ソードアートオンライン ~ 決意の連弾   作:Edward

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とうとうリュートおじさんが攻略に向けて発進致します。
予定通り、キリトさんとあの原作シーンを出しますのであたたか~く見守ってください。


進出

本日は休暇のシプトとタッグを組むべく27層の転移門広場で待ち合わせをしていた。27層にPOPするドワーフ系モンスターがドロップする金属系アイテムが強化素材として優秀なので取りに行く事に行こうとシプトが提案してきた、父親の私との連携をかねて経験を積みたいといった所だろう。斧槍を振り回して自分のコンディションを確かめておく、いつのも通常攻

撃の連携をゆっくり反芻していく。

「あ、あなたはやっぱり・・・」背後より声をかけられる、シプトの声ではない女性の声だ聞き覚えがある・・・。

振り返ると艶やかな黒髪を結い上げていて女性にしては高い身長と端整な容姿、槍・・・ではなく薙刀を持っている。濃紺の胸当てをし、同じ色のパンツをはいている。

リュートはすぐにその人物を理解する、この世界ではなくあちらの世界でお世話になった女性だ。

「蒔絵くん?蒔絵君か?君もとらわれていたのか?」リュートは小声で周りを気にしながら話す。

「はいっ!こちらではフレアと名乗ってます、お久しぶりです。」深く一礼をして笑顔を向ける。

「私はリュートと名乗っている。どうして君が、それに・・・。」

「ゲームに無縁でしたけど自分の会社が作ったゲームですし、体を動かすのなら私にも出来るんじゃないかと思いまして門弟の子と一緒に並んでゲームを買ったんですよ。朝にその門弟の一人からあなたを見かけたと言われたので半信半疑でこちらに来た次第です。」追跡まがいの事をしていた謝罪なんだろう、申し訳なさげな表情を浮かべた。

「こんなところだけど会えてうれしいよ、君の薙刀ならきっと攻略もはかどっているんだろう。またお手合わせを願いたいよ。」彼女は私がまだ社長を務めていた頃の有能な秘書だった、それに護身術を身に着けているから採用した経緯がある。

そのつてで彼女の母親から薙刀の指南を受けていた、公私ともどもお世話になっている人物である。

「私、モンスターに見た目で苦手な物が多くてそんなにはかどってないですよ。それに門弟・・・ソアラとパーティでやっているのですが二人ともゲームに疎くて・・・。」困った表情をしながらも彼女は落ち着いた物腰で応えた。

「それでもこの辺りをうろついているという事は前線で闘えるレベルなのだろう?ギルドにも入らずに、凄いじゃないか。」

「社、いえリュートさん。あなたはどこかギルドに所属しているのですか?私もご一緒したいのですが・・・。」そういうと広場の一角より同じ服装をした門弟のソアラがフレアの横まで歩み寄り会釈をする、彼女は薙刀ではなく両手剣を手にしている。

おそらく同じ武器では連携に支障が出たのだろう、両手剣を持ち強力な前衛をこなしているように見えた。

「あ、ああ!こちらこそ頼む、もうソロでは限界が来ていたし。おじさん、実は気の許せるフレンドが欲しかったんだ。フレア君が申し出てくれるならうれしいよ~♪」フレアの両手を掴んで自分の頬に当てて涙する、なんともなさけない姿があった。隣のソアラは眉をしかめる。

「フレア様、その汚物を黒鉄宮へぶち込んで下さい。」一蹴した。

「ひっ!」私はその手を離して距離をとる、フレアの目線は左上をみている・・・。やばい本当にハラスメント警告で牢へ放り込むコマンドが出ているようだ。

「ちょ、フレア君・・・。冗談だ、よね?」手がのろのろと伸び、人差し指が空間にタッチされようとしていた。

「ごめんなさい!ちょっと調子に乗っちゃいました。」と地面に伏せると彼女の明るい声が響いてきた。

「冗談ですよ、ハラスメントコードなんて出てないですよ。」フレアはにこやかに笑いながら手を差し伸べる、そして。

「これから、よろしくお願いしますね。」二人は再び一礼をしてパーティに加わるのであった。

「父さん、・・・浮気したら母さん悲しむからね。」いつの間にきていたのかシプトは私の背後を取って呟いた。さすが攻略組のアスナさんと同行しているだけはある、下手な事したらやばいかもしれない・・・。

 

 

事情を説明し、4人パーティとなった私達は迷宮区に入った。前衛はシプトとソアラで固めて後衛からフレアと私が務めていた。

この即席パーティはなかなかうまく機能しており戦闘に関しては非常に安定した。盾持ちのシプトをメインに立てるが、敵の行動パターンの見切りが非常に早い。彼からすぐにMOBの予想攻撃が発せられるので対処が立てやすかった。そしてソニアの両手剣による一閃は一気にHPを削り取り瞬く間に戦況を有利にしてくれる、その彼女に攻撃がいかないようにフォローを

するフレアとの連携は見事なものだった。

薙刀のソードスキルは刀に分類される、リーチが長い利点を生かしての彼女のフォローは時としてソニアと前後を入れ替えてスイッチし波状攻撃を加える。私の主な役割は全体を見渡しての指示と回復による離脱時の穴埋めがメインになっていた。

この4人なら多少のトラップであきらめていたトレジャーボックスも取りに行けるので、以前マッピングであきらめていたお宝がまだ残っているか確認しにいってみた。

「父さん、このパーティなら前線に行けばよかったね。物足りないくらいだよ。」

「いや、今回は即席パーティなんだからこんな所でいいだろう。第一明日からはシプトがいなくなるんだからそれも予測しないとな・・・。」私は明日からはシプトのポジションに入って遠近を使い分けるイメージができていた、今回は見に徹する事ができたのが大きな収穫だ。

「ねえ、父さん血盟騎士団に入ってよ、皆も紹介する・・・?」シプトが何かに反応する前に私の聞き耳が反応する。

「アラーム音!」私はソロの時にいやな予感がして各ギルドに通達したはずのトレジャーボックスを誰かが空けたのだろう、今回はそれをこのパーティで確認しにいこうとしていた矢先だったのだ。とっさにその方向にダッシュしており、背後から3人は追いすっがてきている。

この扉だ!私は扉を開けようとするが閂が入っているかのように開かない、トラップの作動にて扉に鍵がかかっているのかシステムが閉じているのかわからない。

「とうさん!どいて」シプトは鍵あけスキルとワナ解除スキルを持っている、そのスキルを用いて開錠した。

内部は凄惨な状況だった、当初は何人で入っていたのか分からないが現在は二人しかいない・・・。その一人もMOBの一撃を受けていた。明らかに未成年の女性だった、彼女は何か口を動かしてもう一人の同じくらいの年齢の男性に声をかけているなか破砕した。

「止まるな!ソニアとフレアは撤退経路の死守、シプトいけるな!!」リュートは生き残った男のフォローと撃破に向かう。頷いたシプトも同様に続いていく。

ストーンゴーレムとドワーフガードはまだまだポップし、近くのプレイヤーをターゲットしていく。すぐさまソードスキルの”レッグスナッチ”を使用し、周辺のMOBどもを転倒判定にする。続いてきたシプトが転倒を免れたストーンゴーレムにバーチカルを使ってターゲットを取る。

「深追いするな、一体づつ引き付けて後退しつつ部屋から脱出する。」

「了解!」シプトはそのままターゲットを取ったゴーレムに交差方で屠って次のゴーレムに狙いをつける。

後衛では出口を死守しているのでこのメンバーではそんなに難しくないのだが助けに入ったこの男が放心しており出口に向かえない。

「おい!そこの若者、折角助けに来たんだ。戦意はなくてもいいから出口に向かってくれ!」リュートは叫ぶとびくんと反応した男はこちらに視線を向けた、華奢で繊細そうなイメージの男の子だ・・。聞こえない声量で一言発したかと思えば次は暴走したかのように敵陣に深く入り込み、全滅させる勢いで対峙していった。

「ば、ばか!」私も走り出して彼に続く、しかしそれは杞憂だった。強い!無駄は一切なく適切なソードスキルを使用し、その後硬直時間も計算にいれている。洗練された動きがシステムアシスト以上の剣速が出ているのではないかと思わされる。

先日闘ったミズはこの世界では異質な強さに対して、彼の強さはSAOに準じた強さだった。

リュート、シプト、そして彼の3人で内部のMOBをほぼ一掃してしまった。普通なら準攻略地点で最悪のトラップに引っかかっていればただではすまない、しかし全員HPはイエローにも達せずにいる。今はこれを喜ぶ事はできない、まず彼から事情を聞く必要がある・・・。

彼、盾なしの片手剣士はうな垂れたまま動かない。回線切断されたのかと思うくらいである。

「父さん、この人は昔にお世話になったキリト兄ちゃんだよ。」この華奢な男だが確かにあの腕を考えると理解できる、彼の剣技はどのプレイヤーよりも洗練されていた。だが今の彼にはその様子は感じられず、儚い存在にしか伺えなかった。

「・・・、たった今自分のパーティメンバーが亡くなってしまった事には心中を察する。だが多少なりとも知り合った縁だ。説明してくれないか?君ならここのトラップの厳しさを知っていた筈、なぜこのような事に・・・。」心苦しいが聞く必要があった。最前線を適正レベルで行動するパーティーでもとラップにかかれば全滅する可能性があるのか・・・。

「・・・俺が、悪いんだ・・・。ここの危険性を知っていたのに止められなかった。」それ以上は言葉が進まなかった、私はその少ない情報から読み取ってみる。

「つまり、君は適正レベルではないメンバーとここに来て、トラップの危険性を伝えられずにこのような事態を招いた・・・ってことか?・・・・・・君も辛かったんだね。」

私はキリト君とは直接の対面は初めてだ、噂では黒の剣士と呼ばれるトッププレイヤーでビーターと呼ばれて忌み嫌われている存在でもある。

クラインやエギルとの話で出てくるがその中ではそんなに自己中心的な人物とも思えない、おそらく軋轢の中で生まれた必然の産物と思われる。ソロを強いられ、疲れた彼がどこかに身を寄せる事も理解できる。人間はそんなに強くないのだから・・・。

キリト君は驚いた顔をしていた、私が看破したことに気づいたのだろう。よろよろと立ち上がり、私の胸で泣いていた。

 

 

 

一通り落ち着いた彼は生き残ったメンバーに報告をすると言い出口に向かった、一人で行くと言っていたが私は同行するように強く進言した。今の彼が切り出せば確実に告げられた人物はおそらく激昂し、キリト君を責めるだろう。

「とにかく、その話し合いに同席させてもらうよ!弁護するわけでも容認するわけでもない、私は社会の見識で二人に説明させてもらう。なにより私刑は絶対に許さないからね。」

キリト君はしばらく躊躇っていたが私は引かない事にあきらめたのか、静かに歩き始めた。主街地に戻ってきた私達はシプト達と別れ、キリト君と二人になった。もう夕方になり陽がもう傾き、宵闇の訪れが迫ってきている。

街路に一人の若い男性が立っていた、手には鍵を持っている。その男はキリトをみるなり走ってくる、事態をしらない彼は笑顔であった。これはつらいな・・・、今から起こり得る事態をいろいろと想定する。

まずこの場は圏内なので殺し合いには至らないがどちらかが自殺する可能性はある、言動と行動には慎重に運ぶ必要がある。

「キリト、遅いじゃないか、みんなはどうしたんだ?思ったよりいいプレイヤーホームが買えたのに。」

「ケイタ・・・。」キリト君は切り出しするタイミングを掴んでいる。

「お話の所すみません、私はリュートと言います。そこ事で多少の縁があり同席させてもらってます。」割り込んだ私は唐突に自己紹介をする。彼は話を聞くタイプだと思って切り出す、案の定の答えが返ってくる。

「ケイタです、月夜の黒猫団のリーダーをやってます。」

「ケイタさん、お話をしたいのですが少し話が長くなります。そこの広場で座って話しませんか?」

「は、はい・・・。」少し移動し広場のベンチに座らせる、よくない話において立ち話は非常に危険なのだ。突発行動にでやすく、感情的にもなりやすい。二人に準備しておいた飲み物を手渡して話の主導権を握る。

「部外者の私が話すのはおかしいかと思いますがキリト君も通常状態でない為、私から説明させていただきます。」

ケイタ君は不審感を持っている、即時に続きを説明していく。

「まず、黒猫団のメンバーはキリト君を除いて全滅した。」

「えっ!」ケイタ君はそのまま固まってしまった。様々な感情が浮き彫りになっていく、驚きから疑問へ、疑問から追求へと・・・。

「なぜなんだ!なぜ皆が・・・。」

「私は今日27層の迷宮区にいたんだ、アラーム音が聞こえたので助けに入ったときにはキリト君以外はやられていたんだ。」

「27層!まだ僕達が言ってなかった層じゃないか・・・、なぜそんなところへ行ったんだ!」やはりまだこそまで到達できていないメンバーだったんだな、キリト君以外は。やはり彼はレベルを偽っていたんだろう仮説はほぼ彼の一言で立証できた、そしてビーターである事も・・・。

私はその上でまだ彼をビーターである事を、レベルを偽っていた事をこの場では伝えるべきではないと思っている。嘘も方便だ、若者は即答を求めるのもかも知れないが今は穏便に済ませておきたい。

しかしそれは一時的な物であって嘘を突き通してはいけないと私は考えている。しかし、今のケイタ君の回答にはキリト君しか応えられない。キリト君の回答を待つ。

「みんな、プレイヤーホームを購入して一気に稼ぎたくて27層の迷宮区に・・・、俺が皆を止めれていれば・・・。」

「そこを私のパーティが通りかかってキリト君だけだったが救出に成功したんだ。」私はそこでさえぎった、これ以上は話させると全てを吐き出すかもしれない。私が救出したことにしておけば疑問点は持たないだろう、彼のレベルの事に・・・。

「そ、そうだったんですか・・・。申し訳ありませんでした、キリトだけでも助かったんだ・・・。よく生き残ってくれた。」ケイタ君はキリト君の手を掴んで涙した。キリト君はいても立ってもいられない表情をしているが今は耐えて欲しいと思い、キリト君の方を掴んで頷く。

キリト君は生気を奪われていくようにケイタ君に寄りかかった。夕闇が包み込む、街頭に灯が

点り二人の涙顔がオレンジに輝く。

「それでなんだが、ケイタ君」

「な、なんでしょうか?」ケイタ君の表情は真っ青になっている、このあと彼の行動が危険に感じる。

「これは提案なんだが、1層にサーシャさんという女性がいる。そこで子供達と一緒にしばらく暮らしてみてはどうだろうか?」

「えっ!」ケイタは驚く、彼らは前線においつき攻略を目指して活動していたのだろう。このまま放置すればキリトと共に二人で前線に行くと宣言するだろうし、キリトもそれに応じる可能性がある。

それでは駄目なのだ、今はこの二人に同じ行動をさせるわけにはいかない。

「君はしばらく、いやもしかしたらもう闘える状態ではないと判断している。まずは心の傷がいえるまでそこで子供達を守る生活をしてあげて欲しいんだ。」

「そ、それでは亡くなった皆に申し訳が立たない!絶対に前線にでるまで諦めません!」ケイタは必死に追いすがる。

「申し訳ないがそのような状態では自殺するだけだ、前線攻略には絶対的な意思が必要だ・・・。死なない事、皆で生きて攻略する事、諦めない心。ケイタ君は今その全てを持ち合わせていない。」

「で、でも!」

「今日キリト君達が無茶をして多くの犠牲者がでた。私が助けられた立場だから問題なかったが、もし私でも対処できなかった場合、私達のメンバーも命の危険に晒された事になる。・・・いいか、自分の無茶が人にまで迷惑をかけてしまう恐れがあるんだ、君が死地に向かうのはかまわない。だが脱出に貢献している攻略組に迷惑をかけることは私が許さない。」厳しく嗜める。

「キリト君は暫く私と同行してもらう、命を助けたんだ異論はないだろう。」彼は押し黙ったまま下を向いていた。

「ケイタ君・・・。君がもし再び攻略を目指すなら私を訪ねて来てくれ、その時私は君に大事な事を伝えよう。分かってくれるね?」

ケイタ君はまだ腑に落ちていなかった、当然だろう。メンバー一人の命を助けたからと言ってここまで勝手に身の振り方まで言われてしまったのだから。

「はい・・・。」ケイタ君はやはり心が折れてしまったのだろう、死地に赴く心を見透かされてしまった彼には自分の決断は出来ないように見える。私の提案をとうとう受け入れた。

「サーシャさんには伝えておくから行ってみるといい、一層の教会にある。それと最近あの辺りの軍が不穏な動きをしているそうだ、君の腕で子供達を守ってやってくれ。」

「はい、しばらくそこで在り方を考えて見ます。そしてリュートさん、お願いがあります。」

「なんだい、出来るだけの事はするつもりだが。」ケイタ君の目には力が少し戻っていた、現状ではキリト君の方が危ういくらい・・・。

彼は手に持っていた鍵を私に持っていく。

「月夜の黒猫団をリュートさん、あなたに託します。」彼は私の計算を上回った答えを提示する、逆に私の思考を停止させるものであった。

「僕はリーダーとして失格です、もしここで無事だったとしてもいつかはこのようになっていたのでしょう・・・。リュートさんをみて僕はリーダーとしての資質の違いを見れました。なので皆の思いの黒猫団を引き継いで下さい、落ち着いたら僕も再び入団します。」

「俺からもお願いします。」キリトも続いて言うのであった。




すみませんっ!原作に逆らわないようにと誓って作成していたのですが今後のシナリオ構想に彼が必要になったので反する内容にしてしまいました。
申し訳ありませんがお願いいたします。
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