉は「自分でなんとかしろ」だったのだ

 

わざわざ横須賀鎮守府から遥々とやって来たって言うのにこの扱い?

 

少し酷過ぎない?

 

 

…いや少しどころじゃないでしょ

 

 

 

 

…まぁいいわ。あれのおかげで艤装の修理の目処が立ったし

 

ラバウル基地には幸いにも、高速修復材(バケツ)がかなりの量備蓄されていた

 

高速修復材(バケツ)は、艤装の修理の効率を格段に上げてくれる

 

これがあるのと無いのとでは、かなり変わる

 

 

そこで、私はこの高速修復材(バケツ)を惜しみ無く使う事にした

 

 

 

 

 

そう、まるで日頃の鬱憤を晴らすかのように…

 

 

「司令官の馬鹿!ついでに艤装を雑に扱う艦娘も馬鹿!」

 

高速修復材(バケツ)をどんどん使って、片っ端から艤装を修理する

 

 

 

 

 

後で、司令官が泣きながら謝罪して来たのはまた別の話…

 

 

 

あーあ、スカッとしたなぁ…

高速修復材(バケツ)の使用を控えるように言われちゃったけど、これでだいぶ修理が進んだからあとは楽ね

 

そう言えば、工廠も隣接されてるこの船渠(ドック)では司令官が何やら新しい装備を作るだとか改修するだとかの話がたまに聞こえる

 

それなら、新しい機材を作ってくれませんかね

 

こちとら大変なのですよ

 

まぁ、工作艦が配備されるのもまだ先だと聞いてるし、諦めて修理に戻る

 

 

すると、船渠(ドック)の扉が開けられて、ここの司令官が入ってきた

 

 

「な、なんの用ですか?」

 

「君に工廠の手伝いをしてもら…」

 

「は?」

 

「…いや、君が嫌なら構わないんだが…」

 

「私が忙しいのを分かってますよね?」

 

「えぇ…はい…」

 

「それなのに何故追い討ちを掛けるような行為を?」

 

「あっ、はい…申し訳ないです…」

 

「もしかして修理手伝ってくれるの?司令官が?」

 

「いや出来ません…」

 

「でしょ?じゃあ私が承諾するとでも?」

 

「ですよね…お忙しいところ申し訳ございませんでした…」

 

そう言って司令官は頭を下げる

 

 

「良いですよ。工廠の手伝いやります」

 

「……え?今の流れだとどう考えてもやりたくないのでは…?」

 

「私はやると決めた事は決して諦めません。いいから詳しく聞かせて下さい!」

 

「はいっ!えーと…」

 

司令官は脇に抱えていた書類を私に差し出す

 

 

「艦載機と、電波探信儀の改修ですね」

 

改修とは、既存の装備を改良することで、性能を上げたりする事だ

 

このラバウル基地でもつい最近導入されたシステムだった

 

「工廠での作業になってしまうから、艤装の修理が滞ってしまうだろう」

 

「いや、心配無用です。艤装の方は高速修復材(バケツ)のおかげでかなり進んだので」

 

「あぁ…せっかくの備蓄が…」

 

「何か言いました?」

 

「い、いえ…なんでもございません…」

 

「まぁ、工廠で時間があるときで良いから頼みたい」

 

「分かりました。お任せ下さい!」

 

「どうも心配なんだよなぁ…」

 

司令官は何かを呟きながら船渠(ドック)を後にした

 

 

さて、修理ばっかりで飽きてきたから、さっさと工廠に行って改修作業しようかな




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