遅れてすいません。
替えたばかりで慣れないスマホ操作とFGOの祭りに参加してて遅くなりました。
もうすぐ夏イベでまた遅れるかもしれませんが、週一の更新を心がけます。
突如壁を壊して現れた臥煙とイデアの一人と一機のコンビに全員が戸惑っていた。
いつの間にか首の枷が外れている事もそうだが、どうやって枷を外したのか頭に疑問符が浮かび上がるばかりだ。
「テメェ……確かこの女と一緒にいた……」
「臥煙、イデア、どうやってここに!」
ライアンが銃を向けて警戒し、ウイングはどうやって自信の居場所を突き止めたのか一人と一機に問いかけた。
『それは私の能力でだ』
ウイングの問いにイデアが親指を立てたグッドサインで答えた。
『媒体に記憶されている映像から人物を静止画で切り抜いて選出し、人工衛星から位置情報を割り出した。数百数千以上の個人情報から一つ一つ割り出すのは一苦労だったが、見た感じ間に合って良かった』
「それにさ……言い忘れたらダメだと思ったんだ」
犯罪スレスレのイデアの発言を聞き流しながら臥煙はウイングに向けて苦笑しながら言い放った。
「飲み物、奢ってくれてありがとうな」
その言葉と同時にウイングは一つの謎が生まれ、臥煙の首に再び枷がつけられた。
「おわ!?」
「どういう理由か知らねぇが、自ら捕まりに来るなんざボランティア精神溢れるヤツじゃねぇか」
ライアンの言葉に臥煙は自身の首を拘束している枷に手を伸ばす。
「外そうたって無駄だ! そいつは例え剛力無双の
バギン、と硬い物が壊れるような音が倉庫に響き渡った。
「--……だ……ろ……?」
「……な……!?」
「……え?」
カランカラン、無機質な物が地面に落ちる音が響き、臥煙はその様子を見て戸惑い始める。
「……もしかして、壊したらダメなヤツだったか?」
『ここに来る途中で調べて見たが、一つ当たり安くても八万円はするらしいぞ』
「聞きたくなかった」
イデアの言葉にうんざりした様子を見せる臥煙。しかし、ライアンやウィリアムはもちろんウイングはそこで驚いたのではない。
「テメェ……何しやがった!」
「ライアン! 今すぐに彼を倒しなさい!!」
『どうやら戦闘のようだ。私に身を委ねろアキヒト!』
「おう、それと
ウィリアムの指示より早く本能で臥煙に銃を向けて放つライアン。臥煙とイデアはライアンから放たれた枷を移動しながら避ける。
いや、そもそも『移動しながら』という表現は少し語弊がある。正確には『転がりながら』
である。
その動きはまるでスリンキーと呼ばれるバネ状に加工したシンプルな玩具だ。日本ではその色合いと形状からレインボースプリングと呼ばれ、別名トムボーイという名で販売されている。その遊び方は階段から落とす事で生き物のような動きで下りていく玩具だ。
臥煙とイデアの動きはまさしくそれで、縦横無尽に動き回る姿にライアンは翻弄されている。
「ちょこまかと動きやがって!」
「仕方ありませんね」
見かねたウィリアムは拳銃を拘束されている女性に向けようとした瞬間、ウイングの翼が下から上へ払いのけた。
「させない!」
「グッ!?」
拳銃が後ろに飛ばされ、持っていた右手を押さえるウィリアムの隙をついて臥煙が女性の付けられている枷を壊す。
「おい、しっかりしろ! おーい!」
『頬をペチペチと叩くな。脳を揺らすのはオススメしない』
雑な呼び掛けと対応をする臥煙に物申すイデア。その間に拘束されていた女性が目を覚ました。
「ん、んぅ……ここは?」
拘束されていた女性は長く腰まである真っ直ぐな白い髪に細くクールな目と水色の瞳が特徴、雪のように白く柔らかい肌で美人の一言だが、頭にある一対の白い角が彼女を超常人である事を示している。
「お、目が覚めたか」
「……だれ?」
『色々と言葉はあるのだが、強いて言うなら君を助けに来たオードリーに感化したコンビさ』
「オークレーな」
「無事で良かった。雪風さん」
拘束されていた女性--
「はぁ……まったく……」
ウィリアムは自身で起こした拍手が終わらせ、ポケットから眼鏡拭きを取り出して眼鏡を拭き始める。
「我々の邪魔をするあなた達の粘着質な性根は認めざる得ないようですね」
「……俺は初対面だけど?」
『記憶力に不安な点があるなら、日頃から青魚や炭水化物、チョコレートにココアを食べた方が良いぞ』
「いえいえ、そういう冗談じゃありませんよ」
眼鏡拭きをしまい、怪しく光る眼鏡。その奥に輝く瞳には--
「あなた方をここで消した方が有益だと判断したからですよ」
--純然たる殺意が唸り声をあげていた。
ウィリアムは腕時計の外側を半回転させると外側に停められていた車が動き出した。
「車!? 誰も乗ってないのに!」
『おそらく遠隔操作だろう。止めるぞ』
まだ本調子ではないウイングと雪風を庇って前線に立つ臥煙とイデアだが、その選択を甘く見ていた。
目と鼻の先になった瞬間、車がジャンプするかのように横回転を加えて跳びながら車体に変化が起きた。まるでルービックキューブを動かすかのような動きで変形する。変化が終わった頃には車が
「え、えぇぇぇぇぇ!?」
「対超力犯罪者鎮圧決戦兵器“アトラス”……その身をもって味わい尽きると良い」
その言葉と同時に構えていた拳が振るわれる。とっさの事で固まる臥煙を横から誰かに押された。
視線を向けると押したのは雪風だったが数秒後、機械仕掛けの鉄拳が彼女の横から振るわれ、壁に激突する。
「おい! 大丈夫か!!」
『後ろに跳べアキヒト!!』
雪風を心配する臥煙を叱責するかのようにイデアが後ろに飛ぶように命じた瞬間、再び振るわれた巨大なロボットの拳で壁に叩きつけられて痛みに悶える。
「雪風! 臥煙! イデア!」
二人と一機を心配して駆け寄ろうとするが、ウィリアムによって阻まれる。
「逃がしませんよ。ライアンは彼女を警戒してください」
「おうよ」
ウィリアムはライアンに雪風を警戒するように指示を出す。
「……あなた達は……何を考えてるの……」
ライアンとウィリアムの考えが読めずに警戒するウイング。
「言った筈ですよ。この島の根底を覆す事だと」
「……少なくとも……
その言葉にウィリアムは何故か感嘆の表情をウイングに見せ、ウイングはその表情に首をかしげた。
「なるほど、流石はオークレー博士の娘ですね」
「……父とは……彼とは、関係ないわ」
ウイングに少なからず漏れた不機嫌な感情に不適な笑みを見せるウィリアム。その表情にウイングは警戒心を一層抱いた。
「詳しくは言えませんが、我々のアジトでゆっくりと語るとしましょう……最も、話すつもりはありませんが……」
そう言って拳銃を拾うウィリアム。ウイングは阻止しようにもアトラスに阻まれて身動きが取れない。しかし、ウィリアムの動きが途中で止まった。
「……」
「おや、生きていましたか」
視線を辿ると臥煙が立っていた。しかし、その様子は無事とは言えず、十人中十人が立っているのがやっとと答えるような状態だった。
後ろに倒れそうになるが、イデアが倒れないように臥煙を支える。
「逃げなさい」
もはや虫の息とも言える臥煙を見ていられないウイングは逃げるように言った。
「あなたは巻き込まれた側よ。逃げる事に専念すれば生き残れるわ」
思えば、これは自分自身が踏み込んだ問題。幸いここから海までの距離は近い。自身が暴れる間に死に物狂いで逃げて飛び込めばロボットも海に飛び込むようなマネはしない。
「いヤだ』
そう考えた彼女の考えを臥煙とイデアは声が重なって否定した。
「ここで逃げたら、俺は大事な時に逃げる理由を探してしまう……あの時と、同じように……」
そう言った臥煙の頭の中で記憶が断片的にフラッシュバックを起こした。
--赤い池に沈む手足。
--真っ白で無機質な部屋。
--空など見えない黒い天井。
--そして、------。
それは自身の始まりで終わりの日でもある。
そして、無機質な瞳を閉じ、再び開くと極彩色に変化する虹色と同じ輝きを持った瞳に変化した。
その変化を見て、ウイングは抱いていた謎が解けた。
……この人は、私と似ていたんだ。
自分とは根本的な部分は違えど、人を助けようとする部分は同じ。
しかし、違うのは自身に寄り添う存在がいるかいないかだった。
彼には有って、自身に無い。
「感動的ですね……ですが、無意味です。力量も把握できない人物が手にするのは破滅です」
「力量? 最弱以外に何がある……」
ウイングが考えていると、拳銃を拾ったウィリアムぎ臥煙に向けると臥煙は自虐的な笑みを浮かべながら答えた。
「……借りるぞ、イデア」
『もちろんだ。アキヒト』
その言葉と同時に銃から弾丸が放たれ、
予想外の結果に驚くウィリアムを他所にイデアが青白い粒子状の物体に変化していく。
「何だこれは!?」
……
冷静にイデアの変化を観察して解析するウイング。
粒子状に変化したイデアは臥煙の腕や足を覆い隠し、光が
『理想卿“アルカディア”……
機械的な音声と共に、目の部分にライトグリーンの光が灯った。
サブタイは知る人ぞ知るパロです。
次でルートは終了し、アンケートも終わります。