猫でいる生活   作:syumasyuma

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干し芋を貰いました

《降りしきる雨の中、崖沿いの道をゆっくりと前進する黒森峰フラッグ車。解説の松木さんどう思われますか?》

《いやねえ、これはまずいですよ。完全にプラウダの術中ですね。》

《といいますと?》

《今車両数では黒森峰が優勢ですが、フラッグ車を追う前衛が前に出すぎてますね。》

《気が逸ってしまったのでしょう伏兵に気づかずに通り過ぎてしまいました。》

《見てくださいやり過ごした車両が《おおっ~と!黒森峰のフラッグ車を前を走る車両が落ちていく!》》

《ああこれは危険ですね。川は雨で増水してますからね至急回収しなければ・・・えぇ?》

《これは!フラッグ車から人が!川に飛び込みました!》

《・・・っ!》

《停止したフラッグ車をプラウダ見逃しません!黒森峰のフラッグ車戦闘不能です!・・・松木さん?》

《・・・飛び出した選手は無事のようですね。いやあ判断力と勇気のある子ですね。》

《でも無謀ですね。戦車の水密性は確保されているわけですから~~》

 

 

今日も麻子を見送った後、ぼんやりとラジオ聞いていた。

どうやら陸は大雨が降っているようだ。

 

『今日もいい天気だ』

 

ラジオを止めて台所の小さな窓を開き、転落防止用の柵をすり抜け家の外に出ると、

いつもの集会所に顔を出していく。

 

『こんにちわ』

「「「にゃ~~」」」

 

挨拶と細々とした情報交換を終えるとまた別の集会所に顔を出し、同じように挨拶と情報交換をする。

 

それを左舷⇒艦首⇒右舷と周り、学園の正門の大型引戸門扉をすり抜け校内へ入る。

メインストリートを堂々と通り、左側にある高等部普通科の校舎に入る。

 

廊下には月間のイベント日程や学食の日替わりメニュー、寄港予定などが張り出された掲示板があり、

意外に情報が転がっている。

 

特に新聞部が書いたであろう新聞は直近で起こったイベントを良くまとめていて見ごたえがある。

ふんふんと呼んでいるとチャイムが鳴り、生徒たちの騒がしい音が聞こえてきた。

 

その音を聞いて速やかに校舎を飛び出し、物陰に隠れて見つからないようにする。

前に見つかったときは休み時間が終わるまでこねくり回されて酷い目にあったからな。

 

このまま物陰沿いに進みながら学園の奥へ向かう、体育館からぞろぞろ出て行く生徒や被服科の校舎に戻る生徒、

チャイムが鳴ったのにテニスコートで打ち合い続ける生徒。

 

それらを尻目にグラウンド横にある駐車場に顔見知りの人間の姿があった。

赤いスポーツカーを洗車しているおじさんに近寄り挨拶する。

 

 

「おやモコくんじゃないか?お散歩かい。」

 

『ちょっと部活棟までな』

 

「足元に気をつけるんだよ」

 

 

このおじさん、猫を飼っているせいか若干言葉が通じるので重宝している。

まあ麻子ほどではないがな。

 

昼休みになると大体車を洗車しているので、すっかり顔なじみになってしまった。

しっかしいい車に乗っているな、羨ましい。

 

 

おじさんポイントを通過し、さらにグラウンドを通過しようとすると、グラウンドに置かれた大きな倉庫の側面の扉が開いていた。近くには自転車が置かれている。籠の中には食べ物の袋が入っているようだ。

しかし2ヶ月ほど倉庫の傍を通っていたが、扉が開いているのは初めて見る。

 

開いた扉から中を覗くと中には背の低い女の子が立っていた。

赤毛のツインテールを靡かせた少女は壊れた何かをしげしげと眺めている。

 

 

「次のイベント何しよっかな~?これ使いたいな~でも予算がな~」

 

『ここで何してるんだ?』

 

「ん~迷い猫か~ガラス落ちてるから危ないぞっと・・・おっフカフカだね。」

 

少女に持ち上げられて、彼女が見ていたものが何か分かる。

これは戦車か?なんともボロボロだ。

 

「猫さんは次のイベント何がいい?」

 

『ちゅ~る食べ放題がいいぞ』

 

「そっか~じゃあバスーカで水ぶっかけ祭にしようか~夏だしね~」

 

彼女に抱えられて倉庫から連れ出され、外に下ろされた。

彼女は倉庫の鍵を締めると、籠の中にあった袋をあさると干し芋を一枚取り出した。

 

「はい干し芋あげる」

 

『はて猫は干し芋食べても大丈夫なのだろうか・・・うまい!』

 

「おお!いい食べっぷりだね!・・・モコちゃんっていうのか。よろしくねぇ。」

 

 

やたら美味い干し芋を食べていると首輪についていた名前のタグを確認された。

名前のタグにはモコという名前と麻子の名前と電話番号が書かれている。

 

しかしバズーカは戦車の砲塔から思いついたのだろうか?

 

 

「じゃあバイバーイ」

 

『また芋くれよー』

 

颯爽と自転車にまたがって去っていた彼女はグラウンドを横断して校舎に向かっていった。

彼女を見送ると干し芋で膨れた腹を揺らしながら、倉庫の裏手にある山林地区に入っていく。

 

山林地区の傍には古びた部室棟があり、使われていない部室に猫が住み着いている。

また部室棟の猫は学園内に詳しい固体が多く、中々に興味深い話が聞ける。

 

にゃーにゃーと話を聞いていると、どうやらマスクド・カイチョーがジャガー河嶋を激闘の末、

スリーカウントで倒したらしい・・・何の話だ?

 

この後も山林や船尾の集会所を巡り、話を聞いていたがそれは割愛する。

さて日も暮れてきたし家に帰らねば、麻子の機嫌が悪くなる。

 




お久しぶりです。

会長の顔見せ回です。あと問題の62回決勝戦の一幕です。

ガルパンの資料集を漁って見ましたが
大洗学園艦の詳細な地図を見つけられなかったので
アニメの背景から適当に想像してます。

あとTV版5~8話を劇場で見ましたがSEがはっきり聞こえるので
かなり違う印象を受けました。
17ポンド砲すげえってなりました。

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