なりゆき任せなので温かい目で見てください・・・。
「リンクスタート!」ゲームを始めるスタートを宣言する。
一気に視界がかわり異世界に入り込むかの如くさまざまな視覚効果が現れる、言語設定やログインパスワードを入力する。
本来ならば、アバター作成があるが注意文書が出てくる・・・。
おそらくデスゲーム宣言後のログインは設定が違うのであろう”キャリブレーションデータに基づきアバターを作成します”との一文がでてくる、”YES”を押して先へ進める。アバター名の作成をする。とSOARD ART ONLAINのタイトル名がでると早速ログオンされる。
目をゆっくりあけると目の前には中世の世界を彷彿とさせる世界が広がっていた。
驚いた、茅場君が作った世界はこんなに完成していたのかと賛辞を送った。
あの日病室で菊岡からこの世界へ送り出す許可をもらってからナーブギアを使った別ゲームでの訓練、またベータテスターで正式版に即日ログインせず難を逃れた人からのレクチャーを受け菊岡からの情報を持ち本日ログインした。
その間二週間を有しての万全と思える状態だ。
妻にも反対されたが最後には了承してくれた、別れ際に「直徒をお願いします」と涙ながらに訴えていた、そして「死なないで」と消え去りそうな声を発していた。
その余韻を振り払いまずはステータス画面を確認する、右手を振り下ろすと心地よい鈴のような音と共にアイコンが並ぶ。
やはりその中にはログアウトというアイコンは存在していなかった。
私はまず自分がどのように成長させていくのかを確認した、私の目的はクリアを優先する行動ではない。
まずは息子を見つけ出してからがゲームクリアを目指す形になると思われる。
このような動機ではパーティに入ることも、ギルドと呼ばれる組織に入ることも失礼に当たるだろう・・・。
私はしばらくソロ活動になると思っている、なのでスキルスロットには単独で生存を優先するスキルを埋めていこう。
初期装備の片手用直剣が腰にある”スモールソード”このまま使用してもいい、片手用直剣は盾が持てる事とバランスがよくあらゆる場面に対応できる点がよいと言われていた。
しかし私は槍を使用することにした、リーチと柔軟な使用方法でトリッキーさがあると判断した。まだ初期段階なので無理と判断すればすぐに別の武器に変えればよい。
最戦線プレイヤーになりたいわけではないのだじっくり行けばいい・・・。
はじまりの街とよばれる圏内非常にひろいらしい、ベータテスターから聞いた情報を頼りに歩いていき武器屋にてスモールソードを売却し、”アイアンスピア”を購入した。
防具は初期装備の革防具でいいだろう。
早速街の広場で槍を振り回してみる、突き刺してみたり振り払ってみたり石突きを使った多重攻撃も可能なみたいと色々と確認してみる。
すると一人のプレイヤーにこちらにむかっているのが目の端で確認した、動作を止め槍を左手に持ち石突きを地面にたてる。
「今更武器を振り回しているなんて事は初めて出るのか?」と聞かれた、若い男性で初期装備でないことからそこそこ戦闘経験があるプレイヤーなんだろう。
「ああ初めてだ、今までは圏内でできるイベントで生計をたてていたがいい加減救助がないから痺れを切らしてきたところだ」と答えておいた。
おそらくあとからきたと言えばどのような質問が飛び交うかわからない。
なんせ彼らは突然デスゲームを突きつけられて精神的に変化があるはず、刺激は避けたいと思っていたからだ。
「そうか、とりあえずはじまりの街周辺のMOBは自分から攻撃しない限りターゲットしてこないから無理しないことだ。頑張れよ」と言って立ち去ろうとする。
「ところで聞きたいんだが十歳くらいの男の子がこの街で困っているということはないか?」とたずねてみる。と足を止めて振り返る。
「十歳くらい?・・・ああ、そういえばサーシャって女が街をうろうろして幼い子供に声をかけて回っているって聞いた事あるぜ。」
「!!・・・どこにいけば遭える?」
「さあなあ、子供を集めたって宿には匿えないしホームを買うなんてコルもねーだろうからどっかの広場か公共施設で生活してるのかもなあ」と男はいうと去っていった。
背中に礼をいう。
この世界は12歳以上推奨のゲームだから少ない可能性でさっきの男が言ったように匿われている可能性があることは想定内だった、早速回ってみことにしよう。
西日が地平線に傾いた頃、ようやくそれらしき施設に行き当たった・・・。
一人の幼い男の子を街で見つけて行き先を追ってきて一軒の教会に行きついた。
ゲーム開始にこんな場所を占拠できるようなコルがあるのだろうか?と思いつつノックをする。
すぐにドアが開かれて広場で聞いたとおりの女性が現れた、やさしそうで安心感のある方であった。私は一礼をしてゆっくりと伝える。
「はじめまして”リュート”と申します、ここで子供達を助けて共同生活をしている女性がいると聞いて伺いました。」と主題を述べると女性は広場で聞いた名前を名乗り、中に招き入れられた。
中には十数人の小学生低学年から高学年までの男女が走り回っている、中にはショックが抜けていない子もいるのか俯いたままの子もいる。
私は一脚の椅子を勧められて腰を落ち着け、サーシャはグラスに水差しから水を注ぐ。
一礼をし、少しグラスを傾けて口に含む。その間に優雅な仕草が対面の椅子に座る。
「あのリュートさん、どのようなご用件で・・・」彼女はまだ警戒を解いておらず、視線は定まらないままたどたどしく言った。
「私は自分の息子を探しているのです、十歳の男の子なんですが」この言葉にサーシャは口に手を当てていた。
「十歳くらいの男の子ですか、お名前は?」
「・・・実は私、正式サービスの日に眠ったままの息子を見守ることができず本日ログインしてきたのです。プレイヤーネームはわかっていませんので顔を合わせないことには判断できないと思います。」この女性は私の息子を匿ってくれている可能性がある以上、ここを秘密にするわけにはいかないだろうと判断した。
「えっ!!」言葉につまる彼女のいいたい事を先に伝える。
「現在必死に政府関係者がSAOにとらわれたプレイヤーの救出を行ってますがまだ見出せていませんでした。その現状にいても立ってもおられず息子に会う為だけにログインしてきた次第です。」
「そうですか・・・。あっ!!すみません!お聞きしたい事はたくさんあるのですがまずはリュートさんのお子様の方ですね、こちらには十歳の子供は三人います。」
「お会いできますか?」
「ええ、三人とも近くにいますので・・・」ウインドーからメッセージを打ち込んでいるのであろうか?操作しながら答える。
「ところでお聞きしたいのですが・・・」とまたこちらに向き直り質問してもいいかの確認をしてくるので頷いて返す。
「この世界では約二千人以上が亡くなっているのですが、現実ではやはり・・・。」サーシャは一縷(いちる)の望みもあるだろう言葉を紡ぎだす、心のどこかで生還できるのではと思っているのだろう。
「・・・・・・現実ではその数に相当する人が脳を焼かれてなくなってます、目覚めた方は一人もいません。」と絶望を口にした。
「そんな・・・。」涙まじりになり顔を伏せて嘆いた、その時だった・・・。
「せんせいー!」「せっかく遊んでいたのにー!」「あー!せんせいをなかしているおじさんがいるぞー!!」
とそれぞれが部屋に入りつつおのおのの言葉をつないでいく・・・。
三人とも直徒ではなかった、やはり彼はデスゲームになったからといってその場にうずくまっているような子ではないと踏んでいたのでそこまで驚かない。
しかしながら圏内からでていくと言うことは危険も多々ある、もしかしたらこうしている間にも・・・。
「その様子では違ったみたいですね・・・でも私はここにいない子でも何人か子に心当たりがあります、二人組の十歳の男の子でここにくるように言ったのですが、彼らはすでに圏外に何度も出ていたみたいでトップに追いつくんだ!と言ってました」
「!」直感が感じる、その二人組のどちらかは直徒だと確信する。
「それはいつくらいのですか!知る限りの情報を教えてください!」冷静さを失った私はサーシャに詰め寄ってしまった、咳払いをして失礼と一言謝罪する。
サーシャはおどろいたようにするが優しい笑みを浮かべる。
「もう一ヶ月程前になります、私もゆとりができた時に小さな子供もログインしている事を知り始めて声をかけた子供達でした、一人は盾持ちの片手用直剣にもう一人の子が曲刀使いでした。二層に行くといってました。」と言った、さらにその姿容姿を確認すると片手剣装備の少年が限りなく直徒によく似ている事がわかった。
「サーシャさん、もう二ヶ月以上経過していますが今は何層まで攻略しているのですか?」
「確か先日で三層突破したらしいので今は四層を攻略中になります。」
四層か、今私が仮に直徒の元に行きに会えたとしても実力的に弱ければ意味がなさない・・・。
逆にそのせいで直徒の迷惑をかけて命を落としかねない、ここはまず私がレベルを上げて追いつく必要がある、そうとなったらもたもたしてられない!
「もし、これから先で子供がいるようでしたらここに連れてきて下さい、私は攻略には参加できるような器はありませんがここでこの世界に迷い込んだ子供達を守って生きたいと思います。幸いここの教会は十二歳以下の子供をつれてくると宿泊と食事は神父様から施しがいただけるイベントになっています。」
「わかりました、行く先々に見かけましたらそうさせていただきます、サーシャさんあなたのような方がSAOにいらっしゃってよかった。私は自分の子供だけを守る為にログインした心の狭い男でした、ここからはできるだけ皆が無事脱出できるように攻略していきます。」
サーシャはリュートと名乗る方はこのSAOでクリアに必要な何かを持っているのではないかと思ってしまう、その何かは確証はなく曖昧な何かなのだが期待したい・・・。教会から出て行くその姿を眺めながら思うのであった。
サーシャ登場、他の二次創作では意外と出てこない人物ですが親子という観点では外すことはできませんでした。
サーシャはあんなでかい教会をどうやって手に入れたのか?という疑問を独自解釈し、サーシャはイベントで手に入れていると判断していました。