ソードアートオンライン ~ 決意の連弾   作:Edward

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三章終わりまで投稿します。
いまだキリトさん出てきていませんが、四章で登場予定をしております。
相変わらず、誤字の多い作品ですが暖かく見守って下さい。


新装

今日の私は絶好調だった、茶柱は立つわ料理スキルでポーチドエッグが出来るまでに進化したのだ!今日はおじさん何かいい事があると思い彼らの住む、プレイヤーホームに足を踏み入れた。

「たのもー!」おじさんは意気揚々と扉を開く。

中にはレジェントブレイブスの面々がおのおののスキルを磨くべく活動をしていたのだった。

まだ活動を始めただけなので当然依頼は押し寄せてこない、その間は予想されるイベントを各自こなして頼まれるであろうアイテムを先に取得していっているのであった。

「あの~、リュートさん・・・。掛け声違ってますよ、それじゃあ道場破りにきた修行者ですよ。」ネズハはあきれてフォローを入れてきた。

「ん?違っていたのか?おじさんこれの方が気合が入るような気がしたんだが・・・。」

「正直言いまして親父ギャグの領域です・・・。」ネズハがいうなり、リュートのソードスキル”バイスアロー”が襲う!

「ひゃああ!何するんですか!」リュートの双眸は見開き、今までにない真剣な顔つきをしている、まさに狩りをするハイエナのように・・・。

「あ!ああ・・・。すまん、自分で言うのは大丈夫だが、人から”おじさん”と言われると・・・殺したくなる!!」

(めんどくせー!リュートのおっさんめんどくせー!!)

レジェンドブレイブスの面々は言いたい事を止め、耐えがたきを耐え忍んでいた。

なんともなくなごみの雰囲気を味わったリュークはネズハを呼び止めた。

「ネズハ君、時は満ちた!頼んでおいた依頼をお願いしよう!」リュートはアトリータをネズハに掲げて宣言する。

「新しい斧槍を頼む」

辺りに静かな雰囲気が漂う、とうとうリュートはネズハに自分の命ともいえる武器の改革を依頼したのである、鍛冶師にとって最大の依頼と言っていいだろう。ネズハはその彼の度量と器に感動したのであった。

「は、はいっ!全身全霊でもって答えさせていただきます!」ネズハは炉の温度を一気に上げ、掲げていたアトリータを手に取りふいごやハンマー、用意できる添加物の確認を行った。この日の為に自費もなげうつ勢いで腕を磨き、思考錯誤を繰り返していた。レジェンドブレイブスの復活に手を貸してくれたこの方の為に・・・。ネズハは炉に背を向けて涙していた。

リュートはその一連の動作をつぶさに見ていた、ただネズハとは違い、目には涙が溜まり、全身を震わせていた。

(ネズハ君、君は勘違いをしているよ・・・。私はただアトリータと同等の武器を頼むといいたかったのだよ。アトリータを素材に戻して再生してくれとは・・・言ってないよ!)心の中で叫ぶ、ネズハ君はまだ鍛冶師のしての力量は上がってきているとは思うが、まだ相棒を再生するレベルには達していないと考えている。

(どうする・・・、っていまさらやめてくれっとは言えないよ~。)

ネズハの隣にはエンキドゥが激励を送り、それに応えるように作業を続けるネズハをみてとてもじゃないが中止にはできそうになかった、ここでリュート覚悟を決める。

アトリータはその真っ黒な姿を立方体に変わり、次の変わるべく姿になる前の素材に落ち着く。

「リュートさんは筋力値要求の武器ですよね?」

「あ、ああ・・・そうだけど」

「それなら、添加物は私達にまかせてくださいませんか?」ネズハの周りにはいつの間にはレジェンドブレイブスの面々が一列に並ぶ。

「みんながこの日の為にリュートさんに最適と思う添加剤を集めてくれたんです、一緒に入れていいですか?」

添加剤はモンスターがドロップしたり、または採石場で入手する様々な素体である。おそらく全ての材料を把握して強化に都合のいい配合なんて出来るわけではない、彼らは彼らの視点で私に合うと思われる素体を集めてきてくれたのだろう。私がそれをとがめるわけには行かない。

「ネズハ!遠慮せずにやってみるんだ!」私の口はもう止められない流れにそった口調で周りの場を盛り上げる。

「おおおおっ!」ネズハもすっかり乗り込まれていき、ハンマーを叩く音が力強く帰ってくる。

そして私の槍斧が形だっていった。ネズハは息を切れ切れに新しい息吹の槍斧をタップして固有名を確認する。

”アレフォーマ”・・・ってあの”areformer”か?おじさんまだまだ改革者なの?そろそろ保守派になりたい・・・。

っ毒づいているうちにネズハは両手にその槍を横に持ち、まるで神仏に捧げるようにリュートの胸元へ持っていく。

「是非!僕達のまだかなわない夢を持っていってください」ネズハは涙まじりに思いをぶつける。

彼らは再出発を果たしたが、前線にはまだまだ先の話だろう。その思いをリュートに託したかったのかもしれない、自分達のできる範囲で送り出したかったのだろう。リュートはその槍斧を左手に持った、あの黒一色の槍が複数の添加剤により銀色に輝いている。筋力要求が高いながらも疾風のような一撃を叩き込めそうな流線形な槍先、片刃から両刃に戻り片刃の形状はアトリータより小さくなったが刃筋は冴え渡り叩き潰すイメージは払拭されている。扱いは難しいでこれを自在に操れる時に真価を発揮させるであろう・・・。正に自身を開拓し、フロンティアを目指す一品だ。

 

一通りお得意の通常攻撃の連続攻撃を繰り出してみる、まずは三歩ほどの助走より槍の石突辺りを持ち左手の片手を目一杯突き出す遠距離の一撃を繰り出しすぐさま胸元に引き戻すと共に右手で槍の中央を持ち左手を持ち返す横一文字から石突きの近距離一撃から斧部での打ち下ろしそして両手持ちでの中距離の重攻撃を披露する。そこで初めて4連続ソードスキル”ロードスクロール”を放つ。

「おお~!」見ていたメンバーが一同に驚く、さっきの通常攻撃はまさにソードスキルに近い・・・。ダメージはソードスキル判定ではないので大きく与えられないだろうがソードスキルにつなげる攻撃は脅威に感じた。

「おじさんも、ちっとはがんばってるでしょ?」と頭をかいてネズハに照れるように笑いかけた、そして

「ネズハ、ありがとう・・・。次は投げ槍も頼むな。」と言い、コルをオブジェクト化して渡す。トレードで渡してもいいのだが感謝の意を伝えるのならオブジェクトして渡すほうが沸くのではと思い渡した。

「そ、そんな・・・。コルなんていいですよ。」

「いや、これが新生レジェントブレイブスの初仕事だよ、受け取って欲しい、そんなに多くはないが・・・。」ネズハの手を取り受け取るように渡した。

メンバーは騒然と初仕事に騒ぎだした、これで彼らは大丈夫だろう・・・。と考えていた所にメッセージが入った・・・。エギルからの短い一文だが私の衝撃は大きかった。「転移!トーティス」青白い光と共にその場から消えていくのであった。

 

 

エギルは攻略から商売の道に重点を置くようになっていき、今は数名の仲間と共に最前線で共同出資による商売を行っていた。いつかは個人で店を購入したいがまだまだ先になりそうだ。

先ほどアスナからメッセージを受け取り物品の準備をしていた、アスナは盾を注文してきたのだ。彼女が盾を装備している所は見た事がない、スタイルを変えるとも思いづらいので真意は見えてこなかった。

盾は共同者のリズベットに注文し希望の物はできていた、あとはリベートがどれだけ取れるかだがアスナは今まで原価を看破される事が多い、今回はどうなるのやら・・・。

来客用の鈴がなりそこにアスナが入ってくる。

「こんにちはエギルさん。」アスナは白と赤を基準とした戦闘服に身を包んでいた、23層あたりで血盟騎士団に入ったと聞いていたが噂は本物のようだ。近頃のアスナは攻略の鬼となっており、最近は副団長という肩書きまで背負っている為か顔は綻ぶ事が無かった。

「おお、アスナか見違えたな。例のもんはできてるぜ」盾をカウンターに置いて見せてみる。

盾は小さなラウンドシールドだ、アスナの注文により血盟騎士団の象徴とも言える白と赤を基調としたデザインを施してある。

「ありがとうございます。シプト、確認してみて」アスナの方に目がいってしまい気づかなかったが彼女には同伴する男の子がいた。

その子も血盟騎士団の服装を纏っている、入団基準に入っているという事はエギルよりもレベルが上と言う事になる。

シプトは盾を装備し、その腕を振り回したり剣を抜いてバランスを確認していた。

「アスナ、この子は?」とエギルは確認していた、どうしても気になるのは当然だろう。それに応えたのは盾の確認していた子供が応えてくれる。

「ご挨拶が遅れてすみません、シプトと言います。血盟騎士団でアスナさんと同行させてもらっています。」

「ああ・・・、そうなのか俺はエギル。雑貨から武器の売買までしている、安くしておくぜ!」

「こちらこそ、よろしくお願いします!この盾すごく使いやすそうです、メッセージだけでここまで注文通りの品をありがとうございました。」

「シプト、あまりほめすぎないで・・・。値段の交渉に支障がでるわ。」と相変わらず表情を変えずにアスナは嗜める。

シプトはエギルに耳打ちをする。

「アスナねえちゃん、入団してからこんな調子なんだ。もっと息抜きできるようにならないかなあ?」

「それは災難だが、シプトが頑張るしかないな・・・」

「ええ~、僕はもっと大人しい子がいいなあ」とまでいった所でアスナが割り込む。

「聞こえてるわよ、シプト君。・・・さて装備も揃った事だし、最近ちょっと甘やかした所があるから今日はちょ~とばかし厳しくいこうかなあ~。」

「わわっ!ごめんなさい、ごめんなさい!あれは第三者が見たら児童虐待でどっかの団体からクレームが・・・」

「四の五の言わないの!エギルさんお勘定だけど・・・」

と切り替えすとエギルは考え込んでいたようだった・・・、お勘定と言ったのに帰ってきた答えは別のものであった。

「アスナ、この子もしかして以前は同じような年頃の男の子と二人組みではなかったか?」

「え?ええ・・・。5層までそうだったらしいのだけど、迷宮区で相方の子が死にそうになってリタイヤしちゃったそうなの。ソロで活動していた時に私が保護者になったのだけど・・・。」

「!・・・アスナ、すまないちょっとその子に事情があってもう少し時間をとってくれないか」

「え、ええ!どうしちゃったの?」エギルの迫る気迫にアスナは困惑してしまう。

エギルはメッセージを操作していった。

・・・・・・・・・・・・・・・・「エギル!」リュートはけたたましく一時の店に飛び込んだ、とうとう有力な情報が入った私はこの時を待ちわびていたのだ。対面も無く呼び捨てにしていた。

「すまんっ!」エギル珍しくその巨体を小さくまとめて謝罪していた。

「引きとめ切れなかった!しかしアスナは今から攻略に向かうと言っていた、きっとフィールドから向かっているから間に合うはずだ!」

「エギル、サンキュー!今度こそおごるぜ!!」けたたましい勢いをそのままに出て行くのであった。

 

「アスナねえ、エギルさん引き止めていたけどこれでよかったの?」シプトは林檎のような果物を手にアスナに問いかける。

「シプト、私達は一日も無駄にはできないのよ、あなたも早く両親にしたいのでしょう?」

「そうだけど・・・。」今のアスナねえには僕の言葉では届かない、もっとふさわしい人がアスナねえの心を解かすんだろうな?と思っている。

「アスナねえ、止まって!」フィールドにいる異物に気づいた僕は抜刀して警戒した。フィールドの木々の中に一人の青年が一休みをしているようにしながらもその凄まじい眼光が僕達を射抜いている、殺気を消すそぶりもなく堂々とトップギルドの団員に向けているのに余裕の表情は異様とも言える。

青年は黒髪でおそらく容姿には全く手入れをしている様子は無かった、僕も黒髪だがこの世界では髪の色もアイテムで自由に変更できる。僕もアスナねえとパーティなのであわせてちょっと黒を混ぜてダークブラウンに変えている。彼の装備はログイン時の標準に近く、携えている長剣のみが一級品と歪な感じだ。

「よう、あんたが血盟騎士団のアスナか?俺とデュエルしな。」青年はいきなり決闘を申し込んできたのだ、全く意図が読めてこない。アスナは聞くなり侮蔑とも思える目で睨み返す。

「私達は攻略を急いでいるの、申し訳ないですがまたの機会に・・・」ここまでいえたのだがもう一方的なデュエルは始まっていた。アスナはとっさに抜刀し、青年の一撃を受け止める。

「受けなくてもいいぜ、俺も勝手に仕掛けさせてもらうからよ」青年は凄まじい勢いで連続攻撃を仕掛ける、全て通常攻撃だが速度はソードスキルに近く、重い。アスナは重い攻撃に受け止める事を止め、距離を取って凌ぐように受け流していく。

アスナは防戦一方になっていたが、冷静に反撃にでるように体勢を立て直しを行う・・・。が青年の剣は洗練されつくしている為、詰め将棋のように自分の実力が出し切れず、ジリ貧になっていく。

「くっ!」とうとう青年の一撃を受け、青年のカーソルはオレンジになる。アスナはソードスキルも使う暇もなく追い詰められていった、対人戦に慣れすぎている青年に血盟騎士団の副団長は手も足も出ずにいた。

「アスナねえ!」突進型のソードスキルが青年の胸元を掠める。

「ガキ!楽しい時間を邪魔すれば容赦はしないぜ。」青年は攻撃を止めて冷酷な目を向ける、ぞっとするほど温度がなく冷たかった。優位に立っているにもかかわらず全く優越感も支配感もない、ただ戦闘意欲のみでいるような戦闘凶に僕が勝てる要因は見当たらない、でもここで何も成さなければ二人とも敗れてしまう。今はこの絶対的なこの敗北感を拭い、時間を稼いで救援を待つしかないだろう。誰か!助けにきて!!

「おおおおっ!」僕は防御も捨てる覚悟で攻撃に徹した、青年は片手で遊ぶように長剣を持っている。アスナもここまで子供扱いにあしらわれて心が折れているのかうつむいたままで攻撃に転じない。ソードスキルを繰り出し、アシストを最大に支援しているにも関わらずこの青年は全てを見切るかの如く交わしていなしていく。

「ガキにしてはいい才能持ってるな、そこの出来損ないよりは素質あるぜ!」青年は僕の最大の連続技”ホリゾンタル・スクエア”を長剣で叩き落した。

「あばよ、それなりに楽しめたぜ」と宣言し、ソードスキルを発動した。”スラント”単なる袈裟斬りだが、今の僕のHPを減らしきるには充分だった。僕は発動後の硬直で動けない、「アスナねえ、ごめんね。」その言葉に反応したのか必死に追いすがるアスナ、だが全ては手遅れになっていた。命は突然凶悪な人物に出会い、無念も抱く暇もなく握りつぶされる事があるのだと痛感してしまった。僕は目を瞑り一撃を待った。

だがその一撃はやってこなかった、長剣の前に一本の斧槍が阻み僕のレッドゾーンに至っていたHPをかばっていた。

「何をしている!」そこにはクリアして真っ先に会いたい人物が僕を守っていたのだ。

「とうさん!」僕は叫んだ、命尽きかけるこの時にいた父は怒りに震え、見た事もない形相で青年をにらんでいた。

「何をしているか・・・こたえろっ!!」父の槍は振り抜かれ青年はバックステップで体勢を維持した。

「ふーん、おっさん!邪魔しないてくれねーか、楽しいひと時が台無しじゃないか。」青年はまたもや余裕のつもりか長剣の柄を人差し指でバランスを取って挑発する。

「お前・・・、水島か!」父は厳しく言い放つ、普段はおじさんキャラそだが反面に博識な父にはシプトにとって頼れる存在なのである。

 

 

「知っているのですか?」冷静を取り戻したアスナはリュートの前に立って共闘体勢を取る。

「ああリアルでは有名人だ、剣道の大会で中学から負けた事がないと言われている。特に勝ち負けに固執していたらしく、負けるときは死ぬときとまで公式の場で公言した化け物剣士だ。ただ数年公式の場にでていないと聞いていたが・・・。」

「ああ、そのおっさんの言うとおりだ。試合はもう飽きた、ここで俺は死合いをする為にきたんだ。」

「そ、それって・・・、デスゲームと知ってログインしたって事?ゲーム攻略する為ではなく、死合いをする為に・・・。」アスナは呻くように言う、このゲームに参加している全員が突然死のゲームと宣言され必死にレベルアップして攻略をしている。その者達を獲物にするようにログインしてくるなんて、アスナの知識では計れない狂気であった。

「ぶつぶつうるせえな、そろそろ再開していいか?」長剣をバトンのようにくるくる回していた手が柄を握りしめる、彼に構えはなく右手の剣がだらりと下げられ自然体を維持する。

リュートはさらに前に立ち構えて突進する、アレフォーマの柄を長く持ち左手を目一杯に伸ばすリーチの長い突進突き攻撃を繰り出す、青年ことミズは半身のみを捻り紙一重のようにかわす。ミズはカウンターのように突進で交差する点で横一閃するが引いたアレフォーマを両手に持ちその一閃を止めつつ突進を進めて距離をとろうとするがミズはそれを許さない、間合いの利点を知っているミズはリュートの体勢の取り直しで自分の間合いを取ろうとしている。リュートもそれを理解しておりその間合いに誘い込んでアレフォーマを両手に持ち石突きと斧の多重攻撃に入る。

間合いは戦闘において重要な要素である、SAOにおいても適正な間合いで攻撃をいれないと大きなダメージを与えられない。リアルを追求する茅場君はその点も考慮に入れているようで、クリティカル判定は適正な間合い・良好な攻撃体勢・急所への攻撃が大きく起因する。

懐に入り込んで手数を増やしミズの攻撃を封殺する。その効果もあり防戦を取り攻撃に転じてこない、あれだけ好戦的な性格なのに自分のスタイルで戦闘できないミズは苛立ちもなく捌いていく。あれだけ挑発的な態度なのにこと戦闘中において誠実なその姿勢に本物の剣士である・・・。

つば競り合いに持ち込んだ時、ミズは初めて笑みを浮かべてリュートに語りかける。

「あんたも剣士か?」

「・・・剣道ではないが、現実ではとびきり厳しいお方に修練はつんでいた。」

「ふーん、そのスタイル。薙刀か?」少ない情報からミズは看破していた、斧槍と薙刀では形状は違うがこの数ヶ月で自己流で消化し、ものにしている。

「薙刀は女性の武術だから私なりに武器を選ばせてもらったよ。」斧部でつば競り合いを一気に引き石突きで近距離からの突きをくわえた、この攻撃はその戦闘において初めて使う通常技にも関わらずその攻撃を長剣の柄一点でとめて見せたのだ。リュートもさすがにその防御には想定外でミズの袈裟斬りに反応できなかった、不快感が襲い距離を取りながら片膝をつく。

「薙刀と聞けばその攻撃方法も知ってるぜ、まさか俺が他流試合をしてないと思ったか?」

「知っていても、普通の剣士がその防御方法は取れないだろう・・・、やはり本物だな。」リュートは感心する、そして

「私を殺せば、いい・・・。勝てる要素はない、ただし後ろの二人は見逃してやってはくれないか?」

「あん?・・・まあいいぜ、この場においては逃してやるよ。おっさんもな。」(えっ!)リュートは顔を上げて驚きの顔を見せる、ミズは笑みを見せていて表情を読み取れない。

「ちょっと野暮が入った、あんたとはまた殺り合いたいから今日は挨拶としておいてやるよ。俺はミズだ、あんたは?」

「リュートだ。」

「リュート、あんたはこの手で殺してやる。もう少し腕を磨いて楽しませてくれよ。」長剣を背中に納めて悠然とフィールドに消えていった。

 

 

3人は落ち着く為にエギルの店の2階を間借りしていた。シプトと私は道中に親子の語らいは済んでいた、アスナにお礼を伝えたがアスナは言葉を交わす事は少なかった。今はリュートが階下に行っており戻ってくることをまっていた。

「お待たせ~。」リュートは数々のお皿をエギルと共に持ってきた、部屋に入るなり各料理の匂いが漂ってくる。

「エギルさんの店、一時店舗なのにいい台所があったからつい色々作ってきたよ。」テーブルに運び席に着く。リュートはどうしてもこの世界で和食が食べたい一心から料理スキルを取得し、アレンジをしていた。お米は同様の味覚になる食材がなく、イベントで手に入れた”ミュール麦”をふかしたもの。お味噌汁はなんと”クライム豆”を耐久値をなくしたものを水でとかした物がほぼ同味覚になったのは偶然の産物だった、メインディッシュはウーラフィッシュの香草焼き。

「リュートが料理スキルとっているとは思わなかったぜ。」エギルも席につく。

「この世界のご飯はおいしくないからね、でもここで活動する以上楽しまないとね。」リュートは言うとアスナは突然反論する。

「リュートさん、私達の一日一日が無くなっていく中で何を考えているのですっ!あなたのような有望な人物がなぜボス攻略に出てこないのですか!」アスナがおそらく先程からリュートに言いたかったのはここなんだろう、堰を切ったように問い詰める。

「アスナさん申し訳ありません、私は息子のシプトに会う為だけにSAOにログインした異端の存在なんです。正規攻略の行為を汚すような真似をしたくは無かったんです。」

「会う為に・・・って後からログインしたんですか!」アスナの言葉にエギルも驚く、シプトは道中に聞いていたので驚く様子はなく食事に手をつけている。リュートは頷いて続ける。

「シプトを保護してくれていたのでお話しないといけないと思い話しましたが内密にお願いします。」

「そんな事が可能だったのですか?」

「政府は事件直後にナーブギアは回収されましたので私以外にログインする人はいないでしょう。私は役二ヶ月後にログインしたんですが、ここで死んだプレイヤーは現実でなくなっているのを確認しています。」

「そんな・・・。」アスナは手をあてて涙した、心のどこかで死んでいない可能性もあったのだろう。

「私は息子に会えて無事とわかった以上、次に行動するのは攻略ではなく人の再生と更正を行おうと考えている。」

「再生と更正?」エギルとアスナは全く意図がつかめなくて聞き返す。

「この世界は若者ばかりで精神的にも危うい者が多い、一度の失敗に挫折して可能性を失った者や犯罪に走った者の更正して元の攻略に戻す事が私がこの世界にできる唯一の貢献方法と思っている。」リュートは今後の活動方針を3人に公言した。

「で、でも!」アスナは食い下がらない。

「その能力は攻略でも役立てるべきだわ!あなたは再生した人を死地に送り込んで自分は安全圏にいるつもりなら私は許せないわよ!」アスナの言う事も尤もだ、そういう一面が見える事も事実である。

「確かに攻略は最重要事項だ、けれど人間はもっと怖い存在でもある。現実の法が使えないSAOで狂っていく人間を放置していれば必ず攻略のメンバーも蝕まれていくと私は思う。」

「それは・・・。」アスナもそれは感じていた、犯罪者が組織化しオレンジギルドを結成。中層ゾーンのプレイヤーが標的にされ金品を奪われている。中には殺人を犯している者もいるらしい・・・。

犯罪者達のレベルは低く、攻略組に被害が出ていないがリュートのいうように脅威になっていくようなら早めの対処が必要だが現状の攻略組ではボス攻略以外で動くとは思えない。

「父さん、でも時間があるようならボス攻略に参加して欲しいな。正規でもなくても脱出しないといけないのは同じなんだから・・・ね?」リュートのつける言い分も子供には単純明快だ、いつも直徒の言葉で考えすぎている自分に気づいてしまう。

「・・・シプトには負けるよ、今すぐではないけれど参加させてもらいます。」息子の頭を撫でながらアスナに応えるのだった。




気づけばいつもより多文章になっていました、申し訳ございません、次章では黒猫団の話しに絡んでいくリュートさんを考えております。
あまり原作をいじらないように考えておりますのでお願いします。
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