やっと時間が出来たので投稿します。
一夏視点
「・・・何故、俺がこんな目に・・・・・・」
突然だが、俺は今拉致されている。
ISの世界大会、モンドグロッソ・・・俺は姉、織斑千冬が出場するこの大会の応援に無理矢理連れて来られ、突然、背後から何者かに殴られ気を失い、気が付いたら何処かの廃工場の中に拘束されていた。
俺は行きたくなかったのに姉、織斑千冬と双子の弟、秋妬が無理矢理連れてきやがった。
俺には何か特筆するべき特徴が何もない。故に何時も姉と双子の弟と比べられ、虐められた。
やれ「それでも千冬様の弟なの?」とか、やれ「こんな問題も解けないのか」とか、やれ「劣等品」とか「出来損ない」とか……もう数えきれない。
「お前、ホントにあの秋妬の兄貴なのか?! あいつより全然ダメじゃん!!!」
「お姉さんや弟くんは出来てるのに…なんでこうもできないかなぁ…はぁー、ホントに君、あの二人の兄弟なの?」
学校に行けば、こんなものだったか…クラスメイトはともかく、先生にまでこんな事を言うのだから、全くもってどうかしてる。
家でも俺は姉と弟からも邪魔者扱いされていた。「何でお前みたいな屑が弟なんだ!このごく潰しが!!」・・・「お前みたいな出来損ないが居るだけで俺様と千冬姉の株が下がるんだよ!!!」と俺の存在を否定した。
姉に無理矢理通わされた篠ノ之道場の娘、篠ノ之箒からも「軟弱者!!、情けない奴だ!!」と言われ何度も竹刀で殴られた。
中国から転校してきた少女も秋妬やその取巻き達と一緒になって俺を苛めた。
そんな中、俺に味方をしてくれる人はいた。・・・篠ノ之箒の姉、篠ノ之束と小4の頃に仲良くなった五反田弾の二人だ。
二人は周りが何を言っても俺の味方でいてくれた。それだけでも俺は嬉しかった。
そして、第二回モンドグロッソの日、俺は誘拐され、今に至る。
「おい、日本政府にちゃんと連絡したよな?」
「あぁ、連絡はしたぜ。これで俺らの仕事はほとんど終わりか。後は織斑千冬が試合放棄するのを待つだけだな。」
奴らの狙いは俺を誘拐して姉の二連覇を阻止する事らしい・・・だがこんな事をしても無駄だ、姉は俺を家族をして見てくれたことなんか一度も無い、・・・いい成績を残したって俺の事は一度も褒めてくれずいつも秋妬だけを褒めていた。
何時も俺の事を邪魔者扱いし、暴力を振る。そんな奴が俺を助けに来るわけが無い。
数分後...
「どういう事だ!何で織斑千冬が出てやがる!!」
「おい!!ちゃんと連絡したんだろうな!!?」
「したにきまってんだろ!!」
「じゃなんで織斑千冬が決勝戦に出てるんだよ!!?」
テレビには決勝戦に出てる姉の姿が映っていた。・・・・・・そして、姉が勝利し、大会二連覇の偉業を成し遂げた。
『織斑選手、今の気持ちを誰に伝えたいですか?』
『そうですね、最愛のたった一人の弟、秋妬に伝えたいですね!』
『あの~弟さんは二人いた筈では・・・』
『私の弟は秋妬だけですが・・・』
やっぱりな、アイツは俺の事なんて如何でもよかったんだ。普段から秋妬ばかり可愛がっていたからな、俺がどうなろうと知った事じゃないんだ。
「くそが!!」ドカッ
「がはっ!!」
誘拐犯の一人が俺に蹴りを入れた。
「お、おい!」
「ふざけんな!!これじゃあ報酬がパーじゃねぇか!!!何のために苦労してこのガキ拉致ったと思ってんだ!!!」
そう言って誘拐犯の一人は八つ当たりに五分ほど俺を殴る蹴る、暴行をした。
「もうコイツにようはねえ!」
バン!!バン!!バン!!
「ぐはっ!!」
俺を暴行した男が銃を発砲し、俺の右腕と左足と脇腹を撃ちぬいた。
「おいガキ、最後に言い残す事はないか?」
「・・・くたばれ」
「そうかい、・・・じゃあ、あばよ!」
誘拐犯は俺に銃を向けて引金を引こうとした、・・・が、その時。
ドゴーーン!!
「「「なっ!?何だ!!!?」」」
突然、廃工場の壁が吹き飛び、そから何かが出てきたが、俺は暴行と銃で撃たれた痛みによって意識を手放した。
一夏視点終了
一夏が気を失ったと同時に破壊された壁の方角から土煙を巻き上げながら爆走するバイクの集団が現れた。
そのバイクに跨がっていたのは人ではなく、人間サイズで細長い手足が生えた魚の集団だった。
「「「なんか変なのが来た――――っ!!!?」」」
彼らは"関東魚連合"のノボリを立てて、脇目も振らずに真っ直ぐこちらに爆走し、先頭を走ってるのは鋭利なサングラスをかけたマグロだ。
そして、その後ろにある荷台には木製の十字架に金髪にグラサンをかけた女性と太陽の様な生物と身体が “ ところてん ” でできている生物が磔にされていた。
どちらも暴行の跡がくっきりと残されている。
「「「何か磔にされてる!!!?」」」
「全隊、止まれ!!!!」
キキィイイイイイッ
ベチャッ×3
そしてリーダー格のマグロが指示を出すと一同が一夏と誘拐犯の間にバイクを横滑りさせながら急停止し、磔にされてる三人を乱暴に地面に落とした。
「次、焼きジャケ残したらこの程度じゃ済まねえぞ。わかったな!!?」
リーダー格のマグロは地面に倒れる三人に対してそう告げるのであった。
「しゃああああ!!!!撤収だ!!野郎共!!!!」
マグロの言葉に従い魚の集団は三人を放置しその場を去って行った。
「・・・・だって、しょっぱいうえに骨多いじゃんかよ~」
「「・・・・全くだぜ」」
ズタボロで倒れこむ三人はそう呟くのであった。
「ど、どうする?」
「どうするって、俺達の事をしられたんだ、こいつ等も始末するぞ!!」
誘拐犯達は拳銃を構えると倒れてる三人に向けて引金を引こうとした次の瞬間。
「スパークリング!!!」
「「「ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」」」
グラサンをかけた金髪女性の鼻から伸びた鼻毛に誘拐犯達はぶっ飛び、壁にめり込んだ。
「・・・・・ふぅ、酷い目に遭ったぜ。」
そう言いながら額の汗を拭く、先程までズタボロ状態だったのが嘘の様に傷一つない状態になっていた。
「おい、ボーボボ!コイツ酷い怪我だぞ!!」
“ ところてん ”の生物が気を失っている一夏に気づいた。
「まずいな、早く手当てしないと命にかかわるぞ・・・」
ボーボボと呼ばれた金髪女性はスマホを取り出しある所に連絡を入れる。
「・・・俺だ、少年が怪我をしている、かなりの重傷だ、早く手当てしないと命にかかわる!」
『落ち着け、今どこでもドアをそっちに繋ぐ、あとこっちで治療の準備をしておく。』
「頼む!」
スマホで先ほどのやり取りをしてから一分、彼らの前にピンクの扉が現れた。
「よし!急いで連れて行くぞ!首領パッチ、天の助、手伝え!!」
「「あいよ!!」」
そう言って彼らは傷ついた一夏を担ぎ、現れた扉をくぐっていった。
今回は一夏の救出までです。
次回は一夏が新たな人生を歩むお話です。
ではまた。