できるだけ世界観を壊さないように書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
リュートはまだ始まりの街にいた、周辺にmobを相手にレベリングをしているのだが普通の攻略では先に行った連中に追いつく訳がない。
かといって他の者よりも努力すすれば確かに縮めることも可能かもしれないが私はもう三十五歳にもなったおじさんである、ゲームの性質上二十歳以下の若い能力に太刀打ちできるわけがないことは承知である。
ここは短縮の為の何らかの方法を探す必要があると踏んでいる。
広場で一休みをしつつ食事に入っていた、しかしこの世界の食事はつまらない・・・。
初めは食事処といった場所に一通り入ってみたが、自分の味覚情報がバグっているのかと思うくらいおいしくないのである。
最終的には携帯食として販売しているロールパンを購入する、最低価格には黒パンがあるのだがあれは硬い!かみ続ければいい味が出るのだがおじさんにはきつい!少しだけ一つ価格が上のロールパンを購入してしまう・・・。
さあ本日のノルマは終わった、今日ははあの黒鉄宮という監獄エリアと生命の碑の辺りを探索しようと思っていた。
遅れてログインした私はこの辺りに居住するプレイヤーからは奇妙な目で見られている、何せこの一週間くまなくを捜索する姿に異様な人間のレッテルを貼られているようだ・・・。
言いたいことは言わせておけばいい、私はこの一層のこの場所には別の場所にはない特殊な事があるように思える。
なぜなら一層以外の場所は上にも下にも誰かが到達した足跡があるが一層には下は未到達だ・・・。
こんな事を言えば馬鹿か?と思われるかも知れない・・・、だが私は地下もしくは0層があってもいいと思ってしまう。
逆に言えば本当にこのゲームが百層までで終わるなんてGMつまり茅場君が宣言しただけだ、鵜呑みにしてしまうのは非常に危険だと経験が赤信号を発してしまう。
まあ彼は嘘を言うようなタイプではないが・・・。
上の攻略は若者の仕事だ、私のようなおじさんは彼らにはない人生の経験値で持ってフォローすることが大切だと考える。
だからこそ私は茅場君に後を託したのだが・・・。
実際私はこの一見泥棒のような行動を行い、ガイドブックには乗っていないイベントが二つと隠し武器店とスイーツ店を見つけたのだ!
武器店では四層まで攻略しているプレイヤーでは物足りないだろうが特殊武器があるのだ、私は槍の中でも斧属性を併せ持つハルバード(斧槍)を手に入れた。
リーチも長く、斬属性を併せ持つこの武器は理想的と判断した。イベントとスイーツ店に関しては大した事はないので割愛するが・・・。
黒鉄宮、このはじまりの街の最大級の大きさを誇るこの場所はプレイヤーの生存に大きく機能する場所になる。
犯罪を犯して収監される監獄があり、プレイヤーの生存を確認できる生命の碑。
これ以外にも何かがあるのではないかと思わせる名前と荘厳さ・・・。
彼・・・茅場君は子供の様にゲームを作っていた、必ず何かを作っている確信が私にはある。ここでそれがあたるのかはわからないがあれば必ず挽回できるかもしれない。
捜索開始から二時間たっていた、通りすがりのプレイヤーから奇妙な目に晒されたが気にせずに確認していくそして違和感のある場所を見つけた。
生命の碑があるモニュメントの周りには神殿のように支柱があり大きな天井を支えている、生命の碑の裏には中庭に通じる道があり、途中に分岐する行き止まりの通路が多数ある。
その内の一つの行き止まり通路の壁を叩いていると他の部分と明らかに音の違う場所を見つけた。
ずっと鈍い金属とも石とも言える音ばかりしていた中で軽い金属音になる場所があったのだ、その音の違う境界を追っていくと扉のような作りになっていることを確認した。
次は押してみる、引いてみると試してみるが重いのか動く様子がない。
再度ぺたぺたとその場所を触っていると突起物が手に触れた、その突起物を持ってスライドさせると動く!
そのまま最後まで動かしきるとそこに通路が出てきたのだ。
「っしゃ~!!」小さくガッツポーズを取り内部にゆっくりと入り、そして扉をゆっくり閉めていった。
予想通りとも言える地下に向かう階段を下がりながらゆっくりと自分の予想を反芻していた、茅場君は他のプレイヤーと一緒に行動しているのではないかと予想する。
彼の性格上自分だけいきなりレベルや熟練度を操作しているとは思えない、この世界のレベルが高くても基本は自分の神経伝達速度、反射神経や経験に重みを置いているように思える。
そんな世界だからこそ彼も他のプレイヤーと共に自身を研磨していると思われるからだ。
索敵スキルによりmobの反応がありハルバードを構える、ここはまさに隠しダンジョンだいきなり一撃死されても文句は言えない・・・。
これは博打なんだということを頭に刻み込んでおく。
先の通路の曲がり角から確認が取れる、カーソルはワインレッド!やはり今の私には強敵だと思われる・・・。
この世界においてカーソルの色で見分けができる、赤は敵・緑はプレイヤー・黄色はNPCと判別できる。
そして赤のカーソルにも細かく識別でき、白に近いピンクが最弱クラスでそこから赤色がきつくなり真っ黒に近い赤はとてもじゃないが現在のレベルでは手に負えないとなる。
ワインレッドは暗い赤、つまり敵のステータスの方が上となる。
しかし入り口でこのレベルが存在するなら戦わねばならない、モンスター名は”シニア・タスク”狼型のmobだがフィールドにいてるタイプとは明らかに違っている。
体格の大きさもあるが、タスクの名にふさわしい立派な牙が覗かせている。
私は先制攻撃をかけるべくソードスキルを立ち上げる、相手は獣系なのでソードスキルはないので大量ダメージはないと踏む。
発動後の硬直はあるがうまく当たればクリティカル判定になれば硬直分、相手も一時行動不能(スタン)や転倒(タンブル)になればこちらが有利になる。
通常槍スキルは貫通継続ダメージがあるが私のハルバード(槍斧)なので斬るも存在する、セットしているソードスキルには斬りつけるスキルがなかったが通常攻撃を応用して斬りつけることも可能だ。
左手に構え中段からのダッシュからの刺突攻撃”チャージ”を仕掛ける!丁度曲がりきってこちらに視覚確認され、戦闘態勢に入ったところで槍先が喉元に突き刺さる、咆哮と共に体を捻って遠心力で振り切ろうとするが踏ん張りを利かせて踏みとどまる。
「んなろお~!」シニア・タスクが一瞬力を入れなおそうとした瞬間に槍先を引っこ抜いて体の前に槍を横一文字に持ちそのまま右手にある石突きでシニア・タスクの頭部にヒットさせる、そしてそのまま左手の斧部で首元に叩き込んだ!そこでのけぞり判定が出た為、バックステップからクーリングタイムから脱した”チャージ”を再び仕掛けた。
そこでシニア・タスクから邪悪な光が眼から発したように感じた、しかしソードスキルは発動させると止めることはできない。
胸部に突き刺さる手前でシニア・タスクが視界から消えたのだ、一瞬と惑ったがその場にいるのはまずいと判断し、突撃の勢いを利用してその場から離れるようにソードスキルをアシストする。シニア・タスクはおそらくジャンプをして空中に逃れたと思案した。
しかしそれを確認することはできない。
わずかな硬直だがその間に背後より噛み付きの攻撃を受け倒れそうになるが硬直が取れるなり石突きで体を支えて転倒を防ぐ。
背後からの右肩への噛み付きでうまく槍を当てることはできない、それに噛み付きには貫通継続ダメージと同等の効果があるらしくHPバーがじわりじわりと減っていく。
「まずい・・・」反撃できる要因が出てこなかった、一層のフィールドにいてるウルフは噛み付きによる継続ダメージは与えてこなかった、つまり私自身が受ける未知の攻撃に戸惑っているのだ、あせるな・・・。
私は体を支えていた石突きを外してわざとバランスを崩した、シニア・タスクは背後から覆いかぶさるような体勢になろうとする。
転倒する前に一気に脚に力を入れて踏ん張り体に回転を加えた、肩を咥えたシリア・タスクをジャイアントスイングタイミングのように振り回しタイミングを見つけて後ろに飛んだ。
通路の壁とリュートに挟まるように激突したシニア・タスクは小さい悲鳴と共に肩口を離した。
その好機を逃さず遠心力に任せて斧部を横一文字に振り抜き2連刺突”ダブルスティック”を行使する。そこでようやく破砕音と共にシニア・タスクを消滅した。
そしてファンファーレと共にLVアップが浮かんだ、これでようやく7だ。
初めて格上との対戦に焦りを覚えた、脚も震えてその場に座り込む。HPバーを確認したがたった一回噛み付かれて3割強のもHPを持っていかれていた。
「こりゃおじさんには長時間訓練は無理だなあ。」と一言嘆きながらポーションを口に含む、薬だけあってまずい・・・酸味と苦味を混ぜ、ミントような爽快さでごまかしたような味と感じる。スロットが空いたら料理スキルでもとってみようかな・・・、冗談だけどね。
ハルバード(斧槍)実際に出てきたのかな?これから私は特殊武器をたくさん出していく予定です、気分を害したら許して下さいね。
次回は私の疑問の独自解釈があります、ここまで不愉快でしたら次回はさらに不愉快になるかもしれません・・・。ごめんなさ~い。