三国志の勉強しなきゃ(使命感)
やぁやぁ皆様どうもどうも。
ひょんなことから恋姫世界に転生した山田と申します。
私は只今...
「ねぇ、塾に興味はない?」
「ブフォ」
「???」
なんか勧誘されておりまする。
彼女は龐徳おば様の妹である司馬徽姉様、龐徳おば様からは酔狂と呼ばれております。いくら短気で口が悪いからといって実の妹の事を酔狂などと...龐徳おば様の方がよっぽど酔狂だと私は思いますな!
「こっ、こいつに学問とか...あははっ!...無理だろっ...ぶふっ...こ、こいつ文字すら読めないぜっへへ」
腹を抱えて笑い転げる龐徳おば様...ぶん殴りてぇ...おおっと私とした事が口が悪くなってしまいました。反省反省。
「失礼ですな、私も頑張れば文字くらい...」
漢文程度、本気を出せば余裕にございます。多分。
「ほう?読めるのか?」
そう言って懐から何かの本を取り出し私に見せる。
.........題名すら読めませぬ。
「...無理にございます」
「ほらな?ってか水鏡、お前男苦手だろ。なんで最初に誘ったのがこいつなんだよ」
おや?司馬徽姐様は男性が苦手で?
「禰衡君は大丈夫なんです。文字はこっちで教えるから心配ありませんよ姐さん」
この二人本当は血繋がってないのでは?
おおっと、そういえば皆様には話しておりませんでしたな。
私、姓を禰、名を衡、字は正平と申します。真名はまだ母上にいただいておりませぬ。10歳になったらいただけるそうで...後2年。楽しみに待つ事にいたしましょう。
「禰衡君、どうかしら?」
うむむ、めんどくさそうですなぁ...よし、適当な理由をつけて断る事にいたしましょう。
「しかし、母上の許可を「それならもう取りましたよ」...」
くっ、根回しが既に。
「ですが私は文字すら読め「私が一から教えるので心配いりません」...」
くっ、司馬徽姉様優しい。
「私にも準備というものが「今、あなたのお母さんが荷物を纏めてくれています」...」
くっ、有能な母上。
「母上を一人残していく訳には「それなら俺が面倒見てやるから心配すんなよ」...龐徳おば様は反対派では?」
「別に反対はしてないぜ?文字が読めない事で水鏡に迷惑をかけないか心配しただけだ。因みに私は賛成派だ」
なん...だと...しかし、彼女は龐徳おば様なのです。絶対に何か黒い理由があるはずにございます!
「そのこころは?」
「お前が不思議で面白いやつだからだ」
..........???
「...それだけにございますか?」
「ああ、それだけだ」
「えぇ...」
なんか...馬鹿らしくなってきましたな。
(姐さんったら...素直じゃないんだから。正直に将来が楽しみって言ってしまえばいいのに)
「それじゃ、村の人達にお別れの挨拶でもしてこい!」
「はぁ...分かりました」
成る程、逃げ道など最初から...ん?
「お別れ、にございますか?」
「ああ、水鏡が買った塾になるボロ屋はここから遠い山ん中だ。暫くは村に帰って来られないだろうからな」
「ま、誠にございますか?」
「ああ、誠だとも」
先程から驚く事ばかりで整理が出来ておりませぬ。分かっている事は私が塾に行く事は決定事項だと言う事...ここは散歩をしながら村の皆様にお別れを言いつつじっくりと整理するべきですな。
「村の皆様にお別れを言って参ります」
「ああ」
「では、失礼致します」
そう言って禰衡はトボトボと外へ出て行った。
「..................」
「姐さん、もう我慢しなくていいわよ」
司馬徽がそういうと
「かっはぁ!(吐血)」
龐徳が吐血をした。いや、吐血をしたように見えるほど悶え苦しんでいた。
「」
「よく耐えたわね姐さん」
「...やだ」
「?」
「やだやだやだやだやだやだやっぱりやだぁ!!禰衡と会えなくなるのやだぁ!ずっと一緒にいるぅ!私が一生養うぅ!」ジタバタ
.....誰だこいつ。
幼児退行を起こした龐徳。
そう、彼女は禰衡が大好きであった。
龐徳は体を放り出し駄々をこねた。
「はぁ...姐さん。みっともないですよ?気持ちはわかりますが」
「なぁ!お前だって見ただろ!?トボトボと村のみんなにお別れを言いに行く禰衡を!あれを見て苦しむなっていうのか!無理だぁぁぁぁぁ!!」ジタバタジタバタ
「姐さんもいいじゃないかと言ってくれたではありませんか。禰衡君の才は眼を見張るものが有ると」
「確かに言ったけどぉ!小さいのにあんなに人を煽れるんだぞ?凄いじゃないか!あれは素晴らしい才能だ!」
「そんなに凄いの?」
「ああ、私は何度も煽られた事がある!罵られた事もあった!」
「姐さんよく怒らなかったわね」
「何を怒るのだ?禰衡の煽りや罵倒だぞ?ご褒美じゃないか!」
「.....確かに」
もう駄目だなこの姉妹。
「その禰衡に会えなくなるんだぞ?やだやだやだやだやだやだやだ!」
先程とはまるで別人のように駄々をこねる龐徳に司馬徽は困った。しかし流石水鏡先生というべきか、この状況を一瞬で解決する事が出来る神の一手が頭に浮かんだ。
「姐さん、耳を貸してくれないかしら」
「なんだよ水鏡!いいよなお前はこれから毎日禰衡と会えるんだか「姐さんも私の塾で教師として働かない?」ら...え?」
「「.........」」
見つめ合う二人は暫しの沈黙の後
ガシッ
握手を交わした。
ま、ボロ屋を直さないといけないから教師として来れるのは半年後くらいかしらね?それまでは私と禰衡君は二人きりで塾を建て直すのよ...ふふふ。そう、見放題なのよ...何もかも...。
すみません皆さん。龐徳って龐徳公の事なんです、勘違いさせてしまったら申し訳ないです。
お詫びに笮融を部下につけます。可愛がってあげて下さい。