電源ボタンと音量操作が完全にイカれてしまい、操作できなくなりました。
新しいスマホで四苦八苦しながら書きましたので、変な表現があったならば、生暖かい目で見逃してくだせぇ。
なお、サブタイトルの『翼』は『イカロス』と読んでいただければ言いなと思っています(笑)。
それでは、どうぞ。
北エリアの外れまで飛んでいたウイングは担いでいた臥煙とイデアを降ろし、着陸して一息入れ、気持ちを落ち着かせていた。
『すまない。また助けられるとは……』
「これ、ハズれねぇ」
運んでくれたイデアがウイングに礼を言い、臥煙は自身の首に付けられた枷をハズそうとしている。
「無駄よ。それは超力犯罪者を拘束し、能力を封じる特殊な枷なの」
臥煙の様子を見ていたウイングの言葉にイデアは反応し、臥煙は聞いていないのか枷を叩いたりしている。
『そんな枷がこの島にあるのか?』
「えぇ、枷に仕込まれている特殊な電流で
ウイングの説明を他所に臥煙は枷を左右から引っ張ろうとした瞬間、強い電流が全身に流れた。
「痛っ!?」
「無理やり取ろうとしない方が良いわよ。電流が強く流れるわ」
電流きよる激痛に悶える臥煙に遅い注意を促すウイング。その姿を見て、イデアはウイングに質問を投げ掛けた。
『……オークレー……気になったのだが、何故そんな事を知っているのだ? 枷の存在を知っている人が多くても、その枷の構造と原理を理解しているモノは少ないハズだ』
大抵の者は便利な道具としか思っていない、という言葉を付け足したイデアにウイングは曇った表情を見せる。
「……それを知る必要はないわ」
「お前、これからどうするんだ?」
「私はあの男を取り押さえる」
臥煙がこれからについて質問をすると、ウイングは即答で答えた。
『無茶だ! あの男は装備からして只の小悪党ではない。それに我々を庇うように現れた車もヤツラの仲間という可能性もある……恐らくだが罠だ。行ってしまえば思うツボになってしまうぞ』
「それでも、私は行くわ」
確固たる決意を瞳に灯したウイングを見て、本気だと判断する臥煙とイデア。
「……助けは呼べないのか?」
「超力犯罪者の捕獲を正式な依頼として受理されるまで少なくとも三十分はかかるの。警察に依頼しても、私は目撃者として隔離される……それではダメ。目の前に助けを求めている人がいるのに動いてはいけないなんて……私には出来ない」
ウイングの言葉にどこか居所が悪い表情を見せる臥煙。その様子を見たウイングは苦笑する。
「……」
「納得できない、という表情ね……他の人も同じような顔をされたわ。でも、私はほっとく事なんて出来ない……こうしてる間にも、助けを求める人がいる」
そう言ってウイングは翼を大きく伸ばし、一回二回と羽ばたかせる。
「あなた達は安全な場所に……ごきげんよう」
その言葉を臥煙とイデアに残し、ウイングは飛び立った。
◼️--◼️◼️--◼️
最後に見た砂浜に来たウイングは車の跡を追い、東エリアの廃棄されたコンテナ倉庫にたどり着いた。
「……誘われてるわね」
コンテナ倉庫に続く跡を見て、入り口前に着地する。その際に発生した風で埃が舞い上がり、吸ってしまったウイングは数度軽く咳き込んだ。
「ホコリまみれでいかにもって感じね……出てきたらどうかしら? それとも、出ていく気も起きない程に弱気なのかしら?」
「そんな挑発しなくても出てやるよ」
コンテナ入ってすぐに来たことを言うと、奥からライアンが銃を持って現れた。
「あら、意外にあっさり出てくるのね」
「別に隠れるつもりもねぇよ」
挑発するように言うウイングにライアンはイラついている表情で答える。一触即発の空気が微かに漂い始めた。
「単刀直入で一度しか言わない……あなた達が拘束している女性を解放しなさい」
「そいつはムリだ。俺達の目的の為に諦め--」
瞬間、ライアンは蹴り飛ばされた。咄嗟に腕を交差して防ぐも腕に強い痺れが残っている。前を向くと蹴りを繰り出した体勢のままウイングがライアンに告げる。
「特別に三度目は言わないであげる……解放しなさい」
超力によって亜音速で蹴られた事に気付いたライアンは懐から何かを取り出そうと腕を--
「そこまでです」
--伸ばそうとして、止めた。
声の主は側に拘束されている女性を連れて現れたウィリアムである。
「--ッ!!」
「動かないでください。動けば、どうなるかわかりますよね?」
素早く行こうとするウイングにウィリアムは拳銃を取り出し、女性の米神に銃口を押し付けた。女性の首や両手に超力を封じる枷が付けられており、下手に動けば最悪の事態が起きてしまうことを想像する。
「……何が目的……」
「強いて言うなら、この島を根底から覆すような事ですよ」
「ウィリアム!」
ウィリアムの言葉にライアンは大きな声で怒鳴り散らす。まるで、言ってはいけない言葉を言ってしまったような反応である。
「大丈夫ですよ。彼女は答えてくれます」
「……何が目的かしら?」
「取り引きですよ……彼女を解放する代わりに、我々の行動を今後一切の干渉を禁止をお願いします」
直接的に言えば『人質は解放するから二度と関わるな』と言ってるようなモノ。それに対し、ウイングの返答は--
「断るわ」
--即答の否定である。その言葉に目を白黒するウィリアムは彼女に質問した。
「……理由をお伺いしても?」
「簡単よ。私は放っておく事なんて出来ない」
自分自身のように語るウイングはライアンにも、人質になっている女性にも聞かせるような強い姿勢で続ける。
「助けを求める人がいる。助けを願う人がいる。そんな人達に手を伸ばさないで見過ごす事を私は出来ない……あの人は私を人間に戻そうとしてるけど、私は戻さなくていい……この力があったから、救えたモノがある」
凛、とする姿勢にウィリアムは内心惜しいモノを見るような心情でウイングを見つめる。
……ダイダラに送られる前に住んでいた島で彼女は数名の学生を
「それに……
その言葉にウィリアムとライアンは固まった。
「隠しているつもりかしら……バレているわよ」
……これ以上は無理のようですね……
鷹のような鋭い目付きで警戒しながら冷たく睨み付けるウイングを見て、ウィリアムは交渉決裂と判断した。
「……仕方ありません……予定変更です」
ため息を吐き、仕方ないと言った表情で呟いた瞬間、ウイングは崩れ落ちた。
「なっ!?」
驚くウイングだが、身体を動かそうとするも強く痺れて身動きが取れない事に気付いた。
「……なにを……した……」
「あなたが入って来る倉庫の入り口に麻酔薬を染み込ませた粉を撒かせて貰いました」
--“ホコリまみれでいかにもって感じね……”
「最初から……交渉する気なんてなかったのね……」
「えぇ、全ては我々の目的の為に……」
そう言ってウイングの首と両手に超力を封じる枷が付けられ、身動きできないウイングにウィリアムは氷のように冷たい眼差しで拳銃を向けた。
絶体絶命。まさにこの言葉が当てはまるウイングは覚悟を決め、ウィリアムから視線を逸らさないように睨み続ける。
ウィリアムが引き金を引こうとした瞬間、倉庫全体を揺るがすような轟音が響いた。
◼️--◼️◼️--◼️
「な、何があった!?」
いきなりの出来事に驚くライアン。警戒を抱きながら、轟音が響いた壁の向こう側を警戒する。
……まさか
自身が飛んでいる姿を目撃した誰かが連絡したのか予想するウイング。そして、壁が崩れた。
まるでドミノ倒しのように下から上に粉となって外の景色を見せる壁の向こう側に轟音を響かせた主が現れた。
「……なっ……!?」
しかし、そこに現れたのは超力者でも警察でもなかった。ウイングにとっては疑問符で埋め尽くされる程の衝撃だった。
なぜ、ここにいるのか?
なぜ、たすけにきたのか?
なぜ、にげなかったのか?
なぜ、なぜ、なぜ、なぜ?
「みーつけた」
『やはり、ここだったな』
いつの間にか首の枷を外した
あと、一話か二話で共通ルートが終わります。
活動報告にあるアンケートは大体二週間で締め切りです